子ども食堂ボランティアとは・活動内容・参加方法・募集団体を解説

子ども食堂でボランティアをするにはボランティア

一人親家庭で十分食事が食べられない子どもや、親の帰りが遅く1人でコンビニ弁当を食べる子どもたちに無料や格安で食事を提供する子ども食堂が、全国で広がっている。親の帰りが遅くいつも一人でご飯を食べている子どもや、夕食の準備をする時間がない一人親のお母さんも、様々な人と一緒にわいわいにぎやかに食卓を囲む。子ども食堂を企画するのはNPOや地域の人たちだ。

全国でどんどん増える子ども食堂はボランティアの活躍によって成り立っていることが多い。ここでは子ども食堂でボランティアする方法や、立ち上げた団体の人たちの思い、立ち上げるにはどうすればいいかなどについて解説していく。

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子ども食堂が広がる背景にある社会課題

子ども食堂が広がる背景には「子どもの貧困問題」がある。いま、17歳以下の子どもは6人に1人が貧困状態にあると、厚生労働省が発表している。日本の一人親家庭の貧困率は51%もある。働きながら子どもを一人で育てている親は帰りも遅く、ご飯を作る時間もお金もない。親も子どもも社会からどんどん孤立してしまう現状がある。

さらに、貧困家庭で育った子どもは、家のことをしたり、教えてくれる人もいなかったりと、勉強する習慣がつきにくい。そのため、学校の授業についていけなくなり、高校や大学へ金銭面でも行けなくなり、良い仕事に就くことが難しくなる。そうして、非正規雇用などで働くことになり、貧困の連鎖が広がっていくのだ。こうした社会課題に子ども食堂が求められている。

子ども食堂でボランティアするには

子ども食堂への関わり方はいろいろある。

1)食事の準備や片付けのボランティア

ネーミングから食事に関わるイメージを持つ人が多い。実際、多くの子ども食堂で食事の準備や片付けボランティアを募集している。特徴は時間が早いこと。子ども食堂自体は夕方からの開催でも、食事の準備はもっと前から行う。そのため平日日中の募集が多くみられる。学生や社会人でボランティアしたい人は時間があいづらいかもしれない。

2)学習支援などのボランティア

一人親家庭の子どもは家で宿題を見てもらえる時間がないこともある。それによって貧困の連鎖が起こるため、子ども食堂でも学習支援ボランティアを募集していることがある。一般的な学習支援ボランティアよりも、ご飯を食べたあとに少し宿題を見るだけといった役割だが非常に重要だ。

勉強を見るだけでなく一緒にお話したり遊んだりもする。このボランティアであれば夕方以降の募集があるので学生や社会人でも参加しやすい。

3)食材の提供や寄付

ボランティアなど時間をかけることは難しくても、お米や肉・魚・野菜などの食材を提供することで関わることもできる。子ども食堂ネットワークのウェブサイトでは、子ども食堂別にどんな関わりが必要かが分かるようになっている。

もう一つは金銭面での支援だ。子ども食堂は収益化できる活動ではないが食材費や場所代などコストはかかる。そのため主催者の持ち出しで実施しているという話もよく聞く。だがそれでは持続可能ではなくなってしまう。地域によっては渋谷区の子どもテーブルなど自治体が補助金を出すこともある。しかしそれだけでは厳しいので子どもの貧困解決になにかしたいとかんがえている人はまずは寄付を検討してもらいたい。

子ども食堂でボランティアしたい人も増えている

子ども食堂はもともと子どもの貧困対策として取り組む団体が多かったが最近で地域の中でさまざまな人が集う居場所にもなってきた。それにともない認知度もあがってきている。

調査会社が全国の16~79歳の男女1万509人に行った調査では、子ども食堂の「名前も内容も知っている」人は41%、「名前だけは聞いたことある」が31%だった。さらにその内、65%が「運営に興味はある」とボランティアなどの意向を示した。

年代別では、16〜19歳の43%が運営やボランティアに関心あると答えている。10代の女性では、運営に関わっている人、関わりたい人、ボランティアしたい人を含めると44%と関心の高さがみてとれる。10代男性も30.9%。20代は31%。30代も28%と若い世代ほど実際に行動してみたいという関心の高さが伺えた。最も割合が低いのが40代男性で11.9%。

一方、10代女性でも実際に関わっている人では1%となる。人手不足の子ども食堂の運営者は、10代に積極的に働きかけることが重要だ。働く世代の参加意欲が低い一つの理由は、子ども食堂か平日日中に開いているところが多く、働く世代はそもそも関われないことがあるだろう。参加意欲が低いかもしれないが、認知度では10〜20代より30〜50代の方が割合は高い。

