ボランティアは社会人になってから始める人が多いです。内閣府の調査でも、年代が上がるにつれてボランティア活動に参加した人の割合が上がっていきます。
社会人になってからボランティアに参加する魅力は、多世代との出会い、そしてやりがいです。そのための参加方法は、大きく3つの方法があります。
1:個人で一般的なボランティアとして参加
2:個人でスキルを活かした「プロボノ」として参加
3:「会社」で募集するボランティアに参加
この記事では、参加する方法や社会人ボランティアの魅力、実際の体験談もお届けします!
ボランティアを始める前にボランティアの基本をくわしく知りたい人はこちらの記事 ボランティア活動とはも読んでみてください。
社会人ボランティア①個人で一般的なボランティアとして参加
ボランティア活動の多くはスキルや経験が不要なので、関心のあるNPOなどのボランティア募集を見つけて、「一般参加のボランティアとして参加」するというのが基本的な方法です。
一般参加のボランティアに参加する魅力は
ボランティアには、学生からシニアまでさまざまな年代の方が参加しています。
学生・社会人を問わないボランティア活動に参加する魅力は「多世代の出会い」です!会社では役職についている人も、新卒社員も、10代の学生も、ボランティア活動の中では同じ立場です。
そのため、社会人という肩書きを超えた出会いや友人、仲間ができるというのが一般的なボランティアに参加する1番の魅力でしょう。学習支援ボランティアであれば子供の貧困問題、ゴミ拾いボランティアであれば環境問題など、同じような問題意識を持つ人たちのため、会社の同僚と話す話題とはまた異なる会話で話が弾んだりすることもあります。
ボランティア活動のコミュニティが、家庭と仕事以外の3つ目の居場所として日々の生活をより豊かにしてくれるサードプレイスになるのです。
それから、「生きがい・やりがい」も魅力の一つです。
環境問題・子どもの貧困など、さまざまな社会問題が世の中にはあります(参考:社会問題一覧の記事)。ボランティア活動で自分が関心ある社会問題に貢献することは、人生の生きがいやりがいの一つとなるでしょう。
ボランティア活動に関する調査でも、ボランティア活動をして良かったという回答では、「ものの見方や考え方が深まった」「満足感や充実感を得ることができた」が上位となりました。
ボランティア募集を探す方法
ボランティアの募集は全国的に募集しているものもありますが、基本は地域単位になります。
全国的なボランティア情報サイトの代表的なものは、「Yahoo!ボランティア」です。Yahooのボランティアサイトは、地域やカテゴリー別など検索性が高く、興味のあるボランティアをみつけやすいのでオススメです。
ちなみに、Yahooボランティアの各種募集情報は、日本財団のCANPANや、ボランティアプラットフォーム、ボランティアインフォから提供を受けて掲載されています。
具体的に参加したいボランティアの分野が決まっていない人は、Yahooボランティアで色々なプログラムを探してみるところから始めてみるのもいいと思います。
東京・大阪など地域別にボランティア募集を探す
次に、東京でのボランティアを探すには、東京ボランティア・市民活動センターが運営しているボランティア情報サイト「ボラ市民ウェブ」をまずはチェックしてみてください。ボラ市民ウェブもボランティア情報掲載サイトの中では、かなり充実しているサイトです。
細かく検索条件を設定することもできるので、単発や土日だけ、など参加できるプログラムがが見つかりやすいです。
東京でのボランティアについて細かくはこちらの記事にまとめています。
参考:東京都内でボランティアするには?
他にも大阪であれば、大阪ボランティア協会のKVネットがおすすめサイトです。
参考:大阪でボランティアするには?
