日本フィランソロピー協会が「NPO連続セミナー」を開催

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公益社団法人日本フィランソロピー協会がNPO連続セミナーを11月に開催します。ボランティアなどを通じて、社会のために自らを役立てたいと願う企業人やシニア層を対象として、「社会貢献活動を始める前に、社会課題の実情を知る」機会となる内容です。

1~4回は終了していて、第5回を12月17日、第6回1月17日に開きます。各回45分間、オンラインで参加費は無料。申し込みはフィランソロピー協会ウェブサイトにて受け付けています。

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第3回「居場所のない10 代後半の子どもへの支援について~子どもシェルターてんぽの活動を中心に~」

日時:2021 年11 月24 日(水) 18:00~18:45(17:45 開場)
講師:特定非営利活動法人子どもセンターてんぽ/子どもシェルターてんぽ ホーム長

<講師からのメッセージ>

「子どもシェルター」という言葉を耳にしたことはありますか。数年前にテレビの深夜帯で「さくらの親子丼」(フジテレビ系列)というドラマが放映され、少しは世間に知られたかと思いますが、子どもシェルターは全国に19 ヶ所しかありません(2021 年10 月現在の稼働数)。

親からの虐待など、様々な理由により家で生活することが辛くなった時に、いったん家を離れ、安心して生活ができる場所を見つけるまで、短期間利用できる場所が「子どもシェルター」です。
18 歳未満であれば、児童相談所の一時保護所がありますが、18 歳以上の子どもは利用できません。そこで、主に10 代後半の子どもを対象に支援をしている当法人の活動を、シェルターを中心にお話しさせていただきます。まずは現状と課題をみなさまに知っていただき、少しでも支援の輪が広がりますように。

<講師プロフィール>

これまで約30 年にわたり、民間および公立の児童福祉施設で、子どもたちの生活や相談支援の業務を担ってきました。
そして、2017 年より「非営利活動法人子どもセンターてんぽ」のシェルターにて、居場所のない10 代後半の子どもを対象に、彼らの意思を尊重しながら、子ども担当弁護士や児童相談所などの関係機関と一緒に、シェルターを退所した後の生活場所を考える活動をしています。

<特定非営利活動法人子どもセンターてんぽとは>

現在、「特定非営利活動法人子どもセンターてんぽ」は、3 つの事業を行なっています。

(1)シェルター事業:2007 年に「子どもシェルターてんぽ」設立。様々な理由で居場所のない、主に10 代後半の子どもを対象に、安心・安全な場を提供し、今後の生活について利用者と一緒に、スタッフや子ども担当弁護士、児童相談所等の関係機関等と連携しながら考えている。

(2)居場所のない子どもの電話相談事業:2008 年に法人の自主事業として、専用電話による電話相談事業を開始。居場所のない10 代後半の子どもに関する相談が多く、シェルターを含む緊急一時的な滞在先などの情報提供も行なう。
月~金13 時~17 時開所。

(3)自立援助ホーム事業:2010 年から神奈川県南足柄市に「みずきの家」という名称で女子6 名定員の自立援助ホーム
を運営。原則中学卒業後から20 歳(一部22 歳)までの女子を対象に、安心・安全な生活環境の中で就労や就学しながら、自立のための準備ができるよう支援している。

第4回「病気や障がいのある子どもの「きょうだい」を応援する~子どもが「子ども」でいられるように~」

日時:2021 年11 月30 日(火) 18:00~18:45(17:45 開場)
講師:清田 悠代(きよた ひさよ)さん (NPO 法人しぶたね 理事長)

<講師からのメッセージ>

重い病気のある子どものきょうだいたちは、子どものうちから、不安や寂しさ、罪悪感、
プレッシャーなど、複雑な気持ちを感じながら大きくなっていきます。きょうだいたちのし
んどさを、きょうだいや家族だけで抱えるのではなく、もっと社会のたくさんの人たちで関わっていけることがあるのではと思い、活動をひろげてきました。
きょうだいたちが、「どんな気持ちも持っててだいじょうぶ」「ひとりじゃない」そんなふうに思える安心の中で、子ども時代を「子ども」として過ごせるように…優しくつながり広がってきたきょうだい支援の輪に加わっていただけますと幸いです。

<講師プロフィール>

大阪府立大学社会福祉学部卒業。社会福祉士。心臓病の弟がいた経験からきょうだい支援を志し、2001 年、米国きょうだい支援プロジェクト、ドナルド・マイヤー氏によるシブショップファシリテータートレーニング修了。以降、18 年にわたりきょうだい支援の活動に取り組む。

<しぶたねとは>

「しぶたね」は、病気のある子どものきょうだいのための団体です。2003 年に設立、2016 年にNPO 法人格を取得しました。きょうだいのためのワークショップ、病院ボランティア活動、小冊子の作成配布、寄稿・講演、毎年4 月10 日の「シブリングデー(きょうだいの日)」にあわせた啓発、支援者の輪をつなぎ広げるためのシブリングサポーター研修などを通してきょうだいを応援している。

