「心のバリアフリー」社会実現のヒントは、日本一のバリアフリー観光地伊勢志摩にある

2017/02/13 NPO・CSR ライター 辻陽一郎

車椅子


ハードの整備だけではない。心のバリアフリー社会を目指すために、日本人はまず障がい者へのイメージを変えなくてはならない。10日夜に行われた「心のバリアフリー」がテーマのイベントで、日本バリアフリー推進機構理事長の中村元さんは「福祉の概念が進んでいる日本では、障がい者は助ける対象となってしまう」と指摘した。

■心のバリアフリーとは障がいがある人もない人も同じように応対すること

中村さんは、伊勢志摩を日本一のバリアフリー観光地にするプロジェクトを手がけている。バリアフリー観光地のベースには「体の不自由な旅行者を一人の旅行者としてもてなす」という意識がある。

例えば、伊勢神宮の近くに古い小さなうどん屋がある。決してバリアフリーなお店ではない。だが、車椅子のお客がくると店員が慌てることもなく椅子を2つ抜く応対を当たり前に行う。

中村さんは「日本ではいまだに、車椅子を断る店や、特別な人が来たように慌ててしまう店が多い。店の人には普通の客と同じように応対してほしい」と話した。

■助けるではなく、その人にあったおもてなしをする

うどん屋の店員は、障がい者を助けたとか配慮したという意識もないだろう。どんな人が来ても、その人が過ごしやすいようにすることがおもてなしであり、車椅子の人にとっては椅子を2つ抜いたというだけのことだ。

しかし、日本では、こうした気遣いが障がい者相手となると助けるになってしまいがち。うどん屋のように自然にすることが心のバリアフリーがある社会の目指すべき姿だろう。

内閣府によれば何らかの障がいがある人は人口の約6%ほど。16人に1人くらいの割合だ。しかし、障がい者と接することはほとんどない。日本の学校教育では障がい者は分けて教育する。社会に出てからも障がい者は施設や特例子会社など分離した環境で働く。日本人には障がい者は特別という意識が植え付けられてしまっている。そのため、「助ける」という発想にどうしてもなりやすい。

■障がい者と親しくなって慣れること

今の特別な人たちを助けるという発想では本当の意味で「心のバリアがない社会」は実現できない。ではなぜ、伊勢のうどん屋はできたのか。慣れていたからだ。日本一のバリアフリー観光地にはたくさんの車椅子観光客も来る。触れ合ううちに特別な意識もなくなっていったのだろう。

だから、まずは障がい者と接する機会を増やし慣れ親しむことだ。一人親しくなれば、特別な人ではなく、自分と同じだという意識をもつことができるだろう。そして、その上でできるサポートのことも自然と分かってくる。


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2017/02/13