NPO法人の給料はどれくらいもらえる?どこから出る?元スタッフが解説

NPO法人の給料はどれくらいもらえるNPO

NPO法人の給料は、株式会社の会社員と同様に毎月基本給プラス残業代などが支給され、賞与がもらえる団体もあります。「お金よりもやりがい重視」というNPOのイメージから、ちゃんと給料が支払われないと思っている人もいるでしょう。しかし、正職員であれば社会保険も加入があり、昇給もあるため、生活できないということはなく、NPO法人を就職先の選択肢に入れる若い人は増えてきています。

実体験として筆者が23歳のときに入職したNPO法人の給料は20万円前半でした。毎年1万円程度の昇給もありました。

それでは、他のNPO法人の給料はどれくらいもらえるのか。NPO法人で働き続けることの課題、またNPO法人の収入源はどこから出ているのかなど、解説していきます。

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NPO法人の給料とは

特定非営利活動法人(NPO法人)は世の中に約5万団体あります。

団体数の推移はこちらよ記事をご覧ください。

社会に役立つ仕事がしたいけれど、実際にNPO法人に就職したときに食べていけるのかが不安という方も多いでしょう。私も最初はそうでした。

ここからは実際にNPO法人の給料はいくらもらえるのか、実体験も含めて紹介します。

まず、私の給料例を公開します。
23歳のときに入職した当時、「年収250万円」ほどでした。賞与はありませんでしたが、毎年1万円程度の昇給がありました。もちろん社会保険には加入、交通費も支給されます。

厚生労働省の令和2年の「賃金構造基本統計調査」によれば、大卒者の初年度平均年収は226万1000円。男性が227万2000円、女性が224万6000円と公開されています。
地域や業種による差はあれど、この数字と比較するならば23歳で「年収250万円」というのも特別低いということはないでしょう。

ただし、NPO法人は寄付者やボランティアなど支援者を集めるためのイベントごとが多いため、夜の残業や土日の仕事は多いです。私も、20代でやりがいを感じながら働いていたため苦にはなりませんでしたが、子どもがいたりするとワークライフバランスを取るのが難しいこともあるでしょう。もちろんこのご時世ワークライフバランスをとった働き方ができないわけではありませんが、イベントなどでの寄付者やボランティアとの関わりはNPO法人で働く醍醐味でもあります。

その他のNPO法人の給料例

ここからはNPO法人が公開している募集要項から、給料の具体例を見ていきます。

中間支援

まずは、中間支援のNPO法人です。中間支援とは、NPO支援やボランティア支援をする団体のことです。

募集要項には、「25万~30万円」とありました。交通費支給。社会保険も加入です。最低でも年収300万円となるため、当時私が働いていたところよりも高いですね。

人権系・教育支援

人権系のNPO法人も同じ「25万~30万円」という募集がありました。

教育支援のNPO法人では、「23万円~35万円」。幅がありますが、想定年収は「350万~650万円」とも書かれています。昇給も半年に1回。賞与も年1回(給与の2ヶ月分を支給ということで、他のNPO法人と比べると条件がいいですね。

フードバンク事業・保育園事業

業種によってはもっと給料が低いNPO法人もあるようです。フードバンク事業を行うNPO法人の給料は最低が低く「20万円~」。保育園事業を行うNPO法人は「18万円」でしたが賞与あり・住宅補助ありという条件もあるため家賃が抑えられるなら一概に低いとは言えないかもしれません。

別の中間支援団体では、「20~25万円」ですが、賞与が年に3回あります。

NPO法人への就職・転職アドバイス

ここまでで見てきていかがでしょうか。NPO法人でも意外にもらえる!と思った人も多いのではないでしょうか。

ただし基本給を中心に比較したため、それ以外の条件が気になる方もいましたら当サイトでも個別にNPO法人への就職・転職アドバイスを行なっていますのでご相談ください。

注意しておきたいこととして、ここで給料を紹介したNPO法人はかなり組織として安定している一部の団体です。多くの団体が、有給スタッフは一人だったり、他の仕事をやりながら無給で活動しているところが多いのが実情です。

