目が見えなくても映画を楽しめる「バリアフリー映画」とは?

「ラジオから流れる2種類の音声で、バリアフリー映画を楽しんでください」。映画祭を主催する明治大学の学生から最初にアナウンスがあった。12月19日に行われたバリアフリー映画祭には、盲導犬を共にする人、杖を持つ人など、視覚障がいがある人が約30人、バリアフリー映画に興味のある人を含め全体で約100人が集まった。

映画を見ることが困難とされる目が不自由な人でも、音声ガイドから映像を想像できるので、障害のある人も、ない人も一緒に楽しめるのがバリアフリー映画だ。この日、放映された作品は、『3人のゴースト』。名作『クリスマス・キャロル』を、現代のニューヨークに置き換えたコメディ作品だ。

映画が始まるとイヤホンから音声ガイドが流れ始める。「庭先には特大のツリー」、「空から光るものが降ってくる」、「小人たちも棚から機関銃を取り出す」、「後ずさるサンタたち」と、スクリーンに映る映像を、端的な言葉で伝えてくれる。台詞が始まると、イヤホンからは吹き替えが聞こえてくる。吹き替えの声と音声ガイドが、絶妙なタイミングで混ざり合い、映画の情報を伝えてくれる。

実際に目を閉じてみると、効果音やBGM、俳優の台詞(英語)、音声ガイド、吹き替え(日本語)と、4種類の音が同時複合的に絡み合い、臨場感のある映像が浮かんでくる。視覚に頼らないことで分かることは、音からの情報でも情景を目に浮かべることができるということ。それから、普段目に頼っているからか、複数の音に集中すると疲れてしまうこと。視覚障がいがある人は音を処理する能力が優れているのだろう。

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また、このバリアフリー映画祭は大学生が主体となって作り上げていることも興味深い。ラジオから流れる音声ガイドや吹き替えも学生たちが何度も、何度も映画を見返して収録したものだ。音声の質はすごい高く、言われないと学生が作ったとは思えないほどだ。大体1年前から準備を始めたという。映画だけでなく、サービスもバリアフリー映画祭らしく、駅までの出迎えや、盲導犬のトイレについてのアナウンスもあった。

どこの大学でも同じような企画をすることは難しいかもしれないが、地域に根ざした大学ならば、バリアフリー映画祭を企画して、地域の障がいがある人が楽しめる映画祭を開いてみるのも良いだろう。今後、バリアフリー映画祭が増えていくことに期待したい。

■ 障がいのある人もない人も楽しめるエンターテインメント「バリアフリー映画上映会」

2015/12/22 NPO・CSR ライター 辻陽一郎

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2015/12/22 NPO・CSR ライター 辻陽一郎