公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)が主催する「PRアワード」は、広報・PRを通じて社会と共創し、ビジネスと社会に影響を与えた優れたパブリックリレーションズ事例を表彰する制度です。
今年は25回目の節目を迎え、名称を「PRアワードグランプリ」から「PRアワード」に刷新。
エントリー受付が2025年8月20日から開始。最終締め切りは10月15日ですが、今年は早期割引もあるため、応募を検討している広報担当者は早めにチェックしましょう。
PRアワードは、企業の広報担当者にとっては、対外的な評価を得る数少ない機会です。しっかりと準備をして応募してください。本記事では、エントリー概要から審査基準・審査員体制、過去の受賞事例などについて解説します。
PRアワードとは
PRアワードは、1961年に始まった「PR活動顕彰」を前身とし、2001年に「PRアワードグランプリ」としてリブランディングされました。今年でちょうど25回目を迎える節目の年に当たります。日本パブリックリレーションズ協会は、今年から「PRアワード」として名称を改め、プログラムの刷新とブランド再構築を図っています。
PRアワードの目的は以下のとおりです。
- 日本のコミュニケーション技術の質的向上
- 広報人材の育成
- パブリックリレーションズへの理解促進
PRアワード応募に向けて
広報担当者はまず、応募概要をチェックするとともに、審査基準や審査員、過去の受賞事例も注目しておきましょう。
審査員は広報PRの専門家だけではなく、学術、メディアなど様々な顔ぶれとなります。多角的な視点での審査となることを意識して、幅広い施策を意識しましょう。
また、PRアワードの趣旨に合致する「社会との共創」かどうか、過去の受賞事例も参考に、自社の施策をしっかりと振り返ることが重要です。
エントリー概要とスケジュール
エントリーは以下の流れで行われます。最新の情報は日本パブリックリレーションズ協会のウェブサイトを必ずチェックしてください。
- 受付開始:2025年8月20日(水)
- 早期エントリー締切:9月15日(月)※申込分はエントリー料が通常の半額未満
- 最終エントリー締切:10月15日(水)17:00必着
- 対象者:一般企業・団体の広報部門やPR会社が実施した、社会との共創を通じたPublic Relations活動
応募に必要な書類は以下の通りです。
- エントリーシート(1ページ、Word形式、2MB以内)
- 補足資料としてプレゼンボード1枚を追加可能(任意)
エビデンス資料の提示を求められる場合もあるため、数値データやメディア掲載記録を事前に整理しておくことが推奨されています。
審査基準・多彩な審査団
審査基準と表彰カテゴリー
PRアワード2025の審査評価項目は以下の4つとなります。
- Strategy & Research:課題設定と計画性
- Idea:独創性・革新性
- Execution:実行力や完成度
- Impact & Results:行動変化や事業・社会への影響
受賞区分は、グランプリ・ゴールド・シルバー・ブロンズの各賞が設けられています。それぞれの観点で優れた成果が認められた事例が広く表彰されます。
審査委員長はシナジア代表取締役の田上智子氏
審査委員長には株式会社シナジア代表取締役の田上智子氏が就任しました。
田上氏はP&Gや刀、資生堂を経て、シナジアを創業。カンヌライオンズ2024 PR部門の日本代表審査員を務めた経験のあるPRの専門家です。「PRは、社会と企業の関係性そのものをつくる力。共感、行動、そして成果を生むストーリーが、ビジネスと社会の未来をつくる。創造性と戦略性を兼ね備えたPR活動に出会いたい」と語っています。
新卒でP&G日本法人に入社、日本・シンガポールオフィスにて、ブランドマーケティング、ブランド PR、企業広報を担当。その後、(株)刀での経営コンサルティング経験を経て、(株)資生堂 チーフコーポレートコミュニケーションオフィサーに就任。24年9月 社会発想で事業成長をもたらすマーケティングコンサルティング会社、(株)シナジアを創業。
カンヌライオンズ 2024 PR 部門 日本代表審査員
2019~21、24 年~ PR アワードグランプリ審査委員
多彩な審査団構成
審査団は、広報PRのプロフェッショナルだけでなく、学識経験者やジャーナリストが選ばれています。広報PRの最高峰のPRアワードとして、多角的な視点で評価を行われます。
審査委員(50音順):
- 植野 友生氏(味の素 食品事業本部 マーケティングデザインセンターコミュニケーションデザイン部 コミュニケーション戦略グループ PRチーム長)
- 木村 友輔氏(博報堂 PR局PRプラニング1部 部長 / チーフPRディレクター)
- 国枝 智樹氏(上智大学 文学部新聞学科・准教授)
- 小林 正史氏(プラップジャパン 戦略企画部 部長/Group Planning Director)
- 竹下 隆一郎氏(TBSテレビ 特任執行役員 Cross Dig with Bloomberg チーフコンテンツオフィサー)
- 河 炅珍氏(國學院大学 観光まちづくり学部 観光まちづくり学科 准教授)
- 橋本 良輔氏(電通PRコンサルティング 統合コミュニケーション局 次長)
- 南部 かおり氏(シック・ジャパン マーケティング本部 コミュニケーション部長)
- 横田 和明氏(井之上パブリックリレーションズグループ 株式会社日本パブリックリレーションズ研究所 取締役副社長)
過去受賞事例から学ぶ

PRアワードグランプリ2024の受賞一覧
2024年の審査委員長コメントでは、「パーパス(社会的存在意義)」はあるか?、「自分(たち)らしさ」が感じられるか?、「巻き込む力」は発揮されたか?という3つの視点について語られていました。
以下の受賞一覧をチェックして、PRアワード2025のエントリー内容の参考にしてみてください。
- <グランプリ>
- 株式会社マイナビ
「アルバイトの立ちっぱなし問題解決を目指す『座ってイイッスPROJECT』」 - <ゴールド>
- 株式会社島田電機製作所
「無名だったBtoBのニッチな下請け町工場を、毎月2000人以上が殺到する人気企業に変えた“ファンづくり活動”」 - <シルバー>
- ヤマハ 株式会社
情熱があれば、だれでも音楽家。「だれでも第九」プロジェクト - 株式会社 フンドーダイ
海外評判で透明醤油に再注目をつくる「透明醤油 市場浸透プロジェクト」 - 株式会社 メルカリ
メルカリで出会えるもので作った「ウチの実家」 - エスエス製薬 株式会社
睡眠計量e-SPORTS CUP「SLEEP FIGHTER」 - 株式会社 ドワンゴ
「池袋ハロウィンコスプレフェス」10年にわたる地域とのコミュニケーションが築いた“聖地” - 一般社団法人 あすには
選択的夫婦別姓を企業や生活者と考える 「Think Name Project」 - 株式会社 ドン・キホーテ
世界そして未来へ。「ドン・キホーテ」の根強いネガティブイメージを変革する5年間のブランディング活動
PRアワードを、広報活動の学びと振り返りの機会に
大手企業も参加する広報PRの最高峰を決めるPRアワード2025で受賞することは決して簡単ではありません。しかし、広報担当者にとって受賞することだけが全てではないです。
広報やPR活動が社会へ与えるインパクトを再評価する機会であり、エントリー準備を通じて施策の棚卸しをするタイミングともなります。
他社の取り組みを幅広く知る機会にもなり、広報・PRの実務者にとって、単なる表彰の枠を超えた学びと振り返りの場になるでしょう。


