国際ボランティアとは?活動分野・参加方法・おすすめの団体も紹介

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国際ボランティアとは、アジアやアフリカなどの貧困地域や支援が必要となった地域などで、個人・団体としてボランティア活動を行うことをいいます。活動エリアはアジアやアフリカなどの発展途上国がが多いですが、ヨーロッパの国々や日本国内でも国際ボランティアは行われています。

個人として参加する場合には夏休みに参加する1~2週間の短期プログラムから3カ月、半年、1年などの中期・長期のプログラムもあるため期間を選んで参加することが可能です。

この記事では国際ボランティアの活動分野、参加する方法、また国際ボランティア経験者のスタッフがおすすめの団体を紹介します。

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国際ボランティアとは?

国際ボランティアというと途上国で行うイメージもあると思いますが、実際にはアジア・アフリカ・ヨーロッパ・オセアニア・アメリカなど世界各地で行われています。地域によって分野は異なりますが、環境関連の国際ボランティアはどの国でも行われており、日本国内でも里山や森林保全などの国際ボランティアプログラムがあります。

国際ボランティアは英語では「International volunteer」といいます。国連UNESCO内には、The Coordinating Committee for International Voluntary Service (CCIVS) という国際ボランティアの組織が1948年に設立されています。

国際ボランティアが広がり始めたのは第二次世界大戦後であり、戦後の復興に各国の若者たちがボランティアとして活動を始めたといわれています。

国際ボランティア・デー

12月5日は国際ボランティア・デー(International Volunteer Dayです。

国際ボランティア・デーは、国連が定めた日で「ボランティアの重要性を認識し、ボランティアが社会と地域社会にどれだけの影響を与えているかを広く理解するための日」として1977年から始まりました。

12月5日は、国連ボランティア計画(United Nations Volunteers)が設立された日です。

国際ボランティア・デーには世界各地でキャンペーンやイベントが行われます。NGOがイベントを行うだけでなく、企業として一斉に社員に向けてボランティアを呼び掛けたり、ボランティアデーとして活動を行ったりもしています。

事例:SOMPOグループボランティアデー

国際ボランティアの活動分野は?

まずは、以下に国際ボランティアの活動分野の一覧を挙げます。
項目については、1990年に設立された国際ボランティアNGOの日本国際ワークキャンプセンター(NICE)を参考にしています。ちなみに、この記事を書いている私自身、NICEの国際ボランティアに学生時代に参加し多くの経験をしました。

環境、農業
考古学、修復、建築
開発
子ども、教育
障がい者、高齢者福祉
難民
医療
技能(職業訓練など)
文化活動、平和
学習ワークキャンプ
事務(NGOインターンなど)
引用:https://www.nice1.gr.jp/search_top/

ちなみに、NGO(非政府団体)のNGOの活動内容は11区分に分けられます(外務省の分類)。
「教育・職業訓練」、「開発・貧困」、「保健・医療」、「環境」、「農業・漁業」、「飢餓・災害」、「平和・政治」、「経済」、「人権」、「政策提言 ・ 調査研究」、「ネットワーク」の11分野です。

NGOの活動分野については以下の記事もご参照ください。

国際ボランティアの活動の具体例と体験談

上記にあげた活動の具体例と体験談をいくつかご紹介します。

<環境分野>
環境分野の国際ボランティアでは、森林保護や海岸の清掃、環境教育の普及啓発など様々なプログラムがあります。現地の環境保護団体が行っているプログラムに参加します。

筆者の私が参加した環境の国際ボランティアはモンゴルでの植林プログラムでした。砂漠化が進んでいるモンゴルでは、植林計画を進めており、その活動の一部を手伝うという内容でした。モンゴルの草原でゲル生活をしながら植林を行う活動は非常に刺激的で良い経験となりました。

別の方の国際ボランティア体験談も紹介します。
「私は東南アジアにある島でサンゴ礁の保護を行う国際ボランティアに参加しました。現地の方にその地の生態系の重要性を教えてもらい、実際に海に入って観察もさせていただきました。現状を知ってから海岸のゴミ拾いを行うと、活動の意義を実感でき、身が入りました」

環境ボランティア日本国内でもできます。海外に行く前に日本の環境ボランティアに参加してみたいという方はこちらの記事もご参照ください。

<教育>
教育支援の国際ボランティアは、アジアやアフリカなどの国々で教育に課題のある場所で教育環境の改善を行う活動です。学校の建物や施設など環境を整備したり、学習教材を作成したり、授業を企画したりします。

私が参加したインドでの教育ボランティアでは、小さな学校に行きました。そこにはトイレがなく、衛生面に課題があったため、トイレや手洗いに関する授業を英語で行いました。

