「NPO法」の本質は、元の名称「市民活動促進法」にあり

NPO法、正式には「特定非営利活動促進法」が成立したのは1998年。このNPO法、もともとは「市民活動促進法」という名前だった。当時、市民活動促進法で一度は衆議院を通過したが、その後の議論で名称変更となったのだ。

だが、目的が変わった訳ではない。市民が社会を変え、市民が社会を支えていく。市民活動を発展させることを目的に作られた法律だ。NPO法の第一条にもこの想いが込められている。

「この法律は、(中略)ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする」(第一条から抜粋)

特定非営利活動という言葉からは、営利でないことが先に来てしまうが、本質は「市民活動促進法」の名前の通りなのだ。

NPO法の名前は世の中に定着した一方で、NPO法人=非営利=お金をもうけてはいけない・無報酬といった間違ったイメージを与えてしまうこともある。このような誤解をなくすために、法律の名称を市民活動促進法に戻そうとする動きもある。

■市民が公益を担う時代になる

この法律でもう一つ重要なことが「公益の増進に寄与すること」の部分だ。「公益」というと国や自治体だけが担い、市民は受ける立場というイメージもある。

しかし、この何十年の間に行政のサービスでは対処できないさまざまな社会課題が生まれてきた。そこで「市民による公益」の必要性が出てきたのだ。例えば、環境破壊から自然を守るための「ナショナルトラスト運動」や発展途上国での国際協力活動など、市民が自分たちで社会を良くしようとする取り組みがたくさんある。

こうした社会のためになる、社会を良くする公益の活動をする市民活動団体が、活動しやすくするために法人格が必要だった。法人格をとることで、組織として資産を保有したり、行政や企業などの法人と契約をすることが可能になる。

「公益の増進に寄与すること」とは「社会がより良くなるために貢献すること」だ。

これからの時代は「公益」を市民が担っていく必要がある。そのためには市民団体がさらに強くなることが不可欠だ。市民が主体となる公益が育てば、行政との役割は逆転し、民が担えない公益を行政が担うような図式になっていくかもしれない。

市民が公益を担うために、NPO法で重視されている点が二つある。「市民参加」と「情報公開」だ。この二点で市民活動団体に公益性があるかが判断できる。多くの市民参加が促されていれば、それだけ公益性が高い。きちんとした情報公開をして透明性を図ることで、だれもがその団体の善し悪しを判断することができる。

NPOの本質は「市民活動を促進する」こと。つまり、目の前の困った人に手を差し伸べることだけではなく、ボランティアを増やしたり、市民が活動しやすい環境を整備したりすることが求められている。サービス提供者の役割だけでなく、市民参加の機能を生み出し、一人ひとりの市民活動をサポートすることにNPOの本質があるのだ。

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2018/04/01 NPO・CSR ライター 辻陽一郎

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2018/04/01 NPO・CSR ライター 辻陽一郎