「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」に核兵器禁止条約を考える

2017/09/26 NPO・CSR ライター 辻陽一郎

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■世界は核兵器を禁止できるのか?

ついに「核兵器禁止条約」が7月7日に採択された。クラスター爆弾や対人地雷などの非人道兵器は、国際的に使用を禁止する条約があるが、核兵器はなかった。

国連加盟国(193国)の約7割、122カ国もの国々が核兵器禁止条約に賛成し、核なき世界に向けて国際社会は大きな一歩を踏み出した。

だが、日本はこの条約には賛成せず、不参加の立場を取っている。実質的な核保有国9ヶ国と、核の傘にある韓国やドイツなども賛成していない。

9月26日は、国連が定める「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」だ。核なき世界は一朝一夕に実現できるものではない。そのためにも考え、行動していくことが重要だ。

2009年4月5日、オバマ大統領は歴史的な「プラハ演説」で以下のように語っていた。

「核兵器の拡散が避けられないと信じてしまえば、使用も避けられないと認めているようなものだ。
核なき世界の平和と安全保障を追求すると約束する。すぐには到達できない。忍耐と粘り強さが必要だ。しかし、私たちは世界は変わることはないという声を聞いてはいけない。私たちにはできると言い続けないといけない」

■核の傘とは

核なき世界を目指すことには、アメリカも日本も反対してはいない。だが、なぜ
核兵器禁止条約には賛成しないのか。

日本の場合は核の傘にいることが一つの理由だ。核の傘とは、核を持たない国の安全を保障するために、核を持つ国が核兵器の抑止力を提供すること。アメリカが持つ核の傘の下に、日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)加盟のヨーロッパの国々はいる。

核を持つ国が一斉になくならなければ、核抑止力が必要となる。そのために、核保有国が、安全を保障するという構造だ。

■核拡散防止条約とは

核を持つ国は、核兵器の不拡散に関する条約(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons : NPT)というルールのもとで核なき世界を目指そうとしている。NPTは、1970年に発行され、日本を含む191の国・地域が参加している。

NPTでは、ロシア、米国、中国、フランス、英国の5か国を「核兵器国」と認める一方で、核兵器の削減を進める義務がある。それ以外の国へは、核兵器の拡散を防止する。
※5ヶ国は「1967年1月1日以前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国」。

だが、NPTによってなかなか核軍縮は進まない。5ヶ国以外に核を保有する国も出てきている。この状況を打開するために、メキシコやオーストリアなどは核兵器禁止条約を推進してきた。

現在の状況は、核保有国と核兵器禁止条約の参加国が対立構造となってしまっている。この難しい状況下で、日本はいまは不参加だが、被爆国として日本にしかできない役割もある。今後、両者のつなぎ役となることが重要だ。

国際デーに合わせて9月23日、都内でイベントが開かれた。元ユース非核特使の大学4年生鈴木慧南さんは「被爆者の方からたくさんの話しを聞いた。被爆者の方たちは、もう私たちと同じ経験をして欲しくないと語ってくれた。この言葉を伝えていきたい。そして、被爆国の日本には真のリーダーシップを発揮して欲しい」と語った。


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2017/09/26