LINEヤフー株式会社と一般社団法人能登官民連携復興センターは、能登半島地震からの復興に向け、人材不足の解消を目的としたプラットフォーム「プロボ能登」を本格的に始動しました。NECやサイボウズをはじめとする企業7社が参加し、遠隔からの技術支援を展開します。第一弾では「のと復耕ラボ」と連携し、古材管理システムを構築。復興の担い手不足を補う新たな試みとして注目されています。
「プロボ能登」とは ― 被災地と企業をつなぐ仕組み
「プロボ能登」は、被災団体が抱える課題と、プロボノ活動として社会貢献を目指す企業人材をマッチングする取り組みです。プロボノとは、ビジネスで培った知識やスキルを活かして行うボランティア活動を指します。
能登半島では、豪雨災害や地震から時間が経過した今もなお、人材不足やノウハウの欠如が復興を妨げる大きな壁となっています。現地に長期滞在できる人材が限られるなか、都市部の企業がオンラインを通じて知見を提供する「遠隔支援」は、現場に負担をかけずに継続的な支援を可能にする仕組みです。
参画する企業と体制

今回の本格始動にあたり、加盟企業としてNEC、サイボウズ、合同会社グランドタック、いえしまコンシェルジュ、JINEN、リベロの6社が新たに参加。これまで支援を続けてきたLINEヤフーと合わせ、計7社が連携体制を構築しました。
各企業は、自社の得意分野を活かした支援を提供します。例えばITシステム設計、クラウド技術、情報発信、サービスデザインなど、幅広い知識と技術を持ち寄り、現地のニーズに即したプロジェクトを進めます。
第一弾プロジェクト ― のと復耕ラボ「のと古材レスキュープロジェクト」
「プロボ能登」の最初の取り組みは、地域団体「のと復耕ラボ」が推進する「のと古材レスキュープロジェクト」との連携です。
このプロジェクトは、地震で解体される古民家から歴史的価値や思い出の詰まった木材を回収し、テーブルやベンチなどにアップサイクルするものです。しかし、回収された古材は地域の各団体で分散管理されており、在庫の把握や流通が難しいという課題がありました。
そこで「プロボ能登」は、在庫管理システムの設計からツール導入、運用マニュアル作成までを一体的に支援。地域の人々が自ら持続的に管理できる仕組みを整えることで、資源の有効活用と復興の両立を目指します。
自動車学校や観光施設の支援へ
今後は、能登自動車学校のサイトリニューアルや、地域アクティビティ施設の情報発信支援など、複数のプロジェクトが予定されています。各案件はおおむね3カ月程度を想定し、加盟企業が順次連携して取り組みを進めます。
被災地と企業の新しい協働モデル
能登官民連携復興センターの藤沢烈センター長は、「プロボ能登は単なる支援ではなく、都市部の専門性と地域の知恵が交わり合い、新しい価値を創り出す場」と強調。参加企業に対し「地域との交流を通じて学びや気づきを得てほしい」と呼びかけました。
また、LINEヤフーの西田修一執行役員は、「現地の営みを止めない仕組みづくりが復興の第一歩」と述べ、遠隔支援を通じた人材循環の必要性を訴えました。
NPO視点での持続可能な復興支援の意義
NPOの立場から見ても、「プロボ能登」は注目すべき仕組みです。被災地支援は往々にして「初動の物的支援」に集中しがちですが、中長期的な復興期には「専門的な人材不足」が顕著になります。特に能登地域のように過疎化や高齢化が進む地域では、継続的な担い手が不足しており、都市部企業の知見をどう活用するかが鍵となります。
また、この枠組みは能登だけでなく、今後の全国的な災害復興モデルとして展開できる可能性もあります。企業にとっては社会貢献であると同時に、自社人材の育成や地域との共創につながる点で、CSR・CSV活動の進化系とも位置づけられるでしょう。
復興をともに支えるために
「プロボ能登」は、能登地域の復興をともに支えるパートナー企業を引き続き募集しています。企業としての参加はもちろん、個人でも現地の取り組みを知り、応援することができます。
▶ 詳細・参画方法はこちら:プロボ能登公式ページ
皆さん一人ひとりの関心や行動が、復興の歩みを後押しします。記事を読んで「関わってみたい」と思った方は、ぜひ公式サイトをのぞいてみてください。
能登の復興を支える「プロボ能登」は、被災地の課題解決に企業人材を遠隔でつなぐ新たなモデルとして始動しました。第一弾の古材管理システム構築に続き、教育や観光など地域の幅広い分野での支援が計画されています。
支援を必要とする現場と、それに応えたい企業人材をつなぐ仕組みは、被災地だけでなく地域づくり全般にも波及しうる取り組みです。今後の展開と成果に注目が集まります。


