毎年9月10日〜16日は「自殺予防週間」です。日本では15〜39歳の死因第1位が自殺であり、特に若年層の自殺は社会全体に深刻な影響を与えています。
こうした状況の中、NPO法人Light Ring.は、悩みを抱える若者の身近にいる「支え手」に光を当て、自殺予防の新しいモデルを築いてきました。これまでに延べ32,800人が「寄り添い、つなぐ力」を学び、命を守る活動が全国に広がっています。
自殺予防週間と若者の現状
「自殺予防週間」は、厚生労働省を中心に全国で啓発活動が行われる期間です。2024年には小・中・高生の自殺者数が529人と過去最多を記録。10代から30代の死因第1位が自殺という現実は、社会が直面する最も深刻な課題の一つとなっています。
背景には「相談できる人がいない」という孤立の問題があります。
内閣官房の孤独・孤立の実態把握に関する全国調査では、10〜20代の約3人に1人が「相談できる人がいない」と回答しており、SNSや人間関係の希薄化が孤独感を増幅させています。こうした「見えない孤立」が、若者の心を追い詰める大きな要因となっています。
「支え手」による日常的な予防
Light Ring.の取り組みは、専門家や医療機関に頼る支援だけではなく、日常生活の中で寄り添う存在に着目しています。友人や同級生といった「支え手」が最初に変化に気づき、声をかけることで孤立を防ぎ、早期に支援へとつなぐ役割を担います。
同団体は、自殺予防の「0次・1次予防」に力を注ぎ、「最初の気づき」と「最初のひと声」が社会に広がることを目指しています。
32,800人が参加した支え手育成
これまでに全国で延べ32,800人がLight Ring.の講座に参加しており、その約7割が10〜20代の若者です。参加者は、悩みを抱える人への寄り添い方や、相談窓口や医療機関への「つなぎ手」としての役割を実践的に学んでいます。
Light Ring.は「悩んでいる人のそばにいるのは、あなたかもしれない。その気づきと行動が命をつなぐ大きな力になる」と語ります。
支え手支援を社会に根づかせる
Light Ring.は自治体や教育機関、民間企業との連携を強め、学校や地域でプログラムを展開。支援は特別な人のものではなく「日常にある文化」として根づかせる取り組みを続けています。
専門職だけに頼るのではなく、日常の中での気づきと声かけが命を救う力となる。「支え手」の取り組みは、社会に新しい視点を提示しています。
32,800人の若者がすでに学んだ「支える力」をさらに広げることで、孤立する人を減らし、誰もが安心して生きられる社会に近づくことが期待されます。
イベント:若者の自殺予防ゲートキーパー実践セミナー
若者の自殺予防ゲートキーパー実践セミナー
- 日時:2025年9月13日(土)14:00〜15:30
- 会場:Light Ring.オフィス(東京都・半蔵門)+オンライン(ハイブリッド形式)
- テーマ:「支え手・ゲートキーパーのよくある悩み事をケアするための実践セッション」
- 内容:
- 「専門機関へのつなぎ方」をテーマに専門職との対話や実践的セッション
- 全国で展開される「ゲートキーパー支援」の体験
団体名:特定非営利活動法人Light Ring.
所在地:〒102-0075 東京都千代田区三番町7-16 三番町ビル6階
代表理事:石井 綾華
設立:22010年1月1日
事業内容:子ども若者の自殺対策・孤独孤立対策に関する相談・支援活動、ゲートキーパー育成・支援事業、調査研究 等
公式サイト:https://lightring.or.jp/


