陸はきれいだが、海に残るがれき。海中清掃を続けるボランティアのダイバーたち

2017/06/23 NPO・CSR ライター 辻陽一郎

海で清掃するダイバー


東日本大震災から6年、がれきの山だった町中はきれいになってきた。だが、海の中にはまだ船や車のがれきが残っている。海の再生はまだ終わっていない。

■もっと課題を知ってもらいたい

岩手県大船渡市。ダイバーや地元漁師らが海の大型がれきの撤去や漁具の回収など海をクリーンにする活動を続けている。岩手県出身のダイビングインストラクター佐藤寛志さんらが2011年に立ち上げた「三陸ボランティアダイバーズ」だ。

震災直後、港も漁場もぼろぼろだった。なんとかしないといけない。最初に集まったのは、レジャーダイバーたちだった。日本だけでなく世界中から集まった。

海の清掃や、養殖の調査、海の生態調査などの活動も行う。わかめやホヤ、牡蠣など養殖業が再開できるように力を注いでいる。日々ボランティアらが活動を続けるうちに、養殖を再開できるようになってきた。

三陸ボランティアダイバーズ理事長の佐藤さんは「海中には、流れた木もまだたくさんある。陸上がきれいになってきているから、もう終わっただろうと周りに気づいてもらえない」と課題を述べた。

■ボランティアの輪が広がる

環境省のイベントで話す三陸ボランティアダイバー理事長の佐藤寛志さん

環境省のイベントで話す三陸ボランティアダイバー理事長の佐藤寛志さん

ダイバーらが始めた海中清掃ボランティアだったが、次第に地元の漁師たちも活動に参加するようになる。漁師は海の上、ダイバーは海の中。普段は混じり合わない関係だ。だが、この活動をするためにダイバーのライセンスをとる漁師も出てきた。

「初めて海に潜り、ふるさとの海を見た」

漁師は海の中から見る自分たちの海に感動した。養殖が復活している姿をみて、環境への思いが強くなり、タバコのポイ捨てができなくなった漁師もいる。

ダイバーも漁師からホタテやあわびの生産について勉強し、漁師のようになってきている。今では漁師ダイバーと呼ばれる人も出てきた。復興の過程で新しい文化が生まれた。

三陸ボランティアダイバーズでは、ダイバーではない人もボランティアとして受け入れている。三陸の現状や魅力を知ってもらうために、漁業体験やチャリティダイブなどのプログラムも実施する。

「現在は津波前よりも若い人が集まるようになってきた。大船渡市のIターンも増えている。海の再生へ向けた活動を通して、人と人とのつながりが生まれ、助け合いの輪が広がっている」と佐藤さんは話した。

漁師たちは、みんなに助けてもらったから、今度は自分たちがと、熊本や広島、茨城へと災害がある場所にボランティアで参加するようになった。

海をきれいにしようという震災復興活動だったが、今では人と人との輪を広げる新しい拠点となっている。多くのボランティアが参加すれば、海の再生する日も近い。


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2017/06/23