NPOの収入源と言えば、寄付金、と思う人も多いのではないだろうか。
しかし、内閣府が出す統計資料によると、寄付金の割合は11.1%とかなり少ない。他の収入は、会費が6.1%、補助金・助成金が17.3%、事業収入(自主事業、委託事業)が63.6%となっている。(出典「平成26年度特定非営利活動法人及び市民の社会貢献に関する実態調査 報告書」(内閣府))
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認定NPO法人になると寄付金割合がふえる
ただ、認定NPO法人となると寄付金の割合が、26.9%に増加する。認定を受けた団体に寄付をすると、税制優遇を受けられるという理由もあるが、これらの団体が寄付集め(ファンドレイジング)の努力をしているから寄付が集まっているのだ。つまり、寄付が少ない団体はまだまだ努力する価値はあり、認定を目指すことで寄付金の割合が増える伸びしろは大きい。
内閣府の報告書で、寄付をする理由は、「社会の役に立ちたいと思ったから」が一番高いと発表されている。社会の役に立ちたいけれど、仕事やプライベートで忙しいから、寄付で貢献する人がたくさんいるということ。東日本大震災のときに、駅前で募金をする人たちに寄付をした人もたくさんいた。
また、ヤフー株式会社の運営するYahoo!ネット募金が、2014年に立ち上げたセルビア豪雨緊急支援募金には、1億7千万円以上の募金が集まった。日本には、寄付をして社会貢献したいという人が数多くいることが分かる。
日本は寄付金が集まりにくい国なのか
一方、日本は寄付金が集まりにくい国とも言われている。日本では、寄付総額が名目GDP費0.11%に対して、アメリカは約2.20%と、日本の約20倍もある。
さらにアメリカでは、寄付総額の内訳で個人寄付が約8割だが、日本は約2割でほとんどが法人寄付となっている。つまり、日本にはまだ寄付する文化が根ざしていないのだ。今後のNPOの取り組みや認定NPOができたように社会の制度が変わってくることで、まだまだ伸びしろがある資金源ということ。
(総務省統計局、国税庁、AAFRC Giving USA2009 NCVO UK Voluntary Sector Aimanac 2008より)
2012年から認定NPO法人制度が創設されて、認定を受けた団体への寄付は税制優遇措置を受けられるようになった。12月には、ファンドレイジング協会らが寄付月間という取り組みも始め、寄付文化の醸成に力を入れている。
もちろんNPO法人側にも課題はある。
会員には報告などをして感謝の意を伝えていても、単発の寄付者には、怠っているところもある。寄付をする人にも、寄付をしてよかったと思ってもらえるような心配りを行わないと、日本に寄付を根付かせることは難しいだろう。