「震災復興へ、細く長くNPO活動を継続」——岩手NPO×東京交流会

2016/02/28 NPO・CSR ライター 辻陽一郎


震災から5年。仮設住宅から高台移転の計画もようやく進み、復興支援も新たなフェーズに入った。被災したそれぞれの地域で、NPO団体が復興に取り組んでいるが、NPOへの支援は時の経過と共に減少している。岩手県では、NPOが企業と出会い、恊働に結びつく機会を提供するため、「岩手NPO×東京交流会」を開催する。2月25日、都内で開かれた会には、岩手で活動するNPO15団体が、40人ほどの参加者に活動を紹介した。運営はNPO法人陸前高田連絡協議会AidTAKATAが行う。

震災から5年目の復興の状況について、会の主催である岩手県の吉田真二さんが説明した。「今年度は本格復興邁進年として、安全の確保、暮らしの再建、生業の再生という3つの柱で事業を進めている。災害に強い復興道路の整備や災害公営住宅の整備、県立病院の再建、水産物のサプライチェーン構築などに取り組んでいる」。

復興は進みつつあるが、震災特需が落ち込み、活動資金不足から撤退するNPOも現れている。今後さらに復興にまい進するためには、NPOが細くても息を長く活動継続することが必要だ。吉田さんは、「補助金・助成金に頼っているNPOが自立できるようにNPO強化のため、寄付セミナーなども開催。東京交流会もその一環だ」と言う。

NPO法人東北岩手応援チャンネル理事長出淵晴彦さん

NPO法人東北岩手応援チャンネル理事長出淵晴彦さん

都内と陸前高田市に事業所を構え活動するNPO法人東北岩手応援チャンネルは、音楽や映像を通じて、「被災地の人に寄り添う心の復興事業」を行っている。仮設住宅では大きな声で歌えないという声があり、元気いっぱい歌うことができる「三陸歌声喫茶」を、陸前高田や大槌、大船渡などで開催。理事長の出淵晴彦さんは、「仮設住宅から災害公営住宅に移り住むことによって築き上げたコミュニティが解体。新たにコミュニティの再生と再構築が必要となる。部屋にこもりがちな高齢者にとって、歌声喫茶のようなコミュニティは重要な位置づけとなる」と話した。

また、陸前高田市などで一人親家庭の支援を行うNPO法人マザーリンク・ジャパン代表の寝占理絵さんは、震災後の一人親家庭の状況を伝えた。「仮設住宅では、月収10万円に満たない生活をしている人もいる。特に、震災後にDVなどで離婚に至った一人親家庭は、義援金ももらうことができず深刻な状況だ」。マザーリンク・ジャパンでは、女性が在宅でお金を稼ぐことができるようにパソコン講習などを行っている。

発表した15団体はいずれも、地域の中で細く長く活動を続けてきた。今後も活動を継続していくためには、多くの企業や自治体との協力関係が必要だ。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長内閣審議官の間宮淑夫さんは、「しがらみ、商売を度外視して活動できるNPOにしかできないことがある。しかし、資金や人手には限界があるので、企業や自治体と結び付くことで、可能性が広がっていく」と述べた。さらに、「小さな地元に密着した活動の中から、新しく地方を変えるイノベーションの力が生まれて、それが地方創生、地域を支える力になる。一人ひとりの活動が地方創生を生んでいく」とNPOの活動に期待を寄せた。


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2016/02/28