原発事故の避難者はいま

2017/01/31 国際環境NGO FoE Japan


東京電力福島第一原子力発電所の事故からまもなく6年。「福島復興加速化指針」として避難指示区域が次々に解除になり、帰還が促進されている中で、避難者たちは精神的に追いつめられた状況に置かれています。

避難者の半数以上が、災害救助法に基づく仮設・借上住宅で生活をしています。これは避難者に対して避難先の自治体が公営住宅を提供したり、民間の賃貸住宅を借り上げて提供し、その費用は国や避難元の自治体が負担するという制度です。この制度に基づく住宅供与の打ち切りが2017年3月に迫っています。打ち切りの対象は、政府指示の避難区域以外の避難者(いわゆる自主的避難者)約2万6,000人。これは、避難者にとっては、生活の基盤を奪われるものです。その打撃は大きく、中には精神的に追い詰められ、入院を余儀なくされた避難者もいました。

「まだまだ帰れる状況ではない」「避難先にせっかく根付いたばかりなのに」というのが避難者の本音でしょう。たしかに福島では放射線管理区域相当の土壌汚染がいまだに広い範囲で確認されている状況です。避難者に対する社会の無理解や不寛容、とりわけ避難世帯の子どもに対するいじめ問題が各地で表面化し、社会問題化してきています。

こうした中、人道的立場から独自の支援策をとる自治体もでてきています。

鳥取県は平成31年3月まで県営住宅等の提供を延長。山形県は、民間借り上げ住宅の入居期間を1年延長。札幌市は市営住宅の提供を1年延長。埼玉県は県営住宅に関して自主避難者枠(100戸)を設け、現在の県営住宅の避難者がそのまま住み続けられるようにしました。新潟県は公営住宅への引越し代支援および民間住宅の家賃補助の上乗せを打ち出しています。

避難者が一番多い東京都は、都営住宅の専用枠を300戸設けました。ただし、世帯要件、所得要件などが細かく設定されており、要件を満たした応募数が192世帯のみ。UR住宅・雇用促進住宅・区市町村営住宅の避難者は優先枠対象から外されています。

FoE Japanもかかわる「避難の協同センター」では、国に対して、現行の住宅供与の延長や抜本的な避難者への住宅支援を求めるとともに、自治体ごとのきめ細かい避難者の把握や支援を働きかけています。

(満田夏花)
『Green Earth』vol.61より転載。
この記事は2017年1月時点の情報を元に書かれています。


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2017/01/31