傾聴ボランティアとは「相手の話を聴く」というボランティア活動です。話を丁寧に熱心に「聴く」ということで、相手の心が軽くなったり、気持ちの整理ができたりなど、ただ話して楽しかったというだけではない効果があります。
傾聴ボランティアは具体的にどのような活動をするのか、必要なスキルがあるのか、傾聴ボランティアの探し方・始め方、募集団体について解説していきます。
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傾聴とは
「傾聴」という言葉は普段の生活ではあまり使わない言葉かもしれません。私もボランティア活動以外でつかうことはあまり多くありません。
傾聴とは言葉の通り「耳を傾けて、熱心に聴くこと」です。「聞く」ではなく「聴く」という漢字を使うことにも意味があります。相手と会話をしながら話を「聞く」のではなく、傾聴相手の話を積極的に「聴く」のです。
傾聴を英語に訳すとそのまま「Listening」と出てくることもありますが、意味合いとしては「Active Listening」です。積極的に相手の話を聴くことですね。それでは傾聴ボランティアでは、誰にどのように傾聴をしているのか活動内容や注意点を次に説明します。
傾聴ボランティアとは
傾聴する相手は
傾聴ボランティアの募集を調べると多くは高齢者の方々を訪問するものが多いです。仕事を引退していて一人暮らしの高齢者でふだん周りにじっくり話を聴いてくれる人がいないという社会背景もあります。実際に、一人暮らしの高齢者は「65歳以上で男性は5人に1人、女性は4人に1人」と平成30年版高齢社会白書となっています。
一方で、孤独を感じ、だれかに話を聴いてほしいと願う人は高齢者以外にもたくさんいます。傾聴ボランティアの相手は広くいうと「人と話す機会が少ない方」です。具体的に高齢者以外では、子育て中の方、障害を持つ方などを訪問する傾聴ボランティアもあります。
活動内容は
期間では、単発のものから月一回、週一回など様々です。施設にいくこともあれば、自宅を訪問することもあります。ここはあとで詳しく解説します。
訪問先で話す内容は決まっていません。家族の話をする人、仕事の話をする人、趣味の話、愚痴やさびしさなどを話す人もいるでしょう。相手は「話を聴いてほしい」と思っていますので、熱心に耳を傾けてください。
傾聴ボランティアで大切なことは「相手の話を否定しないこと。肯定・共感しながら聴くこと」です。そのために必要なスキルもあるので、活動をはじめる前に「傾聴ボランティア講座」に参加するといいでしょう。参加必須という場合もあります。
傾聴ボランティアの効果
相手の話をじっくり聴くということがどれだけ意味があるの?と思う人もいるかもしれません。しかし、実際になんとなく話を聞くのではなく「傾聴」することで、以下のような効果があるとされています。
・話を聴いてもらうことでスッキリする
・話すことによって心が軽くなる
・自己肯定感や自己有用感を得られる
・考えや気持ちに整理がつく
・自律的な判断や納得に至る
・自分の存在を認められたと思える
こうした効果は、普段私たちがだれかに話を聞いてもらった時に感じることと同じです。自分の話をだれかが熱心に聴いてくれると自分が肯定されたような気持ちになることはよくあります。つまり、傾聴ボランティアはとても難しいことではなく、だれでも日常的に行っていることでもあるのです。
それでは実際にはじめるにはどうしたいいのかを説明します。
傾聴ボランティアの始め方・探し方
養成講座に参加する
傾聴ボランティアに特別な資格は必要ありません。ただし、ここまで書いた通り、傾聴ボランティア養成講座が各地で行われています。始める際には講座に参加して、スキルを身につけてからはじめてみるのもおすすめです。
全国の社会福祉協議会(社協)が「傾聴ボランティア養成講座」や「傾聴ボランティア講習会」などを開いています。お近くの社協で探してみると講座が見つかるかもしれません。
例えば、以下のリンクは神戸市の社会福祉協議会の講座のレポートです。雰囲気が伝わると思うのでご覧ください。https://chuou-shakyo.or.jp/info/?p=4541.html
社協だけではなく、NPOが開いている講座もたくさんあります。
傾聴ボランティアを探すには
それではどうやってボランティアを探せばいいのか。一番のおすすめは上でも書いた社会福祉協議会の募集情報から見つけることです。社会福祉協議会ではボランティアセンターを運営しているので、そこで様々な情報を公開しています。例えば、上の画像にある千葉市ボランティアセンターでは傾聴ボランティアグループ一覧をチェックできます。活動内容や・活動日・時間などがわかるので、自分にあった団体を探して問い合わせてみるといいでしょう。
千葉市のように傾聴ボランティアで情報をまとめているところもあれば、以下の横浜市ボランティアセンターのようにボランティア情報をたくさんアップしていてその中から傾聴ボランティア情報を見つけられるということもあるでしょう。以下リンクが全国の社会福祉協議会をまとめているページです。https://www.shakyo.or.jp/network/kenshakyo/index.html
もう一つの傾聴ボランティアを探す方法は、施設のウェブサイトから直接応募することもできます。自分の地域にも高齢者施設が沢山あると思うので、そこのウェブサイトをチェックしてボランティア募集ページを見てみてください。
ただ、施設によってはウェブサイトが充実していなかったりと、サイト上には情報掲載せずに社協経由でのみ募集している施設もあるので、両方チェックする方がおすすめです!
子育て支援の傾聴ボランティア
ここまで高齢者に対してを中心に書いてきましたが、子育て支援に関わる傾聴ボランティアもあります。全国で「ホームスタート」という活動が行われています。子ども(未就学児)がいる家庭を訪問して傾聴したり育児家事を一緒にしたりという「家庭訪問型子育て支援ボランティア」です。ボランティアは子育て経験者が研修を受けたうえで訪問します。
ホームスタート活動は全国に広がっています。以下のページから探せるのでご覧ください。https://www.homestartjapan.org/local/
高齢者、子育て支援以外の分野以外でも、子どもの学習支援ボランティアや、児童養護施設ボランティアでも「傾聴」することはとても重要です。子どもたちは親や学校以外の人に話を聴いてほしいと思っていることは多いです。傾聴ボランティアという呼び方で募集をしていなくても、だれかの話を聴くという類のボランティア活動は他にもあるため、ボランティアセンターでボランティアコーディネーターに相談してみてはいかがでしょうか。
傾聴ボランティア募集情報を募集しています。
NPO団体やボランティアグループ、学生団体など、傾聴ボランティアを募集していましたら、以下リンク先から募集情報を記入ください。当サイトへ掲載いたします。
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