第5回 多様性を認め合うことのできるより豊かな社会のために~クライミングができること~

日時:2021年12月17日(金)18:00~18:45(17:45開場)
講師:NPO 法人モンキーマジック代表 小林幸一郎氏

<講師からのメッセージ>

NPO法人モンキーマジックは、障害者クライミングの普及活動を通じて、障害者をはじめとする人々の可能性を大きく広げ、多様性を認め合うことのできる、より豊かな成熟した社会の実現を目指し、2005年から活動を続けています。
東京オリンピックの種目となり、多くの人々の目に触れることとなったクライミングですが、このスポーツの普及がなぜ多様性理解の促進に寄与できるのでしょうか? 全国各地に広がるこの活動の今と、描く未来の姿。そして多くの方々や社会に関わってもらいたい姿についてお伝えします。

<講師プロフィール>

1968年東京都生まれ。16歳でフリークライミングと出会う。1996年、28歳で「網膜色素変性症」という目の難病が発覚し、「将来失明する」という医師からの告知と失意の日々を送る。
2005年、37歳でNPO法人モンキーマジックを設立。2014年パラクライミング世界選手権(スペイン・ヒフォン大会)の視覚障害男子B1クラスで優勝し、現在まで4連覇。2014年、第64回日本スポーツ賞受賞。
現在、クライマーにしてNPO法人モンキーマジック代表理事、日本パラクライミング協会共同代表、視覚障害リハビリテーション協会理事を務める。
著書に『見えないチカラ 〜視覚障害クライマーが見つけた明日への希望〜』(アスペクト出版/2011年)、『見えない壁だって、越えられる』(飛鳥新社/2015年)。 

<モンキーマジックとは>

モンキーマジックは、「見えない壁だって、越えられる。」をコンセプトに、フリークライミングを通じて、視覚障害者をはじめとする人々の可能性を大きく広げることを目的とし、活動しているNPO法人です。
障害者クライミングの普及活動を通じて、多様性を認め合えるユニバーサルな社会を実現し、より成熟した豊かな社会を創ります。※ユニバーサルな社会とは、障害、年齢、性別、文化などの違いに関わりなく、それぞれの人が社会の一員として支え合う中で、安心して暮らし、一人ひとりが自分らしく生き、持てる力を発揮して元気に暮らすことのできる社会のことです。

第6回 水の世界もバリアフリーに!~障害者も健常者もともに楽しめるプールを実現したい~

日時:2022 年1 月14 日(金) 18:00~18:45(17:45 開場)
講師:認定NPO 法人プール・ボランティア 岡崎 寛氏(理事長)、織田 智子氏(事務局長)

<講師からのメッセージ>

2021年の夏は、東京オリンピック・パラリンピックで日本選手団の活躍をご覧になって感動された方も多いのではないでしょうか。でも、彼らも最初からトップ選手だったわけではありません。
障害のある人たちが、もっと身近に水泳を楽しむことができたら、どんなにすばらしいでしょう。でも、水の世界には、まだまだバリアがいっぱいあるのです。
それらを、一つひとつ取り除いて、誰もが安心して、安全にプールを楽しめる社会を一緒に目指しましょう。

<講師プロフィール>

■ 岡崎 寛:同志社大学法学部卒 65歳
41歳の時に脱サラし、織田ちゃんとともに、プール・ボランティアを設立する。日本赤十字社水上安全法、同救急法名誉指導員。日本水泳連盟上級水泳教師、同上級コーチ。昔ライフセーバー、昔トライアスリート、昔競泳選手ほか。 ■ 織田智子:学歴・年齢不詳
日本赤十字社水上安全法指導員、同救急法指導員、同健康生活支援指導員、同幼児安全法指導員。昔飛込競技選手ジュニアオリンピック富山県代表、元専門学校パソコン講師、DTPデザイナー、元デパガ。 

<プール・ボランティアとは>

「障害者も健常者もともにプールを楽しめる社会を!」(定款第3条)
認定NPO法人プール・ボランティアは、1999年に大阪で設立された日本で最も古いスポーツNPO、事業型NPO法人です。「水の世界もバリアフリーに!」を合言葉に、現在、大阪市を中心に市民プールで、毎年、のべ約4,000名の障害者に、泳げるボランティアがマンツーマンで水泳指導やプール・リハビリをしています。
他にも、企業やプールの指定管理者を対象に「障害者対応研修」を開催し、障害者のプール利用についての理解を深める活動やプール・オンブズマン活動もしています。また、日本で初めてのプール専用車イスの製作や、重度身体障害者のための浮き具「うきうきくん」なども製作販売しています。
2018年度からは、東京都から特別な許可を得て、「ヘルプマーク・スイムキャップ」を全国に無償配布しています(配布総数1000枚超)。
受賞歴は、第7回スポーツ振興大賞(2019年)、読売福祉文化賞2020年、第73回保健文化賞(2021年)など多数あり、保健文化賞では皇居にて天皇、皇后両陛下の拝謁を賜る予定です。
大阪マラソンの寄付先団体に5年連続採択されています。
※プール・ボランティアは登録商標です。

