オールドメディア(レガシーメディア)、ニューメディア、マスメディア、どれもメディアを総称する言葉です。
新聞、テレビ、雑誌、ラジオといった古くからあるメディアに対して、今では様々なメディアが登場しており、「メディア」という言葉自体の意味が広がってきています。
オールドメディアを始めとした言葉の定義や、それぞれの総称との違いについて解説します。
オールドメディアの定義とは?
「オールドメディア」とは、インターネットが普及する以前から存在する伝統的なメディアや報道機関の総称。主に新聞・テレビ・ラジオ・雑誌を指します。
インターネットが広がり、新たに登場したウェブメディアのニュースサイトなどを「ニューメディア」と称して、対比として使われています。オールドメディアと同じ文脈で使われる「レガシーメディア」という言葉もあります。
また、「マスメディア」という言葉もありますが、オールドメディアとは厳密には言葉の定義が異なります。
オールドメディアとニューメディアの違いは
まずは、オールドメディアとニューメディアの違いについて解説していきます。
ニューメディアとは
「ニューメディア」とは、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌に替わるインターネットを基盤とした新しいメディアを指します。
具体的には、以下のようなメディアを指すことが多いです。新しいメディアはどんどん増えてきているため、ニューメディアの範囲は常に広がっています。
- ウェブメディア
- SNS(ソーシャルメディア)
- ブログ
- 動画共有サイト(YouTubeなど)
- 音声コンテンツ(Podcastなど)
オールドメディアとニューメディアの3つの特徴の違い
新聞・テレビ・ラジオ・雑誌のオールドメディアと、ニューメディアを比べるときに、特徴の違いがあげられます。
・情報発信の方向性
新聞やテレビの場合、メディア側(発信者)が情報を送り、読者や視聴者(受信者)が受け取るというように、一方向の情報の流れが基本となります。
これに対して、ニューメディアの場合、発信する側と受け取る側がコミュニケーションを取ることができるという特徴があります。例えば、ウェブメディアにおいては、コメントを通じて意見を伝えることができたり、読者がそのニュースを共有して自ら発信側になることも可能です。
・情報発信の即時性
ニューメディアは、リアルタイムで情報を発信できるため、目の前で起こった出来事を文章一行・写真一枚でも即座にインターネットを通じて世界中に伝えることができます。そのため、災害や事故といったタイムリーな情報を速報として伝えることが可能です。
オールドメディアもテレビやラジオでは速報性が高く、LIVEの貴重な情報源となっています。一方で、新聞・雑誌は即時性が低く、紙媒体として手元に届く頃には、新しい情報が出てきてしまいます。ただし、新聞でもデジタル版が出てきているため、この点は解消されつつあります。
・情報発信の質と量
オールドメディアは、紙面の枠、番組の枠が決まっているため、発信できる量が限られています。一方、ニューメディアは記事の本数や分量、画像の枚数、動画の長さも限りがありません。大量の情報を即座に発信できるメリットもありますが、現代社会の情報過多の課題にもなっています。
情報の質という点では、オールドメディアは公開までに厳格な編集・審査プロセスあり、記者や編集者といったメディアのプロフェッショナルが発信するため、信頼性の高い情報とされています。ニューメディアは、厳格な編集・審査プロセスを経ずに公開される情報も多いため、ときに間違った情報が広がってしまうリスクもあります。
オールドメディアとマスメディアの違い
マスメディアの定義とは
「マスメディア」とは、不特定多数の大衆(マス)に対して情報を伝達する媒体を指す言葉です。
マスメディアのマスは英語でいう「mass」、大量・大衆という意味の言葉です。大衆に届けるメディアをマスメディアと呼びます。
その中でも代表的な4つのマスメディア(新聞、テレビ、ラジオ、雑誌)を4大マスメディア、略して「4マス」と呼ぶこともあります。ただ、4大と言わなくても、一般的にマスメディアといえば新聞、テレビ、ラジオ、雑誌を指して使うことが多いです。
そのため、オールドメディアと混在してしまうことがあるのですが、ここまで説明した通り、言葉の定義が異なるので注意して使ってください。
オールドメディアとマスメディアの違いをまとめると以下となります。
- 定義と範囲:
- 「マスメディア」は、不特定多数に情報を伝えるメディア全般を指す、より広範で中立的な概念です。伝統的な新聞、テレビ、ラジオ、雑誌がこれに該当します。
- 「オールドメディア」は、基本的にはマスメディアの中でも特にインターネット以前から存在する伝統的な媒体(新聞、テレビ、ラジオ、雑誌)を指します。
- 使われる文脈と意味合い:
- 「マスメディア」は、情報の伝達手段としての役割を説明する際に使われる、比較的客観的で学術的な表現です。
- 「オールドメディア」は、主に「ニューメディア」(インターネット技術を基盤としたウェブサイト、SNS、ブログ、動画共有サイトなど) との対比で使われます。
