日本に住む難民の子どもたちが、給付型奨学金で夢を目指す

2017/02/28 NPO・CSR ライター 辻陽一郎

日本と外国にルーツをもつ私たちの進路選択

日本と外国にルーツをもつ私たちの進路選択


日本に住む難民の子どもたちは経済的に厳しい状況にある。だが、夢を目指し大学や大学院などで学業を続けたいという学生もたくさんいる。難民支援NGOのさぽうと21は2005年から「坪井基金」として給付型奨学金の提供を始めた。26日は東京で今年支援を受けた、ペルー・ベトナム・ナイジェリア・カンボジア・ブラジルがルーツの9人が自分のルーツについてや研究している内容について語った。

坪井基金は毎年10人の大学生・大学院生が対象。金額は毎月5万円から。学業の応援をする。これまでに120名、14ヶ国の学生へ支援をしてきた。難民として日本に来た親は、言葉や文化の違いから工場や飲食店など限られた仕事につくことが多く経済的に厳しい家庭が多い。

今年支援を受けた、ナイジェリア人の親をもつ女子大生は、日本で生まれ日本で育った。親は30年ほど前に日本に来た。外見から周囲は外国人と見るが、自分は日本の文化で育ってきた。

「私って何人なんだろうって悩みました」。

親はナイジェリア人だが、ナイジェリアに行ったときもホームと呼ぶのは違うと思った。大学は国際基督教大学に入り文化人類学を専攻。自分の悩んでいたことから「移住者二世のアイデンティティー意識」をテーマに研究を始めた。同じような立場の人にインタビューをする中で、ポジティブに考えられるようになった。自分がいることで周囲に多様な文化の理解が広がることもある。

ベトナムにルーツをもつ男性は、日本で生まれ育ち国籍も日本人だ。さぽうと21とは高校のときに出会い、大学からは奨学金の支援を受けてきた。現在は慶応義塾大学大学院で人工知能の研究をしている。「さぽうと歴は9年目。奨学金のおかげで今の勉強ができている」と話す。

IPS細胞の研究を京都大学大学院で行うペルーがルーツの男性もいる。来年度からは学術振興会の特別研究員に採用されたという。これからも好きな研究にまい進していく。

難民の子どもという状況は、苦労することも多いだろう。だが、家庭にある文化と日本の文化、多様な世界を知っているという強みや、苦しい環境を越えた強さがある。大きな夢を目指す学生たちの話す言葉は力強かった。


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2017/02/28