第7回 子どもの包括的支援とその課題~宮城・石巻での実践から考える~

日時:2022 年2 月7 日(月) 18:00~18:45(17:45 開場)
講師:特定非営利活動法人TEDIC 鈴木 平氏(代表理事)

<講師からのメッセージ>

「震災が来て、救われた」・・・。TEDICはひとりの男の子と学生の出会いから始まりました。
衝撃的な言葉の背景には、震災以前から、その子が抱える生きづらさ、世帯が抱える経済的困窮、虐待、DV、依存症など、様々な課題があるのが、徐々に分かっていきました。
そのことを知った私たちは、「目の前の○○に向き合う」ことを大切にして、避難所での支援から、公民館での活動、学校内での学習支援、フリースクール、子ども食堂、アウトリーチ、市や県との協働事業など、目の前の子ども・若者たちのために形を変えながら活動をしてきました。
今では、地域のたくさんの方々の力を借りながら、子どもたちが様々な人との関わりを通して、社会の中で“ひとりぼっち”になることがないように、そして、少しでも自分の人生を、自分自身が「主人公」として生きられることを願いながら、日々活動をしています。 

<講師プロフィール>

静岡県御殿場市出身。静岡県立大学国際関係学部卒。宮城大学事業構想学修士。
研究テーマは「ボランティアマネジメント」。大学時代は放置竹林問題、学生団体の中間支援、若者の社会参画支援など複数の社会課題に取り組む。また、大学4年次に休学し約25か国を放浪。卒業後はIT企業にて営業、コンサルタントとして勤務。2014年よりチャンス・フォー・チルドレンに参画、仙台事務局にて教育事業者や大学生ボランティアのコーディネーション事業に従事。若手人材の育成や教育・福祉人材のバーンアウトに課題を感じ、「人が育つ環境をつくる」をテーマにしたユースソーシャルみやぎを設立。その他、子ども向けキャンプや体験活動を提供するNPOの事務局長も務める。
2017年より、NPO法人TEDIC理事就任、2019年より副代表理事、2021年から現職。主に、各事業統括、政策提言、アドボカシー、地域コーディネートを担当。 

<TEDIC とは>

「心のひとりぼっちがいない街」、「誰もが自分の人生の主人公になれる社会」を目指して、地域の方々と一緒に相談事業や居場所事業に取り組んでいます。

第8回 外国にルーツを持つ子どもたちの学び~多文化共生センターの活動を通して~

日時:2022 年2 月24 日(木) 18:00~18:45(17:45 開場)
講師:認定NPO 法人多文化共生センター 枦木 典子氏(代表理事)

<講師からのメッセージ>

新型コロナ感染症の影響で、一時的に減少しているとは言え、日本に住む外国籍の人たちは288万人(令和2年)を超え、全人口の約2.3%となっています。同時に、外国にルーツを持つ子どもたちの数も増加し、教育や生活面等でさまざまな困難に直面しています。
学ぶ場所につながらない不就学の子どもたち、学校に入っても十分な日本語指導体制がないため、不登校になり、学力をつけられないまま卒業する子どもたち、在留資格により、自立した社会人としての生活を確立できない若者など、多くの課題があります。
当団体では、日本語や教科を学ぶ場としてのフリースクールを運営し、学ぶ場のない外国にルーツを持つ子どもたちを高校進学へとつなげてきました。また、土曜日には、学生、現役社会人、経験豊かなシニアの皆さんが参加して、子どもたちの学びと居場所づくりの活動を行なっています。国籍や言語、文化の違いを尊重し、認め合う社会を担っていく子どもたちがその可能性を発揮できるよう、今回をきっかけに、みなさんに関心を持っていただき、つながっていただけますと幸いです。 

<講師プロフィール>

長野県松本市出身。小学校教師を務めたのち、多文化共生センター東京の活動に参加。 2006年より「たぶんかフリースクール」で日本語や教科を担当し、学齢超過の子どもたちとふれ合いながら、高校進学をサポートする。2015年4月より代表理事。多文化で多様な個性をもつ外国ルーツの持つ子どもたちが、その可能性をいかせるよう取り組んでいる。 

<多文化共生センター東京とは>

外国にルーツを持つ子どもたちの教育支援の活動を20年に渡り実施しています。学ぶ場のない学齢超過の子どもたちのための「たぶんかフリースクール」の運営、多言語による情報提供、行政との協働による中学生日本語初期指導教室、さらに、高校支援事業として多文化共生スクールコーディネーターの派遣など、外国にルーツを持つ子どもたちが置かれている厳しい状況を改善するための活動を行なっています。

【本件に関するお問い合わせ】

公益社団法人日本フィランソロピー協会 大倉寿之・宮本 栄
〒100-0004 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル244
tel:03-5205-7580 fax:03-5205-7585 e-mail:jpa-info@philanthropy.or.jp