日本の社会問題一覧|定番〜現代の課題30選

日本の社会問題一覧 社会課題

日本の社会問題を当サイトの独自の見解をもとに、定番から最新の課題をピックアップしました。子どもを取り巻く課題や環境問題などの定番の課題から、AIや推し活などに関する最新の社会課題があります。

ただ、社会問題は多岐にわたるため、この記事で紹介していない問題もたくさんありますし、年々新たな社会問題が生まれていますので、この課題が入っていないということがあればぜひ教えてください。

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子どもを取り巻く社会問題

※「いじめ」も子どもを取り巻く社会問題ですが、「教育に関する社会問題」にまとめています。

子どもの貧困

子どもを取り巻く社会問題の中でも、近年よく話題にあがるのが「子どもの貧困」です。
「日本の子どもの7人に1人は貧困」といわれており、経済的支援が必要な者、特に「相対的貧困層」*といわれる子どもたちの環境や生活に関する社会問題は喫緊に改善すべき重要テーマとして存在しています。

DV・虐待

もう一つは、虐待です。「ドメスティック・バイオレンス(domestic violence)=DV」とも呼ばれます。虐待は、身体的虐待、心理的虐待、ネグレクト(育児放棄)、性的虐待の4つに分けられます。虐待は子どもの成長に深刻な影響を及ぼし、その後の人生を左右するほどの深い傷を与えます。

スポーツにおける社会問題

暴力・パワハラ問題

多くの人に夢や希望を与えるスポーツですが、その裏では暴力問題、パワハラ問題がとりざたされています。

日本スポーツ協会によると

スポーツにおける暴力・暴言・ハラスメント等の不適切行為に対応するため、2013年3月から「スポーツにおける暴力行為等相談窓口」(以下「相談窓口」という。)を開設しており、2022(令和4)年度は、過去最多の373件の相談がありました。前年度と比較すると約2倍に増えています。

https://japan-sports.or.jp/cleansport/news/tabid1360.html?itemid=4771

被害者の6割以上が未成年であり、「言葉の暴力」とも呼ばれる暴言や、パワーハラスメントなどが多くあげられています。

勝利至上主義などが課題となっているともいわれています。

ジェンダー格差

サッカーと女子サッカーのように、スポーツ競技では女性の参加機会が男性より少ないという問題がありました。この問題も女子サッカーが普及したりと解消されてきていはいるものの、テレビで報道される機会を比べるとまだまだ差があるといえるでしょう。

学校教育における社会問題

小学校から中学校の義務教育で9年、高校まで含めれば12年。子ども時代に長い時間を過ごす学校教育でもさまざまな社会問題が存在しています。

いじめ、不登校・自殺者数の増加

文部科学省の調査によれば、「小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数」は、2022年度が68万1948件。前年度に比べて66,597件、10.8%増加。少子化と言われていますが、いじめの件数は年々増加する傾向にあるのです。

いじめは多くの子どもの心身に影響を与えており、自殺者数においては10代では年々増加していて、2022年度は小中高生で過去最多の514人と発表されています。

また、不登校児童数も増加していて、小中学校における生徒数は、2022年度で29万9048人。前年度から22.1%増加し、こちらも過去最多となりました。

人権の問題でもあり、子どもの学習機会を奪い、将来の可能性を奪うことでもあり、とても重大な社会問題となっています。

ブラック校則

ブラック校則とは、「ブラック校則をなくそう!」プロジェクトによれば、「一般社会から見れば明らかにおかしい校則や生徒心得、学校独自ルールなどの総称」と定義されています。

