人権標語とは、入選例から人権問題を考える

人権標語・人権啓発標語社会課題

人権標語とは様々な自治体で「人権」について考え・理解を深める機会として募集している人権に関する標語です。人権啓発標語と呼んでいることもあります。人権啓発標語コンテストとして、小学生、中学生、高校生、一般の人など応募枠を分けて実施することが多いです。

人権標語コンテストの意義の解説や、毎年実施される人権標語のコンテストから、人権問題を考える機会になる入選例をまとめました。

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人権標語・人権啓発標語とは

人権標語を募集する目的は、「人権」に関して理解を深めることというのがほとんどの自治体に掲げられていることです。

人権とは

では、人権とはなにか。法務省のページには以下のように書かれています。

「すべての人々が生命と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利」あるいは
「人間が人間らしく生きる権利で、生まれながらに持っている権利」であって、
だれにとっても大切なもの、日常の思いやりの心によって守られなければならないものです。

https://www.moj.go.jp/jinkennet/kanagawa/kanagawa_nandesuka.html

この説明のポイントは「すべての人々」「だれにとっても」というところです。
人権標語コンテストでは、「人権問題」の理解と目的に書かれていることもあります。
それはつまり、「生命と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する」ことができていない人がいる。「人間が人間らしく生きる」ことができていな人がいる。ということです。

学校のいじめや職場での差別など、その人の人権が守られていない状況が日本社会にはまだまだ存在しています。人権標語コンテストという機会を通じて、自分の身近なところで人権問題が起きていないか、すべての人々の人権が守られているかを考えるきっかけにしてほしいというのが大きな狙いです。

人権デー・人権週間

世界人権宣言が採択された12月10日は人権デーと呼ばれています。また、12月4日から10日までは「人権習慣」とされていて、人権標語コンテストもこの時期に開催されることも多いです。

それでは実際に入選した人権啓発標語の例を見ていきます。

人権啓発標語 入選例 

「逃げていい あなたの居場所 きっとある」

https://www.city.itami.lg.jp/material/files/group/77/2021hphyogo.pdf

例えば学校ではいじめなどを理由に不登校になることも多いです。しかし、不登校は「よくない」という固定観念から、不登校になることもできず人権が守られていない環境の中で我慢をし続けている人もいます。この人権標語は、「逃げていい」と言ってくれています。今いる場所が辛いならば、逃げていいというのは、大切な視点です。

「いやなこと 人はそれぞれ ちがうんだ」

https://www.city.takayama.lg.jp/kurashi/1000025/1000131/1001320.html

差別やハラスメントなど、人権が守られない状況が発生するのは、「相手がいやなこと」を想像できていないことが原因となることがあります。この人権標語にあるように、「いやなこと」は人それぞれ違うのに、自分が嫌ではないからと深く考えずに相手に接することで、知らず知らずのうちに不快な思いをさせていることがあるのです。人権を考えるときに、大切なキーワードは「想像力」です。

「広げよう 君のやさしさ 思いやり」

https://www.city.kinokawa.lg.jp/jinken/jinkenhyougo.html

シンプルな人権標語ではありますが、「思いやり」という言葉は、人権問題を考える際に大切な言葉です。思いやりというのは「ひとを気遣うこと」。やさしくしようというのは一歩間違えると一方的になることもあります。この人権標語のように、やさしさと思いやりを広げていこうというのは、簡単なようですが、難しいことです。

「みとめてよ僕の個性と僕の気持ち
 みとめてる君の個性と君の気持ち」

「ちがうけど どっちもいいね きみとぼく」

https://www.city.imabari.ehime.jp/jinken/jinkenhyogo/2021/
https://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0170-010kyoiku-shogai/files/2019zinnkennhyougo.pdf

この二つの人権標語は、自分のことと君のこと、どちらもいいねと言っています。
自分のことは認めてほしいけど、他の人のことはわからないとか、男女差別は許せないけど人種差別はわからないとか。自分にベクトルが向きすぎていると、人の個性や気持ちまでわからなくなることがあります。この人権標語のように、僕と君。両方に気持ちを向けていられると、生きやすくなるのだと思います。

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