アル・ゴア「クライメート·リアリティ」日本人リーダー760人育成

ゴアのクライメイトリアリティプロジェクトNGO

アル・ゴア元米副大統領は世界中で起こる「気候危機」の担い手を育てる 「クライメート·リアリティ·リーダーシップ·コミュニティ·トレーニング」を日本で初めて開催した。

10月2、3日に東京で開き、企業やNGO、学生など760人が参加した。トレーニングは2006年から米国、ドイツ、インド、ブラジルなどで行ってきた。今回で43回目。世界で2万人を超えるリーダーが生まれているという。

ゴアが気候変動課題を3時間も熱弁

初日のトレーニングでは、ゴア氏や気候変動の専門家たちから、気候危機の解決に向けた行動や方策について学んだ。

「気候変動は人類がこれまでに直面した中で最も早急に解決が必要な課題だ」。ゴア氏は世界で起こる気候危機とその解決策を3時間ノンストップで話した。途中水を一度も口にすることなく話し続ける姿からも鬼気迫る課題ということが伝わってきた。

国内では昨年7月に観測史上最高となる41.1度を記録。台風や豪雨などによる被害も相次いでいる。世界中で気候変動が起き、熱波や洪水、台風、干ばつ、火事などの災害が頻発している。

世界に目を向けると、ドイツやフランスなどヨーロッパ各地で今年立て続けに、観測史上最高気温を記録。イラン全土で起きた洪水では70人以上の死者が出た。ハリケーンが直撃したバハマは7万人が家を失った。シベリアの森林火災では東京ドーム60個以上の広さが消失したという。

過去類をみない災害によって、住み慣れた土地を離れる人も増えている。2050年までに1億4300万人の生活が脅かされ、移動を余儀なくされるという報告書もある。

世界では再生可能エネルギーが急速に広がっている

世界中で観測史上もっとも高い気温を記録している。日本は2018年7月に41.1度を記録。気温上昇に比例し熱中症関連の救急搬送も増加する。今後も気温上昇とともに急増する恐れがある。ドイツやフランス、イギリス、アラスカなど2018年に世界224カ所で史上最高気温を記録している。インドやイラクでは50度を超える気温となり、パキスタンでは、熱波で1200人以上が死亡する事態だ。

海の温度も上がっている。海水温があがることによる危機は、台風(ハリケーン)の猛威がある。米国テキサスではハリケーンによる総雨量で一回の嵐による米国最大雨量を記録。日本でも昨年9月の台風は過去25年間で最も強力だった。以前は500年に一回だったが、ここ数年では25年に一回となり、2030年以降には5年に一回で起こるという。

レインボムと呼ばれるような異常降雨も増大している。世界的に洪水と豪雨の頻度は1980年に比べて4倍になった。昨年7月の西日本豪雨では281人が死亡。今年6月には熊本県でも記録的な豪雨があった。

異常気象による災害では干ばつも深刻化している。インドやオーストラリアでは記憶にある限り最悪の干ばつが起きている。火事も多発し、ロシアでは今年5万5000人が死亡した。

干ばつや家事により食糧価格も高騰し食べるものがなくなる。気温上昇で生活できない土地も出てきていて、住み慣れた土地を後にする人々もいる。気候移民と呼ばれ、10億人の気候移民が生まれるという。

こうした気候危機の影響を受けやすいのは貧困層やホームレスなど社会的に弱い立場にいる人たちでもある。高齢者や乳幼児、子ども、持病のある人たちなども暑さに弱く影響を受けやすい。

ゴア「気候変動の真実を伝えてほしい」

ゴア氏は最後に再生可能エネルギーが世界で飛躍的に増えている事実を伝え、向かうべき方向性を示した。「のんびりしてはいられない。私たちは変わらなければならない」

ゴア氏は760人の参加者に、気候変動の真実をリーダーとして伝えていってほしいと語った。

参加者には、ドキュメンタリー映画「不都合な真実」をみて、なにかしなければとここに参加したという人もいた。このトレーニングを受けた人たちは、これから気候危機の解決のために伝える側になることが問われている。