他の地域でも、ボランティアを募集しているサイトは色々あります。
福祉系であれば社会福祉協議会、国際系であればNGOセンター系など、分野べつでも異なってくるので、参加したい分野が決まっている方は、各分野のボランティアを探してみてください。
当サイトでも各種ボランティアごとに情報をまとめているのでご参考ください。
社会人ボランティア②個人でスキルを活かした「プロボノ」
ここまで紹介したものは、原則「スキル・経験不要」のボランティア活動です。
一方、スキルを活用したボランティア活動が「プロボノ」です。
プロボノは主に社会人向けのボランティアで、社会人が専門知識や技能をいかして参加する社会貢献活動です。ラテン語の「Pro bono publico(公益のために)」からきている言葉。一般的なボランティア活動ではなく、何かしらの自分の経験を活かせないかと考えている方にはプロボノがオススメです。
社会人がプロボノする魅力は
プロボノの魅力は一般的なボランティアと同様に「出会い」もありますが、一般的なボランティアより限られらた範囲となります。
もう一つの「やりがい」という点で、「スキルの活用」。これがプロボノにおける1番の魅力ではないでしょうか。自分が、人生の中で、会社の中で、培ってきた各種のスキルやさまざまな経験を、社会に役立つことへ活かすことができるというのは、誰にでもできることではなく、自分にしかできないボランティアと言えるでしょう。
プロボノを通じて自分のスキルを発展させることにもつながるでしょう。また自分のスキルが会社の外に出たときに、どれくらい価値があるかを知ることもできます。
それでは、スキルというのはどのようなものを活かすことができるのでしょうか。
プロボノの種類と参加する方法
プロボノの内容には、「広報物・ウェブサイトの制作」、「翻訳」、「法務・経理相談」、「マーケティング調査」などさまざまあります。
NPO団体ではプロボノ募集窓口を設けている団体も増えてきています。「プロボノ 国際」や「プロボノ 子ども」で検索すると各団体の情報が出てきます。
例えば国際NGOのケアインターナショナルジャパンにプロボノ募集ページがあります。内容はマーケティング分野と広報分野。関心ある分野が決まっている人は、直接申し込んでみてもいいですね。
けれど、なかなか見つけることは難しいのと、スキルマッチングが難しいという課題もあります。そのため、プロボノでは、マッチングする団体というのがあるのです。
サービスグラント
最も有名なのが、「NPO法人サービスグラント」です。NPOなどとプロボノ希望者をマッチングする団体。
社会人はプロボノワーカーとしてスキルを登録し、NPOはどういう支援が必要かを希望し登録し、両者のマッチングが行われます。プロボノワーカーは複数名のプロジェクトチームを編成して活動していくスタイルです。
パラレルキャリア支援サイト もんじゅ
Social Marketing Japanが運営するプロボノ情報サイトです。プロボノ募集情報を多数掲載しています。気に入った内容があれば、応募フォームに入力します。ここでは、さまざまなプロボノ経験者の声もあるので、参考にしてみるといいでしょう。
社会人ボランティア③「会社」で募集するボランティアに参加
最後に、個人ではなく、会社を通じてボランティアに参加することも可能です。
制度があればということにはなりますが、多くの企業でボランティア関連の制度導入が進んできています。例えば以下のような制度や仕組みがあります。
社内イントラへボランティア情報掲載
ボランティア休暇制度
ボランティアデーの開催
社内ボランティア部、ボランティアグループ など
会社として社員のボランティア参加を推進
CSRやSDGsの推進、社会貢献、地域貢献など目的はさまざまありますが、会社として社員のボランティア参加を推進する取り組みが増えてきています。個人でボランティアを探して参加するのはハードルが高くなってしまいますが、会社のイントラにボランティア情報を掲載することで、一から探す手間が省け、会社を通じてボランティアに申し込むことで、ボランティア休暇が使いやすかったり、会社の同僚と一緒に申し込むことで、参加のハードルが下がったりするメリットがあります。
それから、一歩進んだ取り組みがボランティアデーの開催です。
ボランティアデーとは、特定の日や週をボランティアデーと定めて、社員が一斉にその日にボランティア活動を行う取り組みです。内容は朝の街の清掃であったり、フードバンクでのボランティア、地域の活動のお手伝いなどさまざまです。
企業ボランティア・アワード
東京ボランティア・市民活動センターが主催する「企業ボランティア・アワード」という賞があります。
企業ボランティア・アワードとは・・・
https://www.tvac.or.jp/kigyo/case/award/
都内の企業で働いている人たちによる非営利団体でのボランティア活動を表彰し、広く社会に広報することによって、企業人のボランティア活動への参加や企業と非営利団体の協働を促進することを目的とした事業です。
社内の有志で集まったメンバーや、社内ボランティア部・ボランティアグループなどの単位で応募しているケースもあります。
このように、会社単位でボランティアに関心あるメンバーを集めて定期的に活動しているところもあります。全ての会社でこうした制度や取り組みがあるわけではないですが、もしあなたの会社にあるかどうかまずは調べてみてはいかがでしょうか。
社会人ボランティア体験談 「プロボノ」が語る魅力とは?