理不尽なブラック校則によって子どもたちの自由が制限され、生き生きと過ごせないという問題を引き起こしています。

例えば、髪の色や長さに関する制限、スカート丈や服装に関する制限など、学校外では「なぜ?」と思われるようなことが学校内では”校則”として締め付けられています。

教員不足

子どもたちが学校で生きづらさを抱えるような社会問題がある一方で、教員にとっても魅力的な職場ではなくなってきているようです。

長時間労働がその一つです。残業時間が月45時間を超えるのは、小学校の教員で64.5%、中学校で77.1%と文部科学省の調査により判明しています。

環境問題

地球温暖化・異常気象

地球全体で気温が上昇しており、現在のままの温室効果ガス排出量では、今後100年間で4度前後の上昇が予測されるという予測があり、この課題に世界全体で取り組むために「パリ協定」が2015年に合意されました。

1.5度未満に気温上昇を抑えることが目標とされていますが、実際には改善が進んでいません。

今でも世界中で毎年のように異常気象が発生しています。
日本国内でも、酷暑や豪雨、それによる水害の発生などの被害が各地で起きています。

プラスチック問題、リサイクル・リユース・リデュース

海のプラスチックゴミは世界で年間800万トンという米大学チームの研究は、世界に驚きを与えました。日本国内では、レジ袋やペットボトルなど毎日のようにプラスチックを消費しており、日本人は1人年約300枚ものレジ袋を使用すると言われています。

そして、海のプラスチック量が2050年までに魚の量を重量ベースで上回るという予測もあリます。

この対策に企業は積極的に取り組んでいて、レジ袋有料化もあり、プラスチック問題への対策は進んできています。

そうした対策だけではなく、個人のライフスタイルとして、使ったものをリサイクルしたり、別の形にリユースしたり、そもそもの消費量を減らすリデュースの生活様式にシフトしていくことも大切です。

高齢化社会によって起こる社会問題

日本国内では、65歳以上の高齢者人口は2023年、3623万人です。日本の全ての人口の中における割合は、「29.1%」となり、過去最高の値となりました。
女性の65歳以上の高齢者は2051万人で女性全体の32.1%。男性は1572万人で男性全体の26.0%です。

このデータが示すように、日本の約3人に1人が65歳以上の高齢者であり、高齢化社会と言われています。高齢化社会が進んでいくことによるさまざまな社会問題があります。

高齢者の孤独・孤立

高齢者の社会問題の一つに、孤独や孤立が挙げられます。
一人暮らしの高齢者の割合は、女性が22.1%、男性が15.0%となっており、仕事を引退したり、パートナーが亡くなったりと、家族や友人、社会とのつながりが薄れていくことで「孤独・孤立」化する高齢者が増えてきています。

孤独・孤立化することで、家から出なくなり健康面での影響があったり、認知機能も低下しやすくなったり、孤独死の問題も言われています。また、一人暮らしの高齢者を狙った詐欺などの被害も増加しており、問題となっています。

移動手段の制限

高齢者が免許を返納したり、公共交通が減少することなどによって移動手段が制限されるという課題が、日本全国で起きています。移動手段を失うことで、上述の孤立につながるような「社会参加の機会の喪失」や買い物や医療機関へのアクセスなど日々の生活が困難になるという問題があります。

結果として、生活意欲が減退してしまうという悪影響に繋がってしまいます。

特に地方においては、利用者が少ない地域だったり、ドライバー不足などの要因によって、公共バスが撤退するなど、移動手段の課題はますます深刻化しているのです。

介護離職、ヤングケアラー

高齢化社会は、高齢者等人だけでなく、それを支える人たちにとっての課題もあります。近年「介護離職」が問題となってきています。

2022年の仕事を退職した人のうち、「介護・看護」を理由として退職した人は「7.3万人」もいました。女性は約4.7万人、男性は約2.6万人です。年代としては55歳~59歳が多くなっています。

また、「ヤングケアラー」も増えてきていると言われています。
ヤングケアラーとは、「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものこと」です。親が仕事で忙しいため、祖父母の介護を行う10代のヤングケアラーもいます。

