難民認定者数・申請者数の推移―「日本の認定少ない問題」

難民認定者数の推移 国際協力団体

難民認定者数は2021年は74人。2020年の47人から増加しました。増加したとはい2桁の認定者数であり、海外と比較して日本が少ないという指摘は何年も言われ続けてます。1982年以降で難民認定者数推移をみると申請者数は急激に増えてきているものの認定数は微増・微減を繰り返していることがわかります。

難民認定者数と申請者数の推移をグラフでビジュアル化したものです。

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難民とは

まず基本の情報として難民について説明します。

難民とは紛争や災害、迫害などによって命の危険から住む地域から逃れ他国へ逃れる人たちのことを言います。世界には2600万人の難民・4570万人の国内避難民がいると発表されています。

内戦が続くシリアから逃れるシリア人難民が100万人を超えたり、ロヒンギャ難民やベネズエラからの難民も増えていて、内戦や自然災害などがあることで世界の難民の状況は刻々と変化していくのです。しかし、それだけ100万人という規模で難民の状況がかわっていても、日本の難民認定者数は増えなていません。この難民問題に対してNGOが声明を出すなど様々な論争はあります。

難民のNGO・難民支援協会はそうした日本の難民問題に取り組んでいます。ウェブサイトでも難民認定に関する声明やコラムがあるのでぜひご覧ください。
https://www.refugee.or.jp/

難民認定者の国籍

次に難民認定者の国籍を年度ごとにグラフにしています。
以下のグラフの年を変更することで2019年以降のデータがわかります。

2021年は難民認定者数は74人。その内訳はミャンマーが32人。中国が18人。アフガニスタン9人。イラン・イエメンと続いていきます。

2020年はイエメンが11人。中国11人。アフガニスタン5人、シリア4人。ギニア、コンゴ民主共和国、イラクと続いていきます。

2019年の難民認定者数・難民認定申請者数

2019年の難民認定者数は44人。そのうちアフガニスタンが16人と最も多かったです。
申請者数は1万375人。その内、461人は過去にも認定申請をしたことがある人たち。申請者数は昨年から118人の微減。申請者の国籍は全部で76カ国。スリランカ、トルコ、カンボジア、ネパールなどが多いです。2008年は1599人だった申請者は2016年以来、毎年1万人を超えています。一方、難民認定者は伸びていません。1万人を超える申請者に対して、認定者数は改善が見られない状態が続いているのです。

2018年以前の難民認定者数・難民認定申請者数

2018年は難民認定者は42人。前年の倍以上でした。認定者はコンゴ民主共和国が13人と最も多かったです。申請者数は1万493人。人道配慮による在留許可数は40人。申請者の国籍はネパールが最も多く、ついでスリランカ、カンボジア、フィリピン、パキスタンとなりまし。

2017年の難民認定者数は20人。難民認定申請数は1万9628人。2017年の過去数年では群を抜いて多い数字でした。申請者の国籍は82カ国。フィリピンが4895人、ベトナム3116人、スリランカ2226人、インドネシア2038人、ネパール1450人とアジアの国が多くなっています。国際情勢ではコンゴや南スーダン、ロヒンギャ難民が増えています。人道配慮による在留許可数は45人。

2016年は難民認定は28人。申請者数は1万901人。人道配慮による在留許可数は97人。認定者は前年とほぼかわらなかったが申請者数が大きく増加。国籍はインドネシア1821人、ネパール1451人、フィリピン1412人、トルコ1143人、ベトナム1072人。他にスリランカやミャンマー、インドなどがつづく。

2015年は難民認定は27人。申請者数は7586人。人道配慮による在留許可数は79人。認定者の実数は少ないが、前年の倍以上の数字です。国籍はネパール1768人、インドネシア969人、トルコ926人、ミャンマー808人、ベトナム572人。スリランカやフィリピン、パキスタンなどがつづく。

2014年は難民認定は11人。申請者数は5000人。人道配慮による在留許可数は110人。認定者は11人と前年から微増。国籍はネパール1293人、トルコ845人、スリランカ485人、ミャンマー434人、ベトナム294人。ほかに、バングラデシュやインド、パキスタンなどがつづく。

2013年は難民認定は6人。申請者数は3260人。人道配慮による在留許可数は151人。認定者は6人と過去最低水準となりました。国籍はトルコ658人、ネパール544人、ミャンマー380人、スリランカ345人、パキスタン241人。ほかにバングラデシュやインド、ガーナなどがつづく。

日本で難民が少ない理由

アメリカでは年間2、3万人、ドイツで年間数万人、フランスでも数千人と、欧米は難民受け入れを積極的に行ってきました。欧米が多いとも思えますが、隣国の韓国でも申請した2500人の内100人弱を認定しているのです。かたや日本は二桁。難民に寛容な国とは言い難いでしょう。

難民が少ない理由に、日本政府に提出する書類の多さがあります。難民申請の結果を待つだけで、2〜3年かかることもあり、その間も生活していなくてはならないのです。上述したNGOのJARでは、その間の生活サポートや、書類作成のサポートなどを行っています。生活するためには、まず働かなくてはならないが、難民の人たちが就労することはとてもハードルが高い。就労資格を得ることから始まるが、資格を得たとしても、言葉や文化の問題があり日本で働くことは難しいとい現実もあります。