損保ジャパンがNPOセンターらと恊働、希少種の保全活動を47都道府県で実施

2016/02/24 NPO・CSR ライター 辻陽一郎


損害保険ジャパン日本興亜株式会社がCSRの取り組みで、市民に環境保全のきっかけを提供する「SAVE JAPANプロジェクト」をスタートして、5年が経つ。プロジェクトは、NPO法人日本NPOセンター、各地域のNPO支援センター、環境団体の4者が協働して実施する。4者恊働によって、NPOの組織強化や希少生物種保全など様々な効果が生まれている。2月18日、都内で、5年間のあゆみを報告するフォーラム「地域の持続可能性を引き出す企業とNPOの恊働のカタチ」を開いた。

■ 環境イベントの実施が、市民の関心喚起とNPOの能力強化に

「SAVE JAPANプロジェクト」は、2011年度から始まり、2014年度は、47都道府県で149回開催、約6,800人が参加した。埼玉県の「カヤネズミの巣をさがせ!」や栃木県の「クマタカを守ろう!」など身近にいる希少生物を体験しながら学べるイベントを各地域で行う。子どもが楽しめるイベントが多いが、参加する大人たちも、「ガイドのプロフェッショナルな説明で充実した時間を過ごせた」と、参加した市民一人ひとりの環境意識を高める活動だ。

イベントの実施は、地域の環境団体とNPO支援センターが恊働して行う。日本NPOセンターは全国事務局として47都道府県のとりまとめ役だ。広報面はNPO支援センター、プログラムの企画立案は環境団体など、それぞれの強みを活かすことで、相乗効果が生まれた。

埼玉県の環境団体、NPO法人エコシティ志木事務局長の青木明雄さんは、「外来植物駆除のかたいイベントばかりやっていたが、さいたまNPOセンターからアドバイスをもらい、子どもも楽しめる内容を活動に取り入れることができた」と話す。また、2012年度からプロジェクトに参加するさいたまNPOセンター専務理事の村田恵子さんも「毎年違う環境団体とイベントを開催することで、前年のノウハウを次の団体に提供することができる」と言う。「子どもが興味をもつようなチラシ作りも年々レベルアップしていて、定員を超える申込に至るなど、自団体もこのプロジェクトを通じて成長した」。

第一部報告(レポート共著説明)SAVE JAPANプロジェクトのインパクトマップ

第一部報告(レポート共著説明)SAVE JAPANプロジェクトのインパクトマップ

「SAVE JAPANプロジェクト」では、環境保全に関心をもつ人を増加させるには、NPOの強化が不可欠としている。NPOのプロジェクトマネジメントや広報スキルが上がることが、さらに多くの人が参加を促す。5年間で、603回、30,182人の市民にきっかけを提供した。日本NPOセンター常務理事の今田克司さんは、「イベントの開催、関係団体の能力強化、環境問題への関心喚起の3つのサイクルを毎年回していくことで、波及効果が生まれてくる。環境問題に主体的に取り組む市民の層ができ、ネットワークが生まれ、最終的には希少生物保全効果も期待できる」と、プロジェクトの意義を話した。

■ 社会的インパクトをSROIで見える化する

SAVE JAPANプロジェクトのもう一つの特徴はプロジェクトの第三者評価にSROI(Social Return On Investment:社会的投資収益分析)の手法を取り入れていることだ。SROIによって社会的インパクトやCSR効果を貨幣換算して見える化ができる。公共経営・社会戦略研究所取締役社長の塚本一郎さんは、「社会的なプロジェクトは説明責任も求められる。SROIで見える化が可能だが、SROIが万全ではない。推計できないところもあるので、定量化と組み合わせて評価することが重要」と述べた。

SAVE JAPANプロジェクトの資金提供を行う損保ジャパン日本興亜特命課長の金井圭さんは、「SROIは社内での予算交渉での説得力が増す。また、CSRのインパクトを社外に発信することもできる。SROIが他企業にも普及すれば、CSRの予算がアップして、NPOへの支援も増えていくだろう」と説明した。

2015年12月には、COP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)でパリ協定が採択された。地球に住む人々が協力し合い、地球環境問題に一丸となって取り組むことが求められている。今後、「SAVE JAPANプロジェクト」のような企業とNPOの恊働が広がることで、環境問題に主体的に取り組む市民が増えていくことが期待される。


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2016/02/24