社会人ボランティア「プロボノ」その魅力とは?

2017/11/11 NPO・CSR ライター 辻陽一郎


社会人がスキルを活かしてボランティアをする「プロボノ」が広がりをみせている。Social Marketing Japan(SMJ)が都内で開いたプロボノ交流イベントには社会人20人ほどが参加した。参加者の多くは20〜30代。すでにNPOでプロボノをしている人から、「初めて聞いた」「関心あるがまだやっていない」とい人まで参加理由はさまざまだ。

プロボノでどのような経験ができるのか。その魅力を経験者が語った。20代の高村エリナさんは「プロボノはお金のかからない最高の趣味」と表現した。奔流中国、a-conという2つの団体で編集者としてのスキルを活かしながらプロボノをしている。

■プロボノでの経験が本業に活きる

高村さんは出版社で働いている。編集の仕事がしたくて入社したが、当初は思うような仕事ができなかったという。そこで「自分のキャリアは社外で自分で作ろう」と決心した。

奔流中国というNPOのツアーに参加したことがきっかけで、代表の張宇さんの書籍出版に携わることになった。

「代表が本を出したいというので、出版社で働いているからできますと手を挙げました。1年かけて代表を取材して、編集して、電子書籍としてKindleで出版しました」。

この本がKindleのカテゴリーランキングで一位をとるほどの評判となった。自身のSNSなどで紹介すると、思わぬ反応があった。

「一位になったと投稿したら、自分のことも書いてほしいという声がたくさんきました。依頼にはお金が出る出ないはありますが、出版の世界で生きていく可能性が開けた気がしました」

企業では新人の内には、経験できないこともNPOでは挑戦できる。プロボノで積んだ経験が本業にも活きるようになった。

高村さんは「会社は好きだから続けます。ただ、いまでは会社を離れても一人でやっていけるという思いもあります。自分に気持ちの余裕ができたことで、社内でも保身に走らず、上司に自分の意見をしっかり言えるようになりました」と語った。

4月からは、a-conというNPOの広報支援を行う団体でも新たにプロボノを始めた。依頼があったNPOで課題解決のプロジェクトに取り組む。高村さんは、精神障害者の拘禁防止に取り組む団体で、ウェブサイトに載せる情報の編集などを担っている。

「最近、働き方改革で残業が少なくなったんです。アフター5を充実させるのに、せっかくだからボランティアをやっています」。本業とプロボノを続けることで、相乗効果になる。幅を広げることができ、日常生活にプラスになることも魅力の一つだろう。

■会社では話せないことを話せる仲間との出会い

もう一人登壇した女性は、がんの相談などを行う団体でプロボノをしている。自分の母親もがんだったが、会社では相談しづらかった。だが、団体の代表が医師でもあるので、自分のことを相談することができたという。

母のケアを続ける中で、メンタルが弱くなったときもあった。そのときに支えてくれたのも代表や周りにいるガンサバイバーだったという。

SMJでプロボノをするメンバーの一人は、仕事で嫌なことがあったときに、月に一回会う仲間と話すことで力をもらっていると話した。プロボノで出会う人は、同じ方向を向いているので、深い話や腹を割った相談もできることが魅力でもある。

SMJは、社会人に特化したボランティア紹介サイトを運営している。2009年からスタートし、サイト管理や記事の執筆まですべてをプロボノで運営している。

メンバーは10人弱。本業は研修講師や社長秘書、食品メーカー、エンジニアなどさまざまだ。毎月一回の定例MTGを行なっている。

■プロボノは無理をしないこと

プロボノを続けるときに、重要なことは無理をしないこと。プロジェクトに関わる以上、責任はある。だが、仕事が忙しいときは無理をしないこと。団体のスタッフにこまめに伝えることが続けるコツだ。

SMJメンバーも「自分のできる範囲のことをやっていくことがよい。なにかを削らないとできないのはよくない」とアドバイスをした。


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2017/11/11