日本パブリックリレーションズ協会「PR業実態調査」PR業界、危機管理需要が急伸 生成AI活用も課題に

“PR業”実態調査 PR TOPICS

公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)は、2024年度の「PR業実態調査」の結果を発表。

今回の調査では、情報収集や効果測定といった“インテリジェンス活動”やリアルイベントの需要が大幅に伸び、今後は危機管理関連業務のニーズが増えると予想されています。一方、SDGs、DE&I、CSR関連業務のニーズは減少傾向にあります。

調査は2025年3月、会員197社と非会員24社の計221社を対象に郵送で実施し、62社が回答(有効回収率28.1%)。回答企業のうち、従業員数が19人以下の小規模企業が55%を占め、女性の管理職比率は44%と前回調査(37%)から上昇しています。

【解説】広報担当者が押さえておくべきポイント

・情報収集と効果測定は“必須スキル”です。
SNSやオンラインメディアの影響が強まる中、感覚や経験だけではなく、データに基づく戦略立案が必要です。低コストツールの導入・運用が差別化につながります。

・リアルイベントの価値が回復しています。
コロナ禍で減った対面イベントが復活しています。メディアやステークホルダーとの信頼構築に有効で、テーマや演出の工夫によって高い効果を狙えます。

・危機管理広報の準備は後回しにしないことが重要です。
炎上・災害・不祥事への備えとして、危機対応マニュアルやメディアトレーニングを早期に整備する必要があります。

・生成AIは“使い方次第”で武器になります。
リリース草案やアイデア出し、情報要約などに活用できますが、精度と倫理面の管理が求められます。社内ルールの策定を行ったうえで安全に導入しましょう。

・他社との連携で新たなチャンスが広がります。
人員・スキル不足を補い、大型案件や新サービス展開を可能にします。外部パートナーとの協業を積極的に模索することが有効です。

伸びた業務は情報収集とリアルイベント

取り扱い業務の上位は「パブリシティ企画・実施」(82%)、「リアルでの記者発表会・イベント」(81%)などでした。特に伸び率が高かったのは「情報収集・分析」(+12%)や「広報・PR効果測定」(+10%)などのインテリジェンス系業務で、リアルイベントも復調傾向が見られました。

一方、今後のニーズが増える業務としては「動画制作・プロモーション」(55%)や「インフルエンサー活用」(55%)が上位に並び、「リスクコンサルティング/クライシスコンサルティング」は+12%と大きく伸びました。これに対し、SDGsやDE&I、CSRなど社会課題関連業務は大幅に減少し、トップ10から外れました。

新たな課題は生成AIと業務連携

業務上の重点課題では「人材育成・確保」(68%)と「新しいPR手法の開発」(63%)が引き続き上位を占めましたが、今回初めて「生成AIの活用」(48%)が3位に入りました。また「他のPR会社や協力会社との業務提携」(42%)も伸びており、業務の多様化や複雑化への対応が求められています。

経営課題では「売上拡大」(66%)、「社員のモチベーションアップ」(50%)に続き、「他社との提携」(47%)が急増しました。小規模事業者が多いPR業界では、連携や再編による競争力強化の動きが進む可能性があります。

日本パブリックリレーションズ協会 概要

日本パブリックリレーションズ協会は、1980年に設立された広報・PRの専門団体で、約800人の会員を擁しています。研修やセミナー、資格認定制度「PRプランナー」などを通じて業界の発展に寄与しています。