東日本大震災の後、陸前高田で津波到達点に10mおきに桜を植える活動をしているNPO法人桜ライン311という団体がある。桜ライン311は、悔しいという気持ちで集まった人たちが立ち上げた。災害を防ぐことができないけれど、被害を減らすことはできる。3月11日は、それができなかった悔しさがある。
桜ライン311のドキュメンタリー映画「あの街に桜が咲けば」
ドキュメンタリー映画「あの街に桜が咲けば」は、2年に渡り取材をした桜ライン311の活動や陸前高田の人々のインタビュー映像から構成される。悲しさを伝えるのではなく、これからどう生きればいいかというメッセージを発信してくれる映画だ。
映画では、「あの日の悔しさを忘れない」という人の言葉が印象的だった。あのとき自分にもっと何か出来ていたら大切な人を亡くさなかったのに、石碑にはここまで津波がくるって記されていたのに、救える命があったのに、過去の被災者が伝えていた震災時の教訓があったのに。
東北の人の悔しさを心の深くに感じ、自分の周りの大切な人たちが同じ想いをしないためには、どうすればいいかを考えさせられた。
陸前高田の津波到達地点に桜を植えている活動は、後世に記録と記憶を遺すため、そして被災者となって悔しい思いをする人がもう生まれてほしくない、そんな想いで続けられている。
「あの街に桜が咲けば」は、2016年3月21日の東京都多摩市での上映がラスト上映会となった。震災から時がたつにつれて震災のことを遠くに感じている人も多いだろう。
防災ドキュメンタリー映画『あの街に桜が咲けば』公式サイト
http://anosaku.ifdef.jp/
桜ライン311 とは
■団体名:特定非営利活動法人 桜ライン311
■設立:2011年10月16日
■所在地:岩手県陸前高田市高田町字大隅93-1高田大隅つどいの丘商店街9号
■TEL:0192-47-3399 FAX:0192-47-3399
■ウェブサイト:http://www.sakura-line311.org/