「データで見るNPO」特定非営利活動法人(NPO法人)数の移り変わり「2017年ピークに減少、解散は2万超え」

特定非営利活動法人(NPO法人)数の移り変わりNPO

特定非営利活動法人(NPO法人)の数はコンビニと同じくらいの数。NPO法人の傾向を「データで見るNPO」のグラフから、法人数の推移、NPO法人はなぜ減少しているのか、解散数が増えている理由はなにかなど解説します。

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特定非営利活動法人(NPO法人)の推移

まずは、このグラフをご覧ください。

NPO法人 成長期

特定非営利活動法人(NPO法人)が制定されたのは1998年。多くのボランティアが活躍し「ボランティア元年」とも呼ばれる95年の阪神・淡路大震災が契機となりました。その後、10年で3万7000団体に急速に増えていきます。それまでボランティアグループとして活動していた団体やNGOとして活動していたけれど法人格がなかった団体が法人格を得ることで活動の幅を広げるに至ります。

社会に認知も広がることで、企業からの寄付も増えていきます。助成金などの資格要件に「特定非営利活動法人」が指定されるようにもなり行政・企業にかわる重要なセクターとして存在価値を高めてきました。

記事:NGOの歴史についてはこちらの記事もご覧ください。

NPO法人 定着期

成長期を経て、安定期に入る時期の大きい出来事が東日本大震災です。2010年にはコンビニエンスストアの数に迫る4万団体を超えています。そして、東日本大震災の支援で新たに立ち上がった団体も多く、2011年の翌年にはコンビニの数と最も接近するほど増えました。

そして2014年、ついに5万団体を超えます。

NPO法人 安定期

しかし、2014年以降、NPO法人数は伸び悩んでいます。ついに増え続けていた法人数も2017年をピークに減少傾向となってしまいます。法人として社会になくてはならないというポジションを確立し安定したといえるでしょう。一方でさまざまな課題もあります。

NPO法人の解散数「2020年に2万を超える」

以下のデータをご覧ください。
「NPO法人の認証と解散数」がグラフ化されたものです。2017年に認証が頭打ちとなる一方で、年々解散数が増えていることがわかります。

少しずつ増えていった解散数、2015年3月には1万を超えました。そして、2020年11月には解散数が「20,016」と2万を超え、現在も増え続けています。実際に解散となっていなくても実態として活動ができていなくなっている団体もあると聞きます。今後も解散数は増えていくことが予測されます。

NPO法人の課題

課題の一つは「高齢化」

NPOを支援するNPO支援センターに話を聞くと、全国どこでも一番の課題は「高齢化」だと話します。NPOの場合、創設者の強い思いで立ち上げた団体が多いです。思いの強さやカリスマ性のあるリーダーがいることで、世代交代が図りづらくなるのです。

結果的に、「代表者の引退=解散」となってしまうケースが全国で増えてきているのです。
寄付の集め方の変化などについていくことができていない団体も見られます。若い人がいる団体は、クラウドファンディングやオンラインコミュニティを作り、資金集めを上手に行います。

しかし、昔ながらの手法で寄付を行う団体は、「寄付者も高齢化」したり、新しい手法を取り入れられなかったりと、資金がなくなってしまい、活動を続けられないという変化も起きています。

「設立に時間がかかる」ことや「報告義務の手間」という課題も

解散する団体が増えている一方で、新設の法人も増えなくなっています。
その理由は、NPO法人の取得に時間がかかることがあげられます。

NPO法人を設立するには申請書類を整えて所轄庁に申請をします。それからすぐに認証されるのではなく、まず、「縦覧」という期間があり、その間に申請に対して市民が点検するという時期が1カ月あります。その後、所轄庁による審査となりますが、ここでも2カ月かかってしまうこともあるのです。

さらに、毎年「事業報告書などの報告義務」があり、報告書は公開されます。

反対に一般社団法人は、手続きも容易で迅速に取得できるため、社会課題に取り組む活動をしてをしていてもNPO法人ではなく一般社団法人を取るケースが増えているのです。

NPO法人数が減少しているとはいえ、活動が減っているということではなく、社会課題に取り組む裾野が広がっているとも言えるでしょう。

都道府県別のNPO法人数

NPO法人を都道府県別にマッピングしたのが、以下のグラフです。
一目瞭然、関東、そして東京がダントツに多いです。

NPOの認証は、事務所のある都道府県や政令指定都市が所轄庁となり行われます。所轄庁がどこになるかは、事務所がどこにあるか、一つか複数かでも変わってきます。政令指定都市の横浜市の場合は、神奈川県ではなく横浜市が所轄庁となりますが、横浜市と川崎市に二つ事務所がある場合は、横浜市ではなく所轄庁は神奈川県となるため注意が必要です。

上記のグラフを見ると、東京都がダントツで18%。次いで神奈川県・大阪府と続きます。しかし、国際協力系や全国で活動する環境系の団体の場合は、利便性の高い大都市、特に東京に集中するのです。ただ、地産地消や都会より地域で生きる豊かさを推奨しながらも事務所を都会に置く矛盾を感じている団体も多く、利便性とのジレンマに悩まされています。

まとめ

特定非営利活動法人(NPO法人)の数に着目したデータを見ました。
昨今減少傾向にあるとはいえ、NPO法人の役割はなくなっているわけではありません。むしろ、社会が複雑化し、地域ごとに課題が個別化している現代には、広く平等にサービスを提供する行政ではまかないきれない課題がたくさんあります。

「誰一人取り残さない」ためには、NPOの役割が大きいのです。
ここでは「NPO法人」に絞って団体の数を表しましたが、実際は一般社団法人や株式会社として、社会課題解決に取り組む人たちもたくさんいます。

その意味でNPOの活動は広がっているといえるでしょう。