子育て世代でもあるため自分ごとにしやすいため、本来子ども食堂への関心が持ちやすいので、この層に訴えることで、人手としてではなく、寄付や会員などの支援者として関わってもらうことができるかもしれない。子ども食堂が持続可能な運営を行っていくためには、それぞれの世代に合わせた働きかけが必要だ。

※「子ども食堂の認知等に関する調査」インテージリサーチが実施

立ち上げる前に知ってほしいこと

NPO法人「こどもの里」理事長の荘保共子さんが、子ども食堂ネットワークが開いた「子ども食堂サミット」で、大阪市西成で35年間子どもに寄り添う活動を続けてきた経験を語った。

こどもの里は、5つの大切にしていることがある。一つは、「必要とする人は誰でも利用できる場であること」、それから「遊びの場、休息の場であること」。どのような背景がある人でも、自分のペースでいられる場であることが大切だ。

それから、「学習の場であること」。自分たちのいる地域のことを知り、社会背景を知ることで、自分や人を尊重できる人になる場としている。こどもの里がある釜ヶ崎は日雇い労働者の人たちがたくさんいるまちだ。子どもたちは、野宿をする彼らのところへ夜回りをしたり、労働者のおじさんたちだがプレーパークを手伝ってくれたりと、共に助け合って生活している。

また、「利用する子どもたちや保護者の抱える様々な問題を受け入れられる場であること」。子どもの里には、耳の不自由な子もよく来るので、常連の子どもたちは簡単な手話を覚えている。けんかも手話でする。
関連記事:手話は言語。カタコトの手話を身につけたら社会は変わる

「より弱い立場の友達と社会の谷間におかれている友だちと共に助け合って生きていける場であること」を大切に夜回りや地域での活動、日々の生活を行っている。

子どもたちと長年寄り添ってきた荘保さんは、これから子ども食堂をつくる人たちに向けて「子どもたちは問題児ではなく、問題を抱えて困っている子」、「親から見捨てられ感がある子もいる。子どもの居場所として一人ひとりととことん向き合うこと」と、メッセージを伝えた。

荘保さんは、「貧困と虐待は同一線上」とも話した。母子世帯の8人に1人に虐待の経験があり、虐待の背景には貧困がある。子ども食堂が全国に増え、貧困家庭の子どもや親の安心できる居場所となれば、貧困、虐待など子どもたちが抱えるさまざまな問題を地域で支えることができるようになる。

子ども食堂では、暖かく、栄養バランスのとれたご飯を食べられるだけでなく、たくさんの子どもたち、地域の人たちと一緒に食事をすることで、心の居場所とすることができる。孤立してしまっている子どもも親も、ふと安らげる場所になっているのだ。

子ども食堂をオープンする団体は、もともとプレーパークや学習支援など子どもの居場所作りを行っているところも多い。全国にはまだまだ子ども食堂を必要としている、子どもと親がいるはずだ。子ども食堂が増え、暖かいご飯と食卓に出会える子どもたちが増えてほしい。

子ども食堂を都内で始めている団体メンバーは「おせっかいな人たちがたくさんいる地域のまなざしの中で育っていく」、「地元の野菜を使う地産地消をしている」など地域の中で活動していくことの重要性を話した。

参考にしたい情報

子ども食堂を立ち上げるためのノウハウは最近本もあるので 子ども食堂を知るおすすめ本を厳選
読んでおきたい。

知識を増やすこととともに実際の子ども食堂から学ぶことも大切。以下は東京近郊の子ども食堂だが、全国にあるので近くのところへ訪問して、大変なことや工夫していることなどを学ぶのがおすすめだ。地域によっては外国ルーツの人が多かったり、一人親が多かったり、特徴があるのでそういった情報収集にも先人に話を聞くのが一番だ。それから子ども食堂以外のNPO団体ともつながりを持っておくことも重要だ。外国人支援や学習支援、子育て支援、障害者支援などの団体と連携しておくことでさまざまな子どもがきたときに適切な応対ができる。

「要町あさやけこども食堂」(豊島区)
「ねりまこども食堂」(練馬区)
「石神井ゆうやけこども食堂」(練馬区)
「ぞんみょうじこども食堂」(世田谷区)
「はちおうじこども食堂」(八王子市)
「みたかやまこども食堂」(三鷹市)