あたりまえに電話が使えないってこんなに不便なんです——電話リレーサービスとは?

2016/11/23 NPO法人インフォメーションギャップバスター理事長 伊藤 芳浩

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100人に1人は耳にハンディをかかえている。

ご存知ですか?国内には、耳にハンディキャップを持っている人が少なく見積もっても100万人以上いると言われています。およそ100人に1人となる計算です。

そして、筆者の私もその内の1人で耳が聞こえません。

・夜中に急病になって病院へ行きたい時
・緊急で人に確認したい時
・不在で受け取れなかった宅配便をすぐ受け取りたい時

こんな時に電話は便利ですが、私は耳が不自由なので電話ができません。これまで何度か家族や友人などに代わりの電話をお願いしたことがありますが、都合が悪かったり、夜中だったりして、なかなか電話をかけてもらえなくて困ったことがたくさんあります。

■人と人をつなぐ電話リレーサービス

この問題を解決する方法があります。それは、「電話リレーサービス」です。

電話リレーサービスとは、通訳オペレーターが利用者に代わり、第三者に電話をかけて連絡を行うサービスです。利用者が自分のコミュニケーション手段(手話、文字)などを使用して通訳オペレーターとコンタクトし、伝えたい・聞きたいことを連絡してもらいます。

アメリカや欧州(スウェーデン、ドイツ、イギリス、スイス、フランス、ノルウェーなど)、韓国、タイ、オーストラリアなど20カ国以上の国では、電話リレーサービスがすでに定着してています。

■日本の24時間対応ではない電話リレーサービス

日本では2000年頃から国や日本財団の援助により複数の民間企業が電話リレーサービスを開始していますが、十分なサービス水準には達していません。

日本では使用人数に限りがあり、24時間使える状態ではないためです。

■ご存知ですか?用事をすませるのに何倍ものの時間がかかっていることを

私は、日本財団が提供している「電話リレーサービス・モデルプロジェクト」にて、電話リレーサービスを試用しています。業務において、業務委託先の業者と打ち合わせする際、これまではメールを数往復するやり取りをすることで、発注条件や価格などを2週間ほどかけて決めていました。

しかし、電話リレーサービスを利用することで、わずか数十分の電話にて、すべての打ち合わせを済ませることができました。メールだとリアルタイムにコミュニケーションできないので、相手の返事を待つ必要がありますが、電話だとその場で相手の意向やニュアンスをリアルタイムで知ることができるので非常に効率良く進めることができます。

電話リレーサービスを利用する時としない時とでは、雲泥の差があります。このような機会は、長い人生の中では、何度なく繰り返されることです。それを積み重ねると電話リレーサービスを利用することで電話が使えるようになることと、そうでないことの差は非常に非常に大きな格差となります。

■あなたの1筆で格差解消につなげてみませんか?

そこで私は20カ国以上の先行国と同様に「電話リレーサービスによるバリアフリー」を実現したいと考えています。

私の所属しているNPOインフォメーションギャップバスターでは、このような情報格差を解消するための活動をしており、Change.orgでオンライン署名を行っています。電信電話事業を管轄している総務省に対して、以下の内容で陳情する予定です。

・電信電話会社の電話リレーサービス提供の義務化

・地域格差解消のための既存のユニバーサルサービス制度と同様にハンディキャップによる格差解消のための制度設立

目標は1万名で、現在紙による署名と合計して6000名の署名が集まっていますが、まだ足りていません。署名やシェアなど、みなさまのご協力をどうかよろしくお願いいたします。

伊藤 芳浩
1970年岐阜県生まれ。名古屋大学理学部卒業後、日立製作所にて、基本ソフトウェア系の開発を経験後、新規事業立上げに関わり、現時点は、Webマーケティング・プロモーションを担当。自分自身、聴覚障害者であり、当事者としての経験を踏まえて、情報格差解消のためのNPOインフォメーションギャップバスターを2011年に設立し、横浜国立大学などで「情報格差問題」「情報リテラシー」関連のセミナーを多数実施。「ダイバーシティ」「エンパワーメント」「合理的配慮」などのテーマでも講演。
NPO法人インフォメーションギャップバスターウェブサイト


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2016/11/23