NGO設立するには?法人格の必要性や準備すべきこと

NGO設立 国際協力団体

NGOを設立するため必ず必要な手続きはなく、貧困問題や環境問題など、国際的な社会問題の解決に何らかの手法で取り組みを行う市民団体であればNGOと名乗ることができます。その後、NGO団体として活動を継続したり発展させたりするためには、寄付を集めたり、ボランティアを集めたり、ウェブサイトを作成したりといった事務的な作業が必要となります。

そして、助成金に応募したり、社会的な信頼を得ようとするときに、フェーズが変わり、法人格取得などを検討することになります。ここではNGO設立にあたって知っておくべき知識をお伝えします。

スポンサーリンク

NGOとは

まずNGOとはなにか。NGOは「Non-Governmental Organization=非政府組織」の略です。
外務省は、NGOについて以下のように説明しています。

貧困,飢餓,環境など,世界的な問題に対して取り組む市民団体であれば,NGOと呼ぶことができます。法人組織として立ち上げるためには特定非営利活動法人(NPO法人)もしくは公益法人(一般社団・財団法人,公益社団・財団法人など)などの法人格を取得する必要があります(活動を始めただけでは任意団体となります)。

外務省ウェブサイト:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/kyoumi/faq02.html

すでに書いたように、活動を始めればNGOと名乗って問題ないということです。もともとNGOは国際連合の会議で、各国政府代表者と区別するためにその他の参加団体をさす言葉としてつかわれはじめました。国際的な社会課題に対して取り組む政府以外の団体です。

同じような言葉のNPOは、「Non-Profit Organization=非営利組織」の略称です。NGOとNPOの違いについては以下の記事で解説しています。

NGOを設立するときにやるべきこと

1.ミッションを決める

NGOを設立して活動を始める際に大事なことはミッションを決めることです。
「私たちは○○の問題を解決します」という目指す先を決めることで、同じ思いを持った仲間・ボランティアも集まってきます。

2.活動を決める

例えば、アフリカの教育問題を解決するというミッションを掲げたとして、様々な活動の方法があります。勉強道具がないことが問題なのであれば、日本の教科書を現地語に翻訳したり、教科書やノートを送ったり、実際に現地へ行って教育をしたり直接的な活動もあります。それだけでなく、日本国内で現地のことを伝える啓発活動も重要な活動です。

どういった活動をするかのヒントを得るためにおすすめなのが、すでに活動しているNGOやNGOの中間支援組織に相談することです。NGOの中間支援組織は以下のような団体があります。

・国際協力NGOセンター
・関西NGO協議会
・アーユス仏教国際協力ネットワーク
・名古屋NGOセンター
・横浜NGO連絡会
・NGO福岡ネットワーク
・北海道NGOネットワーク協議会

3.ホームページ・SNSの作成

NGOを設立しても社会に認知してもらえません。そのためにホームページを作ったり、SNSを立ち上げたりと、世の中に知らしめる必要があります。そうすることで検索でも団体名が表示されるようになります。
ただ、設立当初は、あまりお金をかけられないはずです。その際にどうやってホームページを準備したらいいかなど困ったことがあれば、当社のNPO/NGO専門の広報コンサルティングにご相談ください。

4.寄付・ボランティアの募集

NGOの活動を継続するためには、ヒト・モノ・カネを集めなくてはなりません。サービスを提供して収益をえるわけではないので、寄付を集めたり、会員を募集し会費を増やしたり、ボランティアを募集したりする必要が出てきます。
自分たちのHPだけでなく、寄付募集のサイトやボランティア募集のサイトを活用すると効率的に集めることもできるでしょう。

そして、活動が軌道に乗ってくると次のフェーズ、法人格の取得に進んでいきます。

”NGO法人”はない!NPO法人や社団、財団が多い

市民団体、ボランティアグループなど「法人格のない」組織として活動をはじめ、軌道にのっていくと法人格の取得を検討することになります。

その際に選択肢にあがるのが、
・特定非営利活動法人(NPO法人)
・一般社団法人
・一般財団法人
・株式会社
このあたりでしょう。

NGOなので株式会社を選ぶ場合はほとんどないと思います。ただし、市民団体として活動してからソーシャルビジネスとして収益事業へ移行する場合は、株式会社も選択肢に上がるでしょう。

非営利団体として寄付やボランティアを集めながら活動するのであれば選択肢は二つです。一つは、NPO法人として活動をし、寄付金控除を受けたい場合には、認定NPO法人を目指す道。もう一つは、公益法人(公益社団・公益財団)を目指して、登記だけの一般法人(一般社団・一般財団)から始める道です。現在では一般社団法人の非営利徹底型という選択肢も増えています。

例えば、NGOとして有名な団体でいえば、
日本のNGOの先駆けである「日本国際ボランティアセンター(JVC)」は「特定非営利活動法人」として活動しています。
他には、人権NGOとして世界的に有名な「アムネスティ」は「公益社団法人」、環境NGOの「グリーンピース」は「一般社団法人」です。

以前はNPO法人でないと申請できない助成金などもありました。しかし最近では、一般社団・一般財団として活動するNGO団体も増えてきているので、助成金申請での優越はなくなってきています。
むしろ、NPO法人は申請から認証まで長い時間がかかるため、すぐに法人格を取得できる一般法人を目指す団体も増えています。認定NPO法人で寄付控除をねらうのでなければ、一般法人でスピード感をもってスタートするということです。