増える高齢者の犯罪、背景にある孤立化無縁化問題。解決のカギはシニアボランティア

シニアボランティア 記事

高齢者の犯罪件数、特に万引き件数が増加している。法務省は29日公表した犯罪白書で、高齢化率も増えているが犯罪件数の増加幅が大きいことを示した。20年前と比べ高齢化率は1.7倍に増えた。一方、犯罪件数は20年前の3.4倍に拡大。同白書では「進む高齢化と犯罪」という特集を組むなど社会の問題として捉える。背景にある孤立化や無縁化を解決する手立てが求めらるている。

家族との別れや疎遠が、万引きに至る背景

高齢者の犯罪の種類では窃盗の割合が過半数を超える。万引き検挙人員では全体の39.5%は65歳以上。約2万6000人にのぼった。

その社会的背景には、一人暮らしの増加や、近所付き合いの希薄さなどがみえてくる。犯罪白書によると、万引きにいたった背景事情は男女で理由が分かれる。高齢女性では約3割が「近親者の病気・死去」をあげた。高齢男性は「家族と疎遠・身寄りなし」が約4割と高い。

病気で助け合う近所づきあい、ドイツは30%、日本は5%

近所付き合いの調査ではドイツとの比較がある。高齢化率が日本の次に高いドイツと「近所の人との付き合い方」の比較を見てみる。

日本で最も高いのは「外でちょっと立ち話をする程度」が67.3%。ドイツは38.7%だった。

反対にドイツで高いのは「お茶や食事を一緒にする」が50.1%、「相談したり、されたりする」が48.3%。日本は「お茶食事」は24.2%、「相談」は18.6%と差が顕著となった。

さらに日本が最も低い「病気のときに助け合う」は5.9%、一方ドイツは31.9%。日本での近所づきあいの関係は、家の中にあがったり、深い関係を築くという点で希薄であり、相互に支え合う関係性が乏しいことが分かる。

5人に1人が、一人暮らし

その上、高齢者の一人暮らしは約600万人と年々増加している。5人に1人が独居の時代だ。近親者が亡くなったり、家族と疎遠だったり、やむをえず一人暮らしとなった人が、地域に頼れる人もいない状態がある。

いかに地域との関係を濃くして、遠い親戚より近くの他人を作れたら、犯罪件数も増えないかもしれない。

シニアボランティアの普及

今後、高齢化率はどんどん高くなる。そこで重要な手立ての一つがシニアボランティアだ。

シニアボランティア、高齢者がボランティアを受けるのではなく、自ら参加することだ。実際、各地域でさまざな活動がすでに生まれている。

一つは当事者同士で支え合う活動だ。地域の高齢者が孤立する高齢者の居場所をつくる。ボランティアもシニアが多く、お互いに支え合っている。シニアの男性が集まり、料理を作って食べるという会もある。

駅前の花壇や公共の場の清掃活動をする団体では、シニアボランティアの活躍がみられる。

自治体がシニアボランティア制度を設ける事例もある。横浜市やのシニアボランティアポイント事業には登録者が1万9000人を超えているという。目的は、健康増進や介護予防、社会参加や地域貢献を通じた生きがいづくりの促進だ。

地域にあるこども食堂でのボランティアもシニアボランティアが活躍する。福祉施設の中にこども食堂を設け、こどもも高齢者も混ざり合う多世代交流を促進する場所もある。

東京都は、「いくつになってもいきいきと暮らせるまちをつくるために「東京ホームタウンプロジェクト」を実施する。ウェブサイトでは、様々な活動や人が紹介されている。

シニアボランティアは、各地域で既存の選択肢がたくさんある。自分に合わなければやめてもいい。普段、関わることのない世代との接点も生まれるだろう。

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