日本代表チーム、2年連続でホームレス・ワールドカップへ参戦決定一一ダイバーシティサッカー協会

ホームレスワールドカップ 社会課題

NPO法人ダイバーシティサッカー協会は、2025年8月23日から30日までノルウェー・オスロで開催される「ホームレス・ワールドカップ2025」に、日本代表チームを派遣することを正式に発表しました。昨年のソウル大会以来、2年連続の出場となる今回、日本の社会的困難を抱える人々に新たな挑戦の場が与えられることになります。

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ホームレス・ワールドカップとは

── 一生に一度だけの参加チャンス
2003年に始まったホームレス・ワールドカップは、ホームレス状態の人々や難民など、社会的に排除されがちな人々がストリートサッカーを通して生きる力を取り戻す国際大会です。選手たちは「一生に一度だけ」参加できるこの場で、自信と誇りを手にします。

近年はNetflixで映画化されるなど注目を集めています。昨年のソウル大会には世界約38カ国から約450名が参加し、日本代表も13年ぶりに出場を果たしました。参加者からは「人生観が変わった」「国境を越えた交流ができた」という声が寄せられています。

・大会情報

主催:Homeless World Cup Foundation/The Salvation Army

日程:2025年8月23日〜30日

会場:オスロ庁舎前広場


日本代表の復活と継続出場への決意

日本は過去、2004年イェーテボリ、2009年ミラノ、2011年パリの3大会に出場しましたが、資金面などの事情により2012年から出場を見送っていました。その後、ダイバーシティサッカー協会が派遣事務局を担い、2024年ソウル大会への参戦を実現。LIFULL社のスポンサー支援もあり、13年ぶりに日本代表として再出場を果たしました。

今回の参戦は2年連続出場であり、選手・関係者にとって新たなステップです。協会は国内外での継続的な活動を通じ、「仲間はずれのない社会」の実現を目指す土台を拡げたいと語っています。


資金調達──クラウドファンディングの成功

大会派遣に向けて、同協会は2025年5月14日から6月30日にかけてReadyforにてクラウドファンディングを実施しました。当初の目標3,500,000円に対し、627人から集まった寄付総額は10,381,000円と大幅に超過達成しました。

代表理事の鈴木直文氏は、NPO法人化後初のクラウドファンディング成功に触れ、「これからの5年間は国内と海外派遣の両輪で活動を継続する重要な期間」と位置づけています。目標金額から450万円以上を超過した分は、国内外の広報活動、選手・スタッフ渡航費、国内拠点づくり、イベント開催などに活用する計画です。


今後の展望──支援者とのつながり

大会中は広報スタッフが帯同し、現地の模様をSNSでリアルタイム発信する予定。さらに、帰国後には活動報告会を予定しており、支援者や関係者と成果を共有。今後も国内での月一ペースのコミュニティ運営や研修会、バディ・ソシオ制度など、新たな居場所づくりに注力するとしています。


ダイバーシティサッカー協会の活動と理念

2017年設立の同協会は、ホームレスや若年無業者、ひきこもり、依存症、自殺傾向など、さまざまな困難を抱える人々に向け、スポーツや文化活動を通じた“居場所”の提供を続けています。前身は2008年の「野武士ジャパン」で、現在までに約1,500人が関わってきました。

協会のミッションは「スポーツを通してすべての人を包み込む社会をつくる」こと。ホームレス・ワールドカップを通じて得られる自己肯定感やつながりは、当事者たちのその後の人生における大きな支えとなります。


社会的意義と今後に向けたメッセージ

ホームレス・ワールドカップへの出場は、ただのスポーツの場ではありません。それは偏見の払拭、当事者の社会参画、そして人とのつながりを進める大切なステージです。日本代表の継続的出場は、社会全体へのメッセージでもあります。

同協会は「一生に一度」を「何度でも」に変えられるよう、多様な人々が挑戦し続ける場をつくっていく決意です。大会に向けては、練習会、ウェビナー、寄付キャンペーンなど、誰でも参加し応援できる機会も設けられます。

ノルウェー・オスロの舞台に立つ日本代表。彼らの姿を通じてつながりと希望の輪をさらに広げ、誰もが包まれる社会を目指す道筋がここにあります。

ダイバーシティサッカー協会 概要

団体概要

特定非営利活動法人ダイバーシティサッカー協会
(大阪事務所)〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場三丁目11番27号
(東京事務所)〒162-0811 東京都新宿区水道町4番28号 JC江戸川橋ビル2階 ビッグイシュー基金内

ダイバーシティサッカー協会
サッカーの場を通じて互いの違いを理解し、尊重し合える場づくりに取り組む

団体の理念・ビジョン・方針

ダイバーシティサッカー協会は、ホームレスの人や若年無業者、うつ病、LGBT、ひきこもり、依存症など何らかの社会的な困難を抱えた人々のために、サッカーをはじめとするスポーツや身体活動、芸術活動など、「好きなことを思い切り楽しむ」機会と「自分らしくいられる居場所」を創出し、それらをつなぎ、それによって「すべての人を包み込む社会」を実現していくことを目指します。

主な活動内容

ダイバーシティサッカー協会は、

  • スポーツや文化・芸術活動を通じた居場所づくり応援
  • ダイバーシティカップなどの国内大会
  • ホームレス・ワールドカップなどの海外大会への選手派遣
  • 調査・研究

の4つの事業を柱に、各種のプログラムやイベントの実施、報告書の発行などを行っています。

代表理事

鈴木 直文
スポーツを通じて社会的包摂を目指す研究を、英国のグラスゴー留学時代にスタート。セルティックで活躍する中村俊輔選手を追っかけながら、ラクロスでスコットランド代表として世界大会出場。サッカーもラクロスも大好き。2012年から野武士ジャパンを応援。スポーツを「遊び」に戻すことで「仲間外れ」を生まない社会を作りたい。一橋大学教授(スポーツ社会学)。