広告は「関係構築」の時代へ──『広告白書2025-26年版』が示す広告と生活者の新しい関係性

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日経広告研究所が『広告白書2025-26年版』を発売。デジタル社会の進展により、広告は「接点設計」から「関係設計」へ。 広告が経営戦略の中核として再定義される中、企業と生活者の信頼関係づくりを支える知見をまとめた。

『広告白書2025-26年版』の構成と特徴

  • 広告の役割と構造変化の分析
  • 広告コミュニケーション手法と組織改革
  • 主要メディア(インターネット・テレビ・新聞・雑誌)の現状
  • クリエイティブの潮流と広告賞動向
  • 広告研究・広告法規・関連データ

実務担当者、経営層、研究者など、広告・広報・マーケティングに携わる幅広い層にとって、 「広告戦略の羅針盤」となる一冊だ。 ※掲載内容は2025年9月発表時点の情報に基づく。

広告を「経営戦略の中核」として再定義

日本経済新聞社グループの日経広告研究所は2025年9月19日、『広告白書2025-26年版』(A4判255ページ、定価5,500円、ISBN:978-4-296-12374-2)を全国の書店およびオンライン書店で発売した。 本書は、デジタル化と生活者の情報選択行動の変化を背景に、広告を単なる情報伝達ではなく、 「企業と生活者の関係を築く経営機能」として捉え直している。 最新の調査データと実例をもとに、広告の進化と構造的変化を体系的に整理している。

広告は「接点設計」から「関係設計」へ

情報があふれる時代において、広告は単なる“接点づくり”から“関係づくり”へと進化している。 本書では、企業と生活者がともに「場」を形成し、信頼を構築する関係性デザインの重要性を指摘。 一方的な発信から双方向の対話へ、広告のあり方が再定義されていることを示す。

部門を超えた統合型コミュニケーションへ

広告・広報・販促・SNSなどの境界が薄れ、統合型コミュニケーションが新たな常識となりつつある。 広告部門は経営企画や営業、商品開発と連携し、生活者を中心に据えたブランド体験を設計。 書中では、こうした「全社連携型の広告・広報体制」の事例が紹介されている。

広告は経営課題と直結する活動へ

広告は販促の枠を超え、経営戦略の推進役として位置づけられている。 KPI設計や人材育成、説明責任など、広告部門が抱える実務課題が高度化。 日経広告研究所は「広告は企業の理念と社会の信頼をつなぐ経営装置」であると述べている。

SNSと自社メディアが生活者の判断軸に

自社SNSやWebサイト、YouTubeなどの発信は、もはや広告の一部として機能している。 インフルエンサーとの協働も進み、生活者が自然に情報に触れる「接触環境設計」が重視されている。 広報・広告の連動が、企業の信頼形成を支える鍵となっている。

ファンと共にブランドを育てる「共創」の潮流

ファンやユーザーが自ら発信するコンテンツがブランド価値を高める「ファンダムマーケティング」。 本書では、生活者が主体的に参加することで、企業が共に価値をつくり上げる時代に移行していると分析する。 広告は、企業発信から「共創の場」へと変わりつつある。

メディアの再定義──テレビ・新聞の存在感

見逃し配信やコネクテッドTVの普及により、テレビは「共体験メディア」として再評価されている。 一方、新聞は信頼の起点として、報道と広告を組み合わせる戦略PRが注目を集める。 メディアの特性を組み合わせる「拡散構造設計」が新しい広告戦略として定着している。

KPIは「生活者の心の動き」を測る指標へ

広告の評価軸はリーチ数やクリック率といった量的指標から、 「好意形成」「ブランド想起」「信頼度」など質的な評価へと移行している。 広告担当者には、数値と感情の両面を捉える洞察力が求められている。

まとめ──広告は「社会との対話」の手段へ

日経広告研究所は、広告を「生活者と企業が共に価値をつくる仕組み」として位置づける。 広告の本質を「信頼と共創」に見いだす姿勢は、今後の広報・広告戦略を方向づけるものだ。 『広告白書2025-26年版』は、広告の未来を考えるための必読書といえる。