社会人がスキルを活かしてボランティアをする「プロボノ」が広がりをみせています。プロボノ団体が都内で開いたプロボノ交流イベントには社会人20人ほどが参加。参加者の多くは20〜30代。すでにNPOでプロボノをしている人から、「初めて聞いた」「関心あるがまだやっていない」とい人まで参加理由はさまざまです。
プロボノでどのような経験ができるのか。その魅力を経験者に語ってくれました。20代の女性は「プロボノはお金のかからない最高の趣味」と表現。奔流中国、a-conという2つの団体で編集者としてのスキルを活かしながらプロボノをしているそうです。
プロボノでの経験が本業に活きる
普段は出版社で働いています。編集の仕事がしたくて入社したが、当初は思うような仕事ができなかった。そこで「自分のキャリアは社外で自分で作ろう」と決心したと言います。
奔流中国というNPOのツアーに参加したことがきっかけで、代表の張宇さんの書籍出版に携わることに。
「代表が本を出したいというので、出版社で働いているからできますと手を挙げました。1年かけて代表を取材して、編集して、電子書籍としてKindleで出版しました」
この本がKindleのカテゴリーランキングで一位をとるほどの評判となり、自身のSNSなどで紹介すると、思わぬ反応がありました。
「一位になったと投稿したら、自分のことも書いてほしいという声がたくさんきました。依頼にはお金が出る出ないはありますが、出版の世界で生きていく可能性が開けた気がしました」
企業では新人の内には、経験できないこともNPOでは挑戦できます。プロボノで積んだ経験が本業にも活きるように。
「会社は好きだから続けます。ただ、いまでは会社を離れても一人でやっていけるという思いもあります。自分に気持ちの余裕ができたことで、社内でも保身に走らず、上司に自分の意見をしっかり言えるようになりました」と語りました。
「最近、働き方改革で残業が少なくなったんです。アフター5を充実させるのに、せっかくだからボランティアをやっています」
本業とプロボノを続けることで、相乗効果になる。幅を広げることができ、日常生活にプラスになることも魅力の一つでしょう。
会社では話せないことを話せる仲間との出会い
もう一人の女性は、がんの相談などを行う団体でプロボノをしています。自分の母親もがんだったが、会社では相談しづらかった。けれど、団体の代表が医師でもあるので、自分のことを相談することができたといいます。
母のケアを続ける中で、メンタルが弱くなったときもあった。そのときに支えてくれたのも代表や周りにいるガンサバイバーでした。プロボノで出会う人は、同じ方向を向いているので、深い話や腹を割った相談もできることが魅力でもあります。
最後に・・・
プロボノを続けるときに、重要なことは「無理をしないこと」
「自分のできる範囲のことをやっていくことがよい。なにかを削らないとできないのはよくない」と経験者も語っています。
プロジェクトに関わる以上、責任はある。けれど、仕事が忙しいときは無理をしないこと。そうしたときには団体のスタッフにこまめに伝えることが続けるコツと言えます。
この記事でボランティアに参加するきっかけとなったら嬉しいです。
何かボランティアに関してご質問がありましたらお問い合わせください。