国際食料デーに、国連WFPがチャリティエッセイコンテスト

2017/10/15 NPO・CSR ライター 辻陽一郎


国連WFPは飢餓と貧困をなくすことを使命にする国連唯一の食糧支援機関だ。10月16日の国際食料デーに向けて、チャリティエッセイコンテストを実施した。約1万9000通の応募から8名が受賞。「WFP賞」を受賞したのは東京都の高校3年生。

審査委員長の湯川れい子さんは「物理的にお腹いっぱいになることも幸せですが、それだけではなく、そこにどんな思いやりや愛があるかということがとても大事なのだということを、あらためて感じました」と講評した。

WFP賞(全文)
東京都 玉川学園高等部3年生 岡田 萌 「ありがとうの味」

私の家は五歳のときから、母と私の二人で暮らしている。それから今まで、母はほぼ毎日、夜遅くまで仕事をしながら私を十三年間一人で育ててきてくれた。
母は休日もいそがしく、私はあまり母の作る朝ごはんや夜ごはんを食べる回数が少なくなっていった。小学校のころ、遠足でお弁当を持っていくことになっていた。前日の夜もいそがしそうに遅くまで帰ってこない母のことが心配になり、お弁当が必要だということを私は母に言えずにいた。母の帰りを待っていたとき、母から一本の電話が入った。
「明日、お弁当に何入れて欲しいか言っていいよ。何でも作ってあげる。」
私はこの母の声を聞いて、今まで言えなかった寂しさと、感謝と、嬉しさがあふれて涙が止まらなかった。
次の日の遠足で母からのお弁当を開いたとき、私はとても胸がいっぱいになった。お弁当箱の中は私の好きな物ばかりがカラフルに並べられていて、色々なことを考えながら、そして私のことを想いながら作っている母の姿が浮かんだからだ。そのとき食べたお弁当は、きっと誰のものよりもおいしく、温かいものだった。
その日の夜、私は母の帰りを待ちながら、母のためのおにぎりをいくつか作った。家に帰ってきた母は目に涙を浮かべながら、ありがとうと笑ってくれた。料理がただでさえ苦手な小学生の私が作ったおにぎりはきっと、塩加減もめちゃくちゃなものだっただろう。それでも母は、おいしい、とくり返しながら私の作った“ありがとう味”のおにぎりを嬉しそうに食べてくれた。だから私にとっておにぎりは、特別なものなのだ。
(出典:国連WFP)

チャリティエッセイコンテストのテーマは「おなかいっぱい幸せごはん」。7月1日から9月8日に募集をして、小学生1835通、中学・高校生16477通、18歳以上763通が集まった。

応募1作品ごとに、120円を企業から寄付してもらう仕組みだ。120円は途上国での給食4日分にあたるという。19075通の応募によって、228万9000円の寄付が集まった。

この寄付によって、国連WFPは約7万6300人の子どもたちに栄養価の高い給食を届けることができる。

国連WFPは、災害や紛争時の緊急支援、栄養状態の改善、学校給食の提供などを活動の柱に、毎年約80カ国で、女性や子どもなど8000 万人に食糧支援を行う団体だ。

■国際食料デーとは

国際食料デーは、「すべての人に食料を」という目標を実現するために、食料問題を考える日として国連が定めた。世界では9人に1人が十分に食べることができていないという。

飢餓や栄養不良といった食料問題を自分ごととして、声を上げ行動する人を増やすことを目指している。国内で呼びかけるNPO/NGO団体は、ハンガー・フリー・ワールド、アフリカ日本協議会、オックスファム・ジャパン、国際農林業協働協会、セカンドハーベスト・ジャパン、日本国際飢餓対策機構、国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所。


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2017/10/15