続いて別の体験談も紹介します。
「アフリカの国で現地の小学校の教育ボランティアに参加しました。子どもたちに英語や算数の授業を英語で行いました。あとは、日本の文化についても紹介すると子どもたちもアニメを知っていたりと、とても興味をもって喜んでくれました。現地の子どもたちの教育環境が改善でき、学びたいことが学べる機会が整備されることが重要だと強く感じました」

また日本国内でできる教育支援ボランティアはこちらの記事をご覧ください。

児童館やフリースクールでのボランティアも紹介しています。

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<福祉ボランティア>
福祉系の国際ボランティアは、孤児院であったり、高齢者施設であったり、障がい者施設での活動などがあります。孤児院では子どもたちと遊んだり、高齢者施設では傾聴をしたりと、専門性がある場合を除き特別なサポートをするというよりも日常の生活をサポートする活動です。

体験談「ベトナムの孤児院で2週間を過ごしました。子どもたちと遊ぶ中で日本の昔遊びを紹介したり、ベトナムのことを教えてもらったりと、心の交流をもちました。孤児院と聞いて、訪問前にもっていた偏見はなくなり、素敵な笑顔に癒されて、短い期間でしたが、国際ボランティアの役割ってなんだろうと考える機会になりました」

日本国内での医療・福祉系のボランティアはこちら

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ほかには、医療支援ボランティアの場合、専門的な知識・経験が必要となる場合もありますが、現地の病院や診療所での医療スタッフのサポートだったり、地域住民に対する啓発活動などもあります。

国際ボランティアに参加する方法は?

国際ボランティアに参加するには、日本国内にあるNGOや学校のプログラムなどを通じていくことができます。主に以下のような参加する方法があります。

・国際ボランティアプログラムを行うNGO
・国際協力活動を行うNGOの現場体験プログラム
・旅行会社
・学校が主催するプログラム
・JICAの青年海外協力隊 など。

詳しい参加方法は以下の記事をご参照ください。

次に、国際ボランティアに参加するためのステップもご紹介します。

まずは、「目的を明確にする」こと。それから「情報収集」です。
これらはどちらが先になっても問題ありませんが、どのような目的で参加したいのかを考えておくことで、団体・プログラム選びにもつながってきます。アフリカに関心があるとか、途上国の教育支援に関心があるとか、ヨーロッパの福祉を体験してみたいとか、目的に合わせて情報収集を進めてみてください。目的が特に定まらないという場合は、先に団体を見つけて、説明会などに参加してみてから、関心ごとを絞っていくということもできます。

次に「言語の勉強」と「現地の勉強」です。
言語の勉強は、現地で使う言葉が少し話せるようになっておくと、現地の人の信頼を得られるため、事前に本を一冊買っておくことがおすすめです。同様に現地の地理だったり歴史だったり、現地の特徴や課題を知っておくことも大切です。

英語は話せるに越したことはありませんが、苦手だから行けないということはありません。片言でもいいので、挑戦してみましょう。

参加するプログラムが決まったら「スケジュールの確認」と「渡航前の準備」です。準備は意外にいろいろあります。国際ボランティアで行くような場所は観光地と違うので、予防接種をしっかりと打つ必要があります。また旅行保険に入ったり、ビザが必要なら申請したりとスケジュールを確認して、間に合わないことがないように進めてください。

おすすめの団体は?

まずお勧めしたいのが先にも挙げている日本国際ワークキャンプセンターNICEです。ここは歴史も長く、国連のCCIVSにも加盟しているため信頼もできるNGOです。

プログラム数も日本国内にあるNGOでは最も多く、世界数十各国から選ぶことができるため、関心あるところを見つけることができるでしょう。

次におすすめしたいのは国際協力NGOのスタディツアーです。例えば、老舗NGOの日本国際ボランティアセンターJVCやシャプラニールなどは人気があります。

最後に

国際ボランティアに参加することで得られる経験はとても貴重なものです。
私自身、大学生のときにアジア・アフリカ・ヨーロッパといった国際ボランティアに参加したことで、様々な経験を得ることができました。教科書やテレビの中の出来事が、自分の目の前にあり、実体験として感じる経験は大変貴重なものでした。

また、世界中に様々な国籍の友人ができることも魅力の一つです。いまではSNSもあるので、その後もつながり続けることができます。

大学生であれば、ただ海外旅行に行くよりもグローバルな経験ができ、今後社会に出て働くうえで広く視野を持つことができるでしょう。それが就職活動にも役立つかもしれません。

高校生が参加できるプログラムは多くはありませんが、いくつかは募集されています。高校生のときに行けるのであれば、ぜひ参加してみてください。