10代の子どもにとっては、介護などの責任が重く相談できる人がいなかったりすることで精神面に影響があったり、学業への影響だったりといった課題が指摘されています。

LGBTを取り巻く社会問題

日本でのLGBTの割合は調査方法などによってばらつきがありますが、約3%〜10%と言われています。

理解不足

LGBTを取り巻く社会問題として、一つは理解不足によるさまざまな課題が挙げられます。

電通が行った調査によれば、LGBTの非当事者のインクルージョン意識は約8割と高い。一方で「『彼氏、彼女』ではなくて、『パートナー』や『恋人』など性別を特定しない言葉を使うようにしている」と回答した人は、17.1%であり、意識はあっても言葉や行動にはまだまだ繋がっていないようです。

そのため、学校や職場などでの差別や無意識による偏見などに課題があります。

制度の問題

制度面では、自治体が「同性パートナーシップ制度」を作ったり、企業でも人事制度に取り入れるところも増えていきています。とはいえ、制度化している企業は大企業中心であり、まだまだ少ないのが現状です。

ただ日本では法的な婚姻関係ではないため、配偶者として認められず遺族年金が受け取れないなどの制度としての課題は今後改善されていくことが望まれています。

テクノロジーの進化による社会問題

日々テクノロジーが進化しています。便利になる一方で、さまざまな社会問題も引き起こしています。

フェイクニュース

情報の入手先が多様化し、情報消費のスピードが早く、SNSが広がり拡散もされていくことで、問題となっているのが「フェイクニュース」です。

特に災害時のフェイクニュースの問題は多くの人へ深刻な影響を与えています。
災害時には、根拠のない情報・不確かな情報でも、情報を入手する手段が限られており、冷静な情報の判断が難しく、広がりやすくなってしまいます。それによって不安を煽ったり、混乱に陥れることがあり、場合によっては命の危険にさらされることがあるかもしれません。

またフェイクニュースによって、正しい情報が埋もれてしまい、本当に必要な情報を知ることができなくなってしまう危険性もあります。

実際に熊本地震の時には「ライオンが逃げた」というデマが拡散されて多くの混乱を招きました。

生成AI

生成AIは、画像やテキストの作成など、新たな技術に世の中の関心が高まっています。しかし、生成AIによる社会問題も巻き起こっています。

その一つが、上記のフェイクニュースにもつながるウソの情報の発信です。政治家やタレントの偽画像や動画がSNSにアップされ拡散されたりと実際に混乱が起き始めています。人権問題にも発展する可能性もあり、大きな社会問題への発展が危惧されているのです。

また、著作権の侵害は当初から言われていました。生成AIの仕組みとして、既存の情報を学習して新たなコンテンツを生成するため、似たイラストやデザインが作られてしまうことが懸念されています。

もう一つが、既存の情報から機会的に生成するため、現代社会の差別や偏見を含んだものを生成してしまう可能性があるため、生成されたコンテンツは倫理的な観点から最終チェックをすることが必須と言えるでしょう。

マッチングアプリ

マッチングアプリ、ネット系婚活サービスを利用する人は増加しており、リクルートブライダル総研によると2022年に行った調査では対象者のうち20.2%が利用したというデータもあります。

一方で、詐欺や投資の勧誘などの被害にある人が増えていると言われています。

ジェンダー

ジェンダーギャップ指数

日本におけるジェンダーに関わる問題は、挙げるとキリがないほどたくさんあります。
世界経済フォーラムが発表している「グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書」によれば、日本は146カ国中125位と男女間での平等に大きな課題があることがわかっています。

「グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書」では、「政治」「経済」「教育」「健康」の4つのジャンルでチェックされます。日本は、教育と健康に関しては上位にいますが、政治と経済の面で大きなジェンダーギャップが発生しています。

項目としては、以下になります。
・国会議員の男女比
・閣僚の男女比
・最近50年における行政府の長の在任年数
・労働参加率
・同一労働における賃金の格差
・推定勤労所得
・管理職的職業従事者の男女比

つまり、政治家が男性ばかりという問題、会社の管理職が男性ばかりという問題、女性の方が給料が安いという問題。この辺りは日本の誰しもが感じているところですが、海外の国々と比べると当たり前ではなく、男女格差が大きい国となっているのです。

