視覚障害者へのガイドヘルプの方法

視覚障害者ガイドヘルプ ボランティア

ガイドヘルプとは、一人では外出できない視覚障害者に付き添って歩行の介助や誘導をする活動のことです。ガイドヘルプをする人のことをガイドヘルパー(移動介護従業者)と呼びます。

ガイドヘルパーとは障害がある人の外出を支援する制度です。ガイドヘルパーの資格もあります。以下の記事で実際のガイドヘルパーの取材した記事を掲載しています。
ガイドヘルパーとは?資格がある?「障害者も安心して町に出られる社会に」

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歩く時の基本姿勢

視覚障害者が右手に白杖を持っているとき、ガイドヘルパーは視覚障害者の左側に立ちます。視覚障害者にガイドヘルパーの右腕の「ひじ」の上あたりの衣服を握ってもらいます。肩でもいいですが身長差がある場合歩きづらかったり、手が離れやすいので「ひじ」を貸すことが多いです。相手に合わせてどこが歩きやすいか聞いてみてください。ガイドヘルパーが視覚障害者の衣服を引っ張ったり、背中を押すような姿勢は危険ですのでやめましょう。

歩くときのポイント

ガイドヘルパーが半歩前を歩きます。ポイントは、視覚障害者の歩調に合わせることも大事ですが、ゆっくり歩きすぎると逆に不安を与えてしまうこともあるので、自然なリズムで歩くことです。視覚障害者はひじの動きで向きや段差などの情報を得ることができます。そのため、視覚障害者に話しかけるときにも向きを変えないように注意してください。ひじが動いてしまうと、それに合わせて向きを変えてしまい危ないです。

階段やドアがあったら

階段があるときには声をかけます。このとき上りか下りかを伝えることが重要です。階段の高さが一定でないときには伝えてください。それから最後の段のときも声をかけることで、つまづく危険がなくなります。

ドアがあるときも、ドアを通るだけだはなく、引くのか押すのかなどどういう動きのドアかを伝えることで安全に通過できます。

最後に、ガイドヘルプではあまり気負いすぎず、景色や街、人の様子の話をして、楽しみながら進んでください。

ガイドヘルプの前に知っておきたい障害者の「合理的配慮」の考え方

障害者の日常生活での「合理的配慮」はどう考えればよいのか。

東京にあるNPO団体スタッフは「誰かが無理をして、誰かに合わせることではなく、誰もが暮らしやすくなるための、その人に合わせた心配り。ですから、正解はもちろん一つではありません」と話した。

障害者差別解消法が2016年4月に施行され、学校や企業などの事業者に、「障害を理由とする不当な差別的取り扱い禁止」と、「合理的配慮の提供義務」が課された。

義務化によって、対策をとるところも増えてきてはいるが、依然として車いすや盲導犬連れの人がレストランへの入店を断れるなどの事態は少なくない。

合理的配慮は障害者だけのことなのか

ガイドヘルプで街中に出かけると日常生活のさまざまなハードルが浮かび上がってくる。

例えば、電車に乗るとき、切符はガイドヘルパーが買う。もちろん、できることは障害者自身がやるのだが、電車は乗り換えが複雑で、売り場のタッチパネルの操作も難しい。手帳で子ども料金になるところもあり操作がさらに複雑になるので、ガイドヘルパーがチケットを買うことが多い。

ただ、電車のチケットは、障害のある人に限らず、外国人や電車に乗り慣れていない旅行者にも分かりづらい。切符売り場で困っている人を見かけたことがある人も多いだろう。

スマホの乗り換え検索機能は進化しているが、スマホをもっていない人たちには複雑だ。外出するハードルとなってしまっている。

レストランでも文字だけのメニューだと分からないので注文ができない。ファミレスのようなイラストつきのメニューであれば注文できるという。

「合理的配慮とは障害者に限ったことではない。ちょっとした心配りで、みんなが生活しやすくなる。写真付きのメニューも知的障がい者にも便利であれば、外国人にも役立ちます」。

合理的配慮をどうするか考えるとき、障害者向けの対策とすると難しくなるかもしない。だが、外国人に分かりやすいように写真つきのメニューにすれば障がい者への配慮にもなる。その逆もある。

障がいのある人との混ざり合う地域社会のために

障害のある人たちは「いろいろなことに気を使っている」。ある障害のある人は「街中で道を聞くときは、人に聞くよりも交番に聞く」と話した。周りの人に協力を求めづらいため、絶対安心できる交番のような場所を頼りにするのだ。

合理的配慮は企業や学校だけが考えるのではなく、地域社会という単位の一人ひとりが意識することが大切だ。

障がい者が安心して街に出られる社会には、地域の人と障害者が出会う機会を増やすことが必要だ。

予備知識:ヘルプマークを見かけたら声をかける

ヘルプマークとは

内臓に機能障がいがある人や聴覚障がい者、精神障がい者など、外見では障がいがあるかどうか分からない人がいます。「ヘルプマーク」は、そういう人たちがサポートを受けやすくするもので、カバンなどにつけられるストラップを当事者に配布しています。

例えば、内蔵に機能障がいがある人は、長時間電車で立っていることが辛いことがあります。でも本人から席をゆずってくれとは言い出しづらい。見た目では分からなくてもヘルプマークを付けていたら席をゆずってほしいという思いから制作されました。

東京都が2012年に制作したもので、ヘルプマークのデザインは赤地に白のプラスとハートマークです。街中や電車などで付けている人を見かけ、サポートが必要そうであれば声をかけてください。

ヘルプマークにはメモがかけるシールがついていて裏面にはることができ、困ったときの連絡先や、手助けしてほしい内容を書けるようになっています。緊急時に子どもでヘルプマークをつけていたら、メモを見てどのような配慮が必要か分かります。

ヘルプマークはまだマタニティマークほどまで普及はしていません。けれども、全国での導入も広がっていて、民間企業でもポスターを掲示するなど取り入れいているところもあります。

いろいろなボランティアがありますが、身近な人の支えに少しでもなれることが、ボランティアの原点でしょう。

ガイドヘルプ募集情報を募集しています。

NPO団体やボランティアグループ、学生団体など、ガイドヘルプを募集していましたら、以下リンク先から募集情報を記入ください。当サイトへ掲載いたします。

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