「貧困問題を優先課題に」NPOもやいが衆院選候補者に訴え

2017/10/11 NPO・CSR ライター 辻陽一郎


日本国内の貧困問題に取り組むNPO法人自立生活サポートセンター・もやいは、衆院選の候補者に向けて、声明を出した。「貧困を社会的に解決したい」という想いから、深刻化する貧困問題を政策課題の最優先に掲げるように訴える。

先進国35カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)の2014年度の調査は、日本の貧困問題が先進国の中で深刻であることを伝えた。

調査ではシングルマザーなど、大人が一人で子どもがいる現役世帯の「相対的貧困率」は加盟国中、日本が最も高かった。さらに相対的貧困率全体では6番目に高い。
(相対的貧困とは、衣食住すら満足でない絶対的貧困ではなく、世帯可処分所得が中央値の半分以下のこと)

今回の衆院選では、消費税や憲法改正が議題にあがっている。消費税増税は低所得者、生活保護世帯の暮らしを圧迫する。生活保護費も2013年から、段階的に引き下げが行われた。結果的に、子どものいる世帯ほど多く削減されることになったという。

もやいは、今回の選挙において、貧困問題を課題の最優先にし、必要な制度や施策の実現に取り組むよう求めている。
具体的な施策の提案は以下の通りだ。

【声明全文から抜粋】

●最低限度の生活を守るために

◆低所得者向けの簡素な金銭給付
消費増税や物価上昇への手当てとして単発でなく継続しての給付措置

◆生活扶助基準引き下げの中止と引き上げの検討
生活保護世帯への手当てとして削減の中止と物価上昇をうけての基準引き上げ

◆自然増が続く社会保障費負担のための消費税以外の財源の確保
医療・年金・介護・子育て等の各施策の社会保障税源の確保

◆安心・安全に働ける場の確保
最低賃金の底上げ(全国一律1500円以上)や社会保険の適応範囲の拡充、労働基準法の順守徹底や労働環境・待遇の改善

◆低所得者向けの住宅政策の拡充
求職者向けでなく低所得者向けの住宅手当等の住宅政策の創設・拡充

◆高等教育無償化への取り組み
給付型奨学金の拡充と高等教育の授業料等の減免や無償化に向けた取り組み、生活保護家庭の世帯内進学(就学)を認める運用への転換

●社会保障のビジョンの転換

◆個人単位の社会保障へ
特定の家族のあり方や世帯の状況へのサポートから個人単位での社会保障へ

◆ひとり一人のニーズに合わせた社会保障を
子ども・障がいや疾病・高齢など状況に応じた現金給付型の社会保障の創設・拡充

◆社会保障の財源についてのより広範な議論を
消費税以外の税源による社会保障財源の確保についての具体的な議論

◆「貧困」を知るために
貧困の実態や背景にあるリスク要因についてのパネル調査を含む調査研究


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2017/10/11