またジェンダーに関して最近問題や話題になっていることをピックアップします。

ルッキズム(外見至上主義)

男性の政治家が女性の政治家の容姿に対して「そんなに美しい方とは言わない」と発言したことで問題になりました。政治家の女性へのルッキズム発言は過去にも多々ある通り、日本の政治を担う中枢の人たちが公的な場でこうした発言をしてしまうことが日本のジェンダーギャップの改善につながらない大きな要因であるとも言えるでしょう。

ジェンダーハラスメント

女性に対してだけでなく、最近ではジェンダーハラスメントとも言われていて、固定的な性別に対する偏見の押し付けが問題となっています。「女性だから」「男性だから」といった理由で役割が変わってしまうことは職場や学校でも多くあるでしょう。

ジェンダーレス

一方でジェンダーレスという言葉が広がってきています。
ジェンダーレスとは、「ジェンダーギャップのない、またはジェンダーギャップをなくそうとする考え方」を指すそうです。

女性らしさ、男性らしさといった性差によって分けずに、男性用女性用問わずにファッションを楽しんだりする文化も若い世代を中心として取り入れられてきています。

食の社会問題

食にまつわる社会問題は世界的に見ると、飢餓や飢饉、母子栄養の問題などがありますが、日本国内の食の社会問題としては、最近ではフードロス、また食料自給率の問題が挙げられます。

フードロス(食品ロス)

農林水産省は2021年の食品ロスの量は523万トンと発表しました。事業系食品ロス量は279万トン、家庭系食品ロス量は244万トンです。フードロスの問題が社会的に関心が高まっているとはいえ、数値の改善には紐づいていない現状もあります。

食料自給率の低下

日本の食料自給率は一時期より下がっており、課題となっています。日本の食料自給率は1965年には70%以上ありましたが、現在では「38%」まで減少しています。アメリカでは132%もあるので、日本の低さが際立つでしょう。

食料を輸入に頼ってしまうことで、輸出国との政治的な関係であったり、国際価格の高騰などに影響を受けてしまったりと、安定的に食品を入手する上でのリスクもあります。

最近のトピックス

推し活

推し活においては未成年者の金銭トラブルが問題として挙げられます。推しのグッズ購入やイベントに参加だけでなく、「投げ戦」といった推しの方法があることで限度なくお金を使ってしまうという問題です。

タッチひとつで課金できてしまうことでお金の消費感覚なく使えてしまうため、未成年者がいつの間にか数百万円を使っていたということもあります。「投げ銭」に関して年間100件以上の相談が、消費生活センターに問い合わせがあることもわかっています。

ホストクラブの問題

推しという意味では同じかもしれませんが、より深刻なのがホストクラブです。ホストクラブで月に100万円以上使い、そのために借金をしたり、風俗をしてお金を稼ぐ。そうしたループから抜けられなくなってしまうことが社会問題として取り沙汰されており、悪質なホストクラブへ業務停止命令が下されるということに発展しています。

闇バイト

闇バイトも現代の重大な社会問題となってきています。
SNSなどで高額な報酬として内容を明かさずに募集をして、実際には詐欺や強盗などの犯罪行為を行わせるという問題です。一度でも関わってしまうと、脅迫されて、抜けられなくなり、捨て駒として使われ続けるというリスクもあります。
闇バイトの募集は増加しており、警視庁は1万件をこえる闇バイトを募集するアカウントに警告を送信しています。

まとめ

日本の社会問題はここに挙げたものは、ごく一部です。
障害者を取り巻く課題や、災害時の避難所の問題、日本のエネルギー問題など挙げればキリがありません。

日本にはどんな社会問題があるんだろうと思い、この記事を読んでくれたかたが、その課題に関心を持ち、より深く調べたり、ボランティアなどの活動を行ったり、何かしらのアクションにつながってもらえればと思います。