バリアフリー映画とは?目が見えなくても映画を楽しむ

バリアフリー映画とは社会課題

障害のある人とない人を区別することが、バリア。障害のある人もない人も一緒に楽しむことができるのが、バリアフリー映画だ。

映画を見ることが困難とされる目が不自由な人でも、音声ガイドがあれば、映像を想像して楽しめる。耳が不自由でも、字幕や手話があれば楽しめる。

バリアフリー映画上映会レポート

「ラジオから流れる2種類の音声で、バリアフリー映画を楽しんでください」

バリアフリー映画上映会主催者から最初にアナウンスがあった。12月に開かれたバリアフリー映画には、盲導犬を共にする人、杖を持つ人など、視覚障害がある人などが約30人。全体で約100人が集まった。

映画を見ることが困難とされる目が不自由な人でも、音声ガイドから映像を想像できる。障害のある人も、ない人も一緒に楽しめるのがバリアフリー映画だ。

この日放映された作品は『3人のゴースト』。名作『クリスマス・キャロル』を、現代のニューヨークに置き換えたコメディ作品だ。

映画が始まるとイヤホンから音声ガイドが流れ始める。

「庭先には特大のツリー」、「空から光るものが降ってくる」、「小人たちも棚から機関銃を取り出す」、「後ずさるサンタたち」。

スクリーンに映る映像を、端的な言葉で伝えてくれる。台詞が始まるとイヤホンからは吹き替えが聞こえてくる。吹き替えの声と音声ガイドが、絶妙なタイミングで混ざり合い、映画の情報を伝えてくれる。

実際に目を閉じてみると、効果音やBGM、俳優の台詞(英語)、音声ガイド、吹き替え(日本語)と、4種類の音が同時複合的に絡み合い、臨場感のある映像が浮かんでくる。視覚に頼らないことで分かることは、音からの情報でも情景を目に浮かべることができるということ。それから、普段目に頼っているからか、複数の音に集中すると疲れてしまうこと。視覚障害がある人は音を処理する能力が優れているのだろう。

バリアフリー映画主催者は大学生たち

このバリアフリー映画は大学生が主体となって作り上げていることも興味深い。ラジオから流れる音声ガイドや吹き替えも学生たちが何度も、何度も映画を見返して収録したものだという。音声の質は極めて高い。知らなければ学生が作ったとは思えない。1年前から準備を始めたという。

映画以外のサービスも、バリアフリー映画祭らしく、駅までの出迎えや、盲導犬のトイレについてのアナウンスもあった。

大学の中でバリアフリー映画を企画することには、2つの役割があるだろう。大学周辺の地域の人たちに楽しんでもらうという意味合いが一つ。もう一つは、学生の学びのためだ。障害のことを知ることや理解することは、社会に出る前の学生にとっては貴重な経験になる。これからの時代、多様な価値観をもつことはとても大切なことだ。バリアフリー映画上映会を見て、企画をすることで、価値観のバリアもなくなっていくだろう。

どこの大学でも同じような企画をすることは難しいかもしれないが、地域に根ざした大学ならば、地域の障害がある人が楽しめるようにバリアフリー映画を企画してみるのも良いだろう。今後、バリアフリー映画上映会が増えていくことに期待したい。