渋谷のローカルコミュニティ「渋谷の子どもはみんなで育てる」

ローカルコミュニティ渋谷 NPOとは

都会は人とのつながりが薄い——そんなイメージが変わりつつある。渋谷区では、地域の課題を自分たちで変えようと住人同士がつながり支え合うローカルコミュニティが育まれている。渋谷区に住む子育てをするメンバーらが主催者となり、5月21日、「渋谷papamamaマルシェ」という子育て・子どもに関するイベントを渋谷区の体育館で開催した。子育てに孤独感を感じていたり、地域につながりを求めていたりするママさん・パパさんなど400人が参加するにぎわいとなった。

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渋谷区のローカルコミュニティー24団体が出展

400人を超える参加者でにぎわった
400人を超える参加者でにぎわった

渋谷papamamaマルシェには、区内で子育て・子ども・障がいなどをテーマに活動する24の団体が出展した。イベントに参加した人からは、いろいろな団体があることを知れてよかったという声があった。

ママさん向けにベビーマッサージを教えていたのは「ふれあい子育てサロンスイミー」というNPO法人だ。ママさん同士がつながって幸せになってほしいという思いから、日々サロンでさまざまな講座を開いている。「エビママ!時々パパ」という、ママさん交流ランチや保活情報交換会などを定期的に行う子育てコミュニティもあった。
渋谷で子育てするなら入っておきたいママコミュニティ

都会では子どもの遊び場に困るという印象もあるが、子どもがのびのびと遊べる場所をつくる活動も広がっている。冒険遊び場プレーパークの「えびすアメリカ橋プレーパーク」、「渋谷はるのおがわプレーパーク」、「せせらぎ冒険遊び場」が出展し活動を紹介した。渋谷区内でのびのびと自由に子どもが遊べる場所があることを初めて知る人もいた。

子育て・障がい・子どもなどの団体と人がつながった
子育て・障がい・子どもなどの団体と人がつながった

障がい者の支援をする「渋谷なかよしぐるーぷ」という団体は、小さな一軒家で障がいのある子どもの居場所作りやお出かけ支援をしている。「ピアサポートネットしぶや」という生きづらさを抱える子どもたちの居場所作りを行う団体もあった。

さまざまな団体から話しを聞くことで、子育ては家族や一人で抱えるのではなく、地域の人たちと一緒にできるということを知る機会となった。

渋谷papamamaマルシェ2017副実行委員長の内藤さんは「つながりがなく一人で不安を抱えているお母さんがふらっと来て、どこかの団体のチラシを見つけて今度行ってみようと思う。このイベントはこの日で終わりではなく、日々の生活で地域とのつながりが生まれることを目指している」と語った。

人と地域がつながりうまれるローカルコミュニティ

1999年から活動を行う「ピアサポートネットしぶや」のスタッフは「最近渋谷に住む若い人たちがつながりを望むように変わってきた。渋谷papamamaマルシェのような場で人と団体がつながり、団体同士もつながることで、子どもや親がSOSを発したときに、みんなで助け合えるようになる」と話した。

渋谷区は繁華街のイメージが強いが、実はもともと地域のつながりが強いローカルコミュニティが存在してきた場所。恵比寿地区は町会が盛んで地域のお祭りが年間多数行われる。ピアサポートのように20年以上市民活動を続けてきた団体もある。

今、若い世代が、課題を自分たちで変えようとつながりを求め、新たな市民活動を始めたことで、これまで渋谷の地域を支えてきた人たちともネットワークが生まれてきている。どんどん混ざり合いローカルコミュニティが活性化しているのだ。

都会の大学生ボランティアがコミュニティを盛り上げる

渋谷のローカルコミュニティが盛り上がることの一つに、学生の参加がある。渋谷区には青山学院大学や國學院大學、聖心女子大学など大学がたくさんある。学生が地域に参加することで、市民活動も盛り上がっていく。

渋谷papamamaマルシェでも、30人ほどのボランティアが参加していて、大学生もいた。國學院大學の4年生は「子どもが好きで、子どもと関わるボランティアがしたいと思い、偶然大学で紹介されているイベントを知って参加した」と話した。子どもやママさんがたくさん集まるイベントは面白いということで、昨年から二回連続で同マルシェにボランティア参加をしている。

家族だけで子どもを育て、生きていくのではなく、都会では地域の仲間やNPOなどの団体、町会、学生たちなど、さまざまな人と関わり、支え合いながら生きていくことができる。渋谷区だけではなく、東京都の他の区でも地域と人のつながりは活発になっている。世田谷区はNPOなどの市民活動が盛んで、都会で助け合い、生きやすい社会づくりが育まれている。