休眠預金500億円を社会課題の解決へ、課題も残る

2015/09/24 NPO・CSR ライター 辻陽一郎

photo by hiromitsu morimoto


毎年500億円もの休眠預金が新たに生まれている。金融機関で10年以上出し入れがないお金を休眠預金という。これまでは銀行の利益となっていたのだが、この資金を、NPOなど社会課題に取り組む活動に使えるように制度化する動きが進んでいる。超党派の議員連盟は休眠預金法案を作成し、今国会で成立を目指す。

法案では、休眠預金の活用対象を、生活困難者への支援や子ども・若者の支援、地域の支援などにあてると定めている。預金者の権利を守ることも明記し、預けた人が求めればいつでも返還を受けることが可能だ。

日本は課題先進国と呼ばれ、福祉や教育など多様化した問題に行政では対処できなくなってきている。NPOなど民間の団体ならば、迅速に多様なそういったことへ行政には届かない社会課題に取り組んでいるものの資金難に苦しむ団体にとっては朗報だろう。

休眠預金は、国の予算ではなくて、預金した人たちの資金だ。資金運用の透明性が問われている。金融機関からまずは、預金保険機構に移管。次に指定活用団体に交付される。この指定活用団体は、既存の団体ではなく、新しく設立する組織となる。実際に活動をする団体への助成・貸付は、複数のNPOバンクや財団法人などの資金分配団体が行う。

民間有志で構成される休眠口座国民会議は、議連への要望書で、予算消化に走るような助成ではなく、成果主義をとること、と記している。どう社会に役立つことに使われたかという、成果報告は大事なポイントとなる。多額の資金となるので、悪用しようという組織も出てくるだろう。現法案では運用で見えない部分もあるので、監査の仕組みや、きちんとした成果報告が必須だ。

休眠預金は、国民一人ひとりが預けたお金。NPOなどの団体にはなにをどう使ったかという事業の透明性が求められるのは当然だ。どれだけ、効果を出したかという見える化も欠かせない。状況の変化に応じて柔軟に活用で準備段階でしっかりと足場を整えておきたい。社会を変える大きな一歩となることに期待したい。


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2015/09/24