とはいっても、NPO法人が1998年に生まれてから、「NPO法人で働く・NPO法人に就職する」ということが選択肢として当たり前になってきています。20代であれば多少給料が低くても、自分がなんのために働くのかを重視してやりかいのある仕事を選んでみるのもいいのではないでしょうか。

NPO法人で働き続ける課題「男の寿退社」

しかし、「男の寿退社」という言葉もNPO法人界隈ではよく言われます。

男性が結婚や出産のタイミングでNPO法人を辞めて、給料の高いところやワークライフバランスの整ったところへ転職するということがよくあるのです。20代で経験を積み中堅となっていくタイミングで辞めてしまうのは団体にとっても痛手であり、長く働けるように法人としての基盤を整備することは、NPO法人としてのミッション達成のためにも、とても重要な課題となっています。

ここで私の実体験となりますが、私も30前半までNPO法人で働いていて、結婚・出産で企業へ転職しました。その頃は年収400万円ほどをもらっていましたが、ライフステージの変化、将来の子どもの学業のことを考えたときに、いったん業界を離れる決意をしました。

私の場合、理由はこの先の大幅な昇給が見込めなかったことです。NPO法人はどこも少人数です。ほとんどが一桁の人数であり、2014年の内閣府による調査では正規職員は3.35人とあります。10人以上スタッフがいる団体は本当にごくわずかでしょう。

そして人数が少ないということは自ずと役職も少なくなります。人数がそれなりにいる組織であれば年齢があがってくると役職がつき部下ができ、役職給により年収があがってくるものです。しかし、少ない人数では、事務局長くらいしか役職がありません。ところが事務局長は長く勤める人が多いのでポストもあまり空きません。そうすると、毎年の昇給があるとしても、年収の天井が見えてしまうのです。

一方、事務局長を募集しているNPO法人もあります。経験ありの方であれば、転職して事務局長に就くということも選択肢として考えてもいいでしょう。

事務局長の募集もある

例えば、国際協力系のNPO法人では、月給50万円以上という事務局長の募集があります。ほかにも、子ども支援系のNPO法人の事務局長は「月給480,000円」です。ただし、こうしたポジションは数少なく、求められる経験もかなり高いものがあり、狭き門となります。

NPO法人で働くとは20代では他のところで働く人と大きく変わらない給料をもらうこともできる。しかし、先のことを考えると企業で働く人の方が上がり幅は大きいです。結局はなにを優先するかということにもなるので、ここで紹介した給料例もごく一部ですし、ご自身の判断基準をしっかり作ることが重要です。最近は副業という選択肢もあるのでこれからNPO法人界でも色々な働き方ができるようになっていくでしょう。

NPO法人の収入源

NPO収入源

それでは、NPO職員への給料はどこから出てくるのか。
収入源を紹介します。大きく分けて以下のように分かれます。

会費
寄付金
助成金・補助金
事業収入
委託・指定管理
その他

上記を少し細分化した認証法人での収入源の割合が以下となります。


会員(正会員、賛助会員など)からの会費収入 26.7%
個人や民間(企業)からの寄付金 6.9%
個人や民間(企業)からの助成金・補助金 3.4%
行政からの助成金・補助金 16.8%
利用者からの料金収入(物販など含む) 17.2%
行政からの委託、または指定管理者としての業務 16.6%
企業からの委託 2.3%
その他 10.1%

会費が最も多く、助成金や補助金、委託や指定管理が続くということがわかります。
どの収入源が良い悪いということはここでは触れませんが、「スタッフの給料」という視点では、会費や寄付金の方がスタッフの給料をあげるということがしやすい収入源です。助成金や補助金の場合、人件費には使用しないなどの制約が付いていることもあるのです。

助成金や補助金は単年の予算であることが多いので、助成金がもらえるから永続的な費用となるスタッフの給料アップに充てようということは難しいということもあります。

その点、会費や寄付は毎年継続して見込めることが多いので、この収入源が多い団体はスタッフの給料も高いのかもしれないですね。