- 特に最近では、「オールドメディア」という言葉は、情報の即時性の欠如や偏向報道の疑念など から、批判的、あるいは揶揄的な意味合いで使われることが多くなっています。これは、インターネット世代の目線から、新聞やテレビが「時代遅れの価値観」を持つと見なされることが多いためです。
「オールドメディア」の意味合いの変化
オールドメディアという言葉自体は、ニューメディアの対比として以前から使われていました。
「若者のテレビ離れ」や「新聞購読者の減少」、「雑誌の廃刊」などニューメディアの台頭によるネガティブな捉え方もありますが、一方でニューメディアに対しても以下のような点が問題視されています。
- フェイクニュースの拡散
- 情報の信頼性の低さ
- プライバシーの侵害やネット上での誹謗中傷
このように、オールドメディアという言葉は、ニューメディアとの対比でも良し悪しがあり、さほどネガティブな使われ方はしていませんでした。
2024年の選挙報道以降のオールドメディアという言葉
オールドメディアという言葉の潮目が変わったのが、2024年の兵庫県知事選からです。
オールドメディア批判に繋がった経緯
- テレビや新聞は、選挙期間中、斎藤元彦氏に対して、告発文書問題を巡る批判的な報道を連日行った。
- 斎藤氏はSNSを積極的に活用し、直接有権者に訴えかけたことで、支持を強める動きが出てきた。
- 結果として、オールドメディアが報じる内容とSNSの情報でズレが生じた。
- 斎藤氏が再選を果たしたことで、「SNSの勝利・オールドメディアの敗北」という論調が広がった。
実際に、TBSのアナウンサーが以下のようなコメントも出しています。
「テレビメディアに対する批判も十分に自覚しているつもりです」「皆さんがテレビに物足りなさを感じている。SNSに比べて…などなど、意見あると思います」
安住紳一郎アナ、のべ3分間“異例”の長文コメント 兵庫県知事選で持論『SNSに比べ、テレビに物足りなさ感じている』:中日スポーツ・東京中日スポーツTBSの安住紳一郎アナウンサー(51)が18日、同局系朝の情報番組「THE TIME,」にスタジオ生出演。17日に行われた兵庫県知事選...
オールドメディアの現状と課題
オールドメディア離れは進んでいる
2024年の選挙報道によるオールドメディアへの批判がなかったとしても、人々の情報を得る手段が多様化する中、オールドメディア離れは現在も進んでいる現象です。
・読者・視聴者数の減少
新聞、テレビ、ラジオ、雑誌といったオールドメディアは、デジタル化とインターネットの普及によって読者や視聴者数が減少していると指摘されています。特に、若年層の間でオールドメディアの利用が減少しており、「若者のテレビ離れ」という言葉がよく聞かれる現状があります。
・ニューメディアへの移行
現代はオールドメディアからニューメディアへの移行が進んでいます。かつて新聞やテレビから情報を得ていた人々が、現在ではFacebookやX(旧Twitter)などのプラットフォームを通じて情報を得るようになっています。ニューメディアは情報の即時性が高く、ユーザーが能動的に情報交換できる双方向性を特徴としています。
・不信感の増大と批判
2024年にはオールドメディアに対する不信が噴出し、特にテレビに対して「オールドメディア」という揶揄の言葉が飛び交いました。東京都知事選や兵庫県知事選などを機に、新聞やテレビなどオールドメディアへの批判が高まりました。この批判の核心は、メディアが「都合が良い部分」のみを切り取っているという人々の疑念にあると指摘されています。また、オールドメディアが「偏向しているのではないか」という疑念も多くの人が抱いています。
・「時代遅れの価値観」としての認識
インターネット世代の目線から見ると、オールドメディアは**「時代遅れの価値感」という差別的な意味合いを込めて用いられることが多い**とされています。批判的な文脈では、「マスゴミ」とほぼ同じ意味で使われることもあります。
・体制の維持と信頼性の低下
日本のマスメディアは、インターネットで指摘されてきた古い体制を維持しようと、露骨な「報道しない自由」などを乱用し、「欲しい情報」が報道されるケースがほとんど消滅したという指摘もあります。前科や裁判を抱える人物をニュース番組に起用するなど、手段を選ばなくなった結果、自ら信頼性を損ねているとも言われています。
こうした要因によって、じわじわとオールドメディア離れは進んでいます。しかし、オールドメディア側もオンラインメディアに注力したり、SNSを活用したりと新しい時代に適応している面もあり、オールドメディアの中のニューメディアという融合が見られています。
オールドメディアの未来
いま、ニューメディアと位置付けているものも細分化すれば新しいもの・古いものがあります。
SNSも次々と新しいものが出てくる中、情報の多様化はこれからもさらに広がっていくでしょう。
そんな中で、鍵となってくるのが「情報の信頼性」です。
生成AIがますます拡大することで、「フェイクニュース」など間違った情報、嘘の情報が世の中に溢れかえっていきます。オールドメディアはこれまでも強みとしていたのが裏付け取材や事実確認を重視する姿勢です。これによって「情報の信頼性」を担保し、正確な情報を丁寧に発信続けることが求められている役割です。
信頼できるメディアとして選ばれたメディアがこれから生き残る時代になっていくでしょう。


