25年開催のデフリンピックは注目度が急上昇 日本財団パラスポーツサポートセンターが調査

デフリンピック 社会課題

きこえない・きこえにくい人のための国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」が2025年11月に東京で開催予定だ。「国内一般社会でのパラリンピックに関する認知と関心」によれば、デフリンピックの認知度が前回から22.1ポイント増加しているという。

同調査でパラリンピックの認知度は微減、知的障害のある人たちを対象とした「スペシャルオリンピックス」は、2.1ポイント認知度が上昇している。調査は、公益財団法人日本財団パラスポーツサポートセンターが全国の20~69歳を対象に実施した。

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調査の背景と目的

「国内一般社会でのパラリンピックに関する認知と関心」は、2014年、2017年、2021年に続き、今回で4回目となる。

調査の狙いは、パラリンピックや関連イベントが国民の意識や社会の共生にどのような影響を与えてきたかを明らかにすること。障がい者と社会がともに歩む環境整備がどこまで進展しているかを、客観的なデータをもとに検証する役割を担っている。

パラリンピックの認知度は微減・デフリンピックの認知度が急上昇

「パラリンピックを知っている」と答えた人は全体の95.5%。依然として高水準だが、2021年調査からは2.4ポイント減少した。東京2020大会の盛り上がりを経て、一時的に関心が高まったものの、その後は落ち着きを見せていることがうかがえる。

一方、「デフリンピック」の認知度は38.4%。前回調査から22.1ポイント増と、大幅に上昇した。2025年11月に東京で開催予定の「東京2025デフリンピック」に向けて、メディア露出や情報発信が増えたことが背景にあるとみられる。

デフリンピックのデフ(Deaf)とは、英語で「耳がきこえない」という意味で、デフリンピックは「きこえない・きこえにくい人のための国際スポーツ大会」。

社会環境整備への評価は上昇

東京2020パラリンピックの影響について、「障がい者がスポーツをしやすい環境が整ってきた」と回答した人は0.8ポイント増、「公共交通や施設のバリアフリー化が進んだ」は3.5ポイント増となった。
さらに「障がい者と健常者が一緒にスポーツできるようになった」は0.5ポイント増、「障がい者の雇用が進んだ」は5.5ポイント増と、社会的な基盤整備に対する肯定的な評価が広がっている。

東京パラリンピックについて「自分自身にとって良かった」と答えた人は減少したが、「社会にとって良かった」と答えた人は2.5ポイント増加した。個人の体験としての熱気は落ち着いたものの、社会的な意義を認める意識はむしろ強まっている。

東京2025デフリンピックへの期待

今回の調査で特に目立ったのは、デフリンピックに対する関心の高まりだ。2025年11月に東京で行われる大会は、アジアで初めての開催となり、国内外の注目を集めている。
認知度の上昇は、パラリンピックやスペシャルオリンピックスと並んで社会に広く知られる存在となる可能性を示している。

デフリンピックに向け、国際手話を学ぶセミナーも開催される

デフリンピック東京開催に向けて、国際手話を学ぶセミナー「国際手話道場~デフリンピックに向けて~」が開催されている。5月から7月にかけて開催された第2期には、デフリンピックで活動予定のボランティアやデフスポーツに関心のある市民40人が参加し、日本手話や国際手話に加え、世界8か国・地域の手話を学習した。

国際手話を学ぶセミナー開催の背景

デフリンピックは、聴覚障がいのあるアスリートが参加する国際的なスポーツ大会で、パラリンピックと並ぶ世界規模の競技大会だ。日本財団ボランティアセンターは、競技運営を支えるボランティアの育成を重要課題と位置付けている。特に、世界各国から選手や観客が集まる場面では、手話を通じた円滑なコミュニケーションが欠かせない。

そのため、2025年5月から7月にかけて開講された「国際手話道場」第2期では、実践的な手話学習を中心に据え、ボランティアが現場で活用できるスキルを身につける場が提供された。

デフアスリートとの交流が生む学び

初回講座には、日本代表に内定しているデフアスリート4名が参加。

  • 亀澤史憲選手(デフ卓球)
  • 瀬井達也選手(デフビーチバレーボール)
  • 長谷山優美選手(デフバレーボール)
  • 丸山香織選手(デフバスケットボール)

選手たちは参加者と日本手話で交流し、競技にまつわる経験や東京大会への意気込みを語った。これにより、受講者の多くが「応援する気持ちが高まった」「ボランティア活動へのモチベーションが上がった」と語り、学習だけでなく共感や応援意識の醸成につながった。

今後のセミナー開催予定

初心者向け:「はじめての手話」

  • 日時:8月20日(水)19:00~20:30
  • 方法:オンライン(Zoom)
  • 定員:100人(抽選あり)
  • 参加費:無料
  • 内容:簡単な手話表現に加え、「どう伝えるか」「どう理解するか」といったマインドセットを学ぶ。

経験者向け:「手話スポーツバー」

  • 日時:9月2日(火)19:00~20:30
  • 方法:オンライン(Zoom)
  • 定員:90人(抽選あり)
  • 参加費:無料
  • 内容:デフアスリートとともにグループトークを行い、スポーツに関連する手話を学ぶ。

国際手話道場・第3期

  • 日時:9月30日~10月21日まで全4回(各回19:00~21:00)
  • 場所:日本財団第二ビル(東京都港区虎ノ門)
  • 定員:40人(抽選あり)
  • 参加費:3,000円(税込)
  • 内容:国際手話の基礎から応用までを学び、実践的なスキルを養う。

国際手話や日本手話を学ぶ取り組みは、単なる言語習得にとどまらず、多様性を理解し、互いに尊重し合う社会づくりの一歩となっている。デフアスリートやボランティアの交流を通じ、国際大会が日本社会に与える影響は広がりを見せている。