ストリートで生きる子どもたち。貧しく可哀想ではない、尊厳ある姿を収めた写真展

2017/09/17 NPO・CSR ライター 辻陽一郎

国境なき子どもたちの写真展「Victims-フィリピンのストリートチルドレン」


フィリピンのストリートチルドレンを収めたNGO主催の写真展に一歩足を踏み入れると、カメラに収められた子どもたちがまっすぐこちらを見つめてくる。

国際協力の現場の写真を見ると可哀想な気持ちになったり、希望に満ちている笑顔だったり、いろいろな感情が湧いてくる。だが、この写真展では感情をあおられなかった。まっすぐ見つめてくる少女、少年を見返すと、彼らと出会ったような気がした。

■国境なき子どもたちの写真展「Victims-フィリピンのストリートチルドレン」

写真展を開いたのは、NGOの国境なき子どもたち(KnK)。主催者のあいさつには次のようなことが書かれている。

「アジアの子どもたちの写真はいつも似たような感じになる。笑顔一杯の集合写真や、貧困紛争といった劇的な写真。そういった写真を見て私たちは、被写体の生活環境や身なり、太陽の光までもが、私たちの生きる世界から遠い存在に感じる。

吉田氏の写真から私たちが一番見て取れることは、子どもたちの顔からにじみ出る、人としての尊さや人間らしさではないか。彼らの顔をじっくり見続けると、フィリピンのストリートチルドレンと、ここにいる私たちはお互い似ていて、身近な存在であることに気づき始める」。

撮影したのは、写真家・吉田亮人さん。吉田さんは16日、フリーアナウンサー渡辺真理さんとのトークイベントで写真について語った。

KnKから依頼を受け、フィリピンに行った吉田さんは、現地に入るまで何を撮るか決めていなかったという。現地につき、最初の子どもと出会ったときに、彼女の姿を撮ろうと決めた。

「対峙した時にひりひりする感覚があった。存在感が決まっていた。ポートレートでいっぱいとろう。もっともストレートでオーソドックスだけど、シンプルで強い伝え方だ」と吉田さん。

渡辺さんは「吉田さんの写真からは人としての尊厳が伝わってくる。何かを伝えようとすると概略になってしまうことが多いが、大切なのは一人一人の真実」と感想を語った。

写真の中には、KnKが、2001年からストリートチルドレンを保護している「若者の家」で育った若者もいた。写真を通して路上で暮らす子どもたちのことを知り、KnKの活動に興味をもってくれることを願う。

ポートレートの子どもたちは、一人ひとり尊厳をもち、強くそこにいる。写真を通じて、ありのままの姿の彼らと出会った私たちは、この姿から何を考えるのか。


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2017/09/17