東京オリンピックボランティアの「レガシー」――参加者の意識や行動への変化

東京オリンピックボランティアの「レガシー」は?ボランティア

東京オリンピック・パラリンピックのボランティアに参加した人数は、フィールドキャストが7万6186人、シティキャストとして活動した人は1万1913人でした。フィールドキャストでは、オリンピックが5万1672人、パラリンピックが2万4514人という内訳になります。

これだけ多くの人数が参加した東京オリンピックのボランティア。レガシーとして何が残ったのでしょうか。東京都は「ボランティアマインドの広がり」や「障害者の理解」をレガシーとして掲げています。

オリンピックから一年。実際にレガシーとして何が残ったのか。公益財団法人日本財団ボランティアセンターが、アンケート調査(ボランティア活動に関する意識調査/東京 2020 大会一年後調査)を実施しました。その中でレガシーとして明らかになったのは「ボランティアへの参加意識向上」、そして「ダイバーシティへの意識の変化」です。

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東京オリンピック・パラリンピックボランティアとは

それではまず、東京オリンピック・パラリンピックボランティアについて整理してみます。

オリンピックボランティアの種類

オリンピックボランティアの正式名称は、大会スタッフを「FieldCast(フィールドキャスト)」、都市ボランティアを「CityCast(シティキャスト)」と呼びます。

それぞれ役割が異なり、「フィールドキャスト」の活動内容は「競技運営、会場案内、警備などの大会運営の補助」。活動場所は「競技会場、選手村などの大会関係会場及びその周辺競技会場や選手村などの大会関係施設」です。

一方、「シティ キャスト」の活動場所は大会関係施設ではなく「会場周辺駅、ターミナル駅、空港など」で、国内外からの旅行者への交通案内、観光案内のボランティアです。

両者のボランティアは運営母体も異なります。フィールドキャストは公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会となり、シティキャストは東京都など各競技開催地の自治体です。

ちなみに、2012年のロンドンオリンピックでは、都市ボランティアを「チームロンドン・アンバサダー」(Team London Ambassador)と呼び、ロンドン市内の観光案内や交通案内、大会情報の案内などを行いました。

オリンピックボランティアはこの2種類以外にも様々な活動があります。例えば、観光ボランティアガイド、環境ボランティア、語学ボランティアなどです。これらは、東京2020組織委員会がオフィシャルに認証した「東京2020参画プログラム」という制度もありました。

東京2020参画プログラムとは

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた盛り上げを図るため、様々な団体が実施するオリンピック・パラリンピックに向けたイベント等を、東京2020組織委員会が認証する仕組みです。
当ページでは、東京都が実施するイベント等の取組を紹介しています。
参画プログラムの詳細や、東京都以外の団体が実施する取組については、東京2020参画プログラム特設サイトをご覧ください。

https://www.2020games.metro.tokyo.lg.jp/taikaijyunbi/schedule/index.html

10代・20代は9割近くが「多様性について意識するようになった」というレガシー

それではここからアンケート調査結果をもとに、どういったことがレガシーとして残ったのかをみていきます。

まず、アンケート内容の一つに「大会後の自身の考え方や行動の変化」をきく問いがありました。

その回答には、「多様性について意識するようになった」が非常にあてはまる・ややあてはまるを含めると「約80%で最多」に。多様性にかかわる項目では、「パラスポーツを身近に感じるようになった」が3位で約70%。「街中で困っていそうな人に声をかけるようになった」が56%。

回答を年代別にみると「多様性について意識するようなった」と回答したのは10・20代で、90%近くとなり、割合が高くなりました。

この結果から、オリンピックボランティアのレガシーの一つは、若い世代の多様性意識を向上させたことが挙げられます。パラリンピックの盛り上がりもあったことから、多様性の中でも障害への理解が広がり深まったといえるでしょう。

また、活動後に得られたことについての質問の中に「障害のある人へのサポート方法やコミュニケーションスキルが身についた」という項目を選択した人はオリンピックだけに参加した人は2.7。パラリンピックは3.56と大きく差がありました。パラリンピックボランティアに参加することで、新たな視点やスキルが残ったということもレガシーと言えます。

半数がボランティア活動を継続

大会後のボランティア参加について聞く問いでは、51.7%が「現在も活動している」と答えました。大会ボランティアの経験者は52.1%に対して、都市ボランティア経験者は65.9%であり、都市ボランティアのほうが、レガシーとして残ったといえます。

理由としては、試合会場などでオリンピックのボランティアをするよりも、各地域でのボランティアだったことで、同じような活動を継続して行ったり、同じ地域のオリンピックボランティア仲間で継続して活動するということが考えられます。

このアンケート(ボランティア活動に関する意識調査/東京 2020 大会一年後調査)は、ウェブアンケートとして6月10日から6月26日まで実施。調査対象は、日本財団ボラセンが運営するサイト「ぼ活!」会員やメルマガ会員など8,348人。