パラスポーツ振興に新たな一歩 東京都とICHI COMMONSが「TEAM BEYOND パラコネクト」を開設

TEAM BEYOND パラコネクト 企業 CSR

パラスポーツの振興を目的に、東京都とICHI COMMONSは、パラスポーツ競技団体と企業の連携を促進するオンラインマッチングプラットフォーム「TEAM BEYOND パラコネクト」を2025年8月1日に開設しました。

このプラットフォームは、障害者スポーツの環境改善や競技団体の基盤強化を目指し、企業との協力体制を構築するための仕組みとして注目されています。

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背景:パラスポーツを取り巻く課題と企業連携の必要性

パラスポーツは、共生社会の実現に向けて重要な役割を担う一方、練習場所の不足やスポンサー獲得の難しさ、人材不足といった課題を抱えています。これまで東京都は、年1回の対面交流会を通じて企業と競技団体をつなげてきましたが、関心の高まりに応じてより持続的なネットワークが求められていました。

特に、2025年11月に東京で開催される「東京2025デフリンピック」を契機に、パラスポーツへの注目は一層高まっています。この流れを生かし、企業と競技団体の連携を加速するために「TEAM BEYOND パラコネクト」が開設されたのです。

「TEAM BEYOND パラコネクト」とは?

本プラットフォームは、ICHI COMMONSが提供する共助共創プラットフォーム「サステナNet」内に設けられた特設サイトとして運用されます。

主な特徴は以下の3点。

・競技団体と企業のニーズを可視化:団体が求めるスポンサーや人材支援、練習場所の提供などの情報を明確に掲載。

・企業のアセット(ノウハウ・資源)の提示:企業が提供できる技術・製品・人材を整理し、団体との最適なマッチングを実現。

・コーディネーターによる伴走支援:課題整理から協議設定まで、専門コーディネーターが双方の連携をサポート。

登録・利用は無料で、パラスポーツおよびデフスポーツ競技団体、ならびに企業が対象です。

連携の具体例と効果

パラコネクトの開設に先立ち、東京都とICHI COMMONSは、既存のパラスポーツ応援プロジェクト「TEAM BEYOND」登録企業と協力し、試験的なマッチング事例を実施しました。

事例:オープンハウス × QDレーザ

  • オープンハウスは、東京ヤクルトスワローズと連携した「O-EN KIDSチャレンジ 野球観戦会」を企画。
  • QDレーザは、視覚支援デバイス「RETISSA ON HAND」を提供し、目の見えにくい子どもたちが野球観戦を楽しめる体験を実現しました。

この取り組みは、企業間連携を通じたパラスポーツ支援の新しい可能性を示す事例となりました。

コーディネーターが伴走する安心の支援体制

「連携に関心はあるが、何から始めればよいかわからない」という企業や競技団体に向け、コーディネーターが以下のような役割を担います。

  • ニーズ・アセットの整理
  • 双方のマッチング候補の提示
  • 協議・合意形成のサポート

これにより、初めてパラスポーツ支援に取り組む企業でも安心して参画できる仕組みとなっています。

企業にとってのメリット

パラスポーツ支援は、社会貢献活動としてだけでなく、企業にも以下のような効果をもたらします:

  • 社員エンゲージメントの向上:社会課題への参加を通じて社員の意識改革を促進。
  • ブランド価値の向上:共生社会実現に寄与する取り組みとして、企業イメージ向上に寄与。
  • 新規事業や製品開発の機会:競技団体との協力を通じ、障害者向け製品やサービスの開発に繋がる可能性。

東京都の「TEAM BEYOND」との連携

本プラットフォームは、東京都が推進するパラスポーツ応援プロジェクト「TEAM BEYOND」と連動しています。「TEAM BEYOND」では、スポーツをする人、観る人、支える人すべてが一体となり、パラスポーツの魅力を発信。年間を通じてイベントやキャンペーンが展開されています。

さらに、毎年8月・9月を「TOKYOパラスポーツ月間」と位置づけ、競技大会や体験イベントを集中的に実施。これにより、企業と市民の関心を高め、パラスポーツの裾野を広げる取り組みが加速しています。

共生社会への第一歩は「連携」から

「TEAM BEYOND パラコネクト」の開設は、パラスポーツ振興だけでなく、共生社会の実現に向けた企業と団体の協力体制の構築という大きな意義を持ちます。

競技団体にとっては課題解決の糸口となり、企業にとっては社会貢献と事業価値の両立を実現する新たなチャンスです。東京都とICHI COMMONSは、今後も伴走支援を通じて、多様な連携事例の創出を後押ししていく方針です。