COP21で、世界195ヶ国が合意したパリ協定とは?

2016/01/17 NPO・CSR ライター 辻陽一郎


地球温暖化対策には、世界が一丸となってCO2削減に取り組まなくてはならない。昨年12月のCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で、先進国だけではなく、途上国を含むすべての国が削減に取り組むというパリ協定が採択された。世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)の小西雅子さんが、歴史的な合意となったCOP21報告を1月12日、横浜のシンポジウムで行った。

COP21は、21回目の気候変動対策を話し合う国際会議。昨年11月30日からパリで開催され、会期を一日延長して12月12日に「パリ協定」が採択された。世界195ヶ国が合意したこの協定の主なポイントは、先進国だけでなく、途上国も含めた「すべての国」で削減に取り組むことが合意されたこと、そして「世界の平均気温上昇を2度未満に抑えるために、今世紀後半に世界全体で、人間活動による排出の実質ゼロを目指す」という目標を打ち出したことである。

■パリ協定合意までの困難な道のり

「京都議定書体制では、先進国のみにCO2削減義務があった。COP21では、途上国も含める新体制にどう移行できるかが焦点となっていた」と、小西さんは説明する。過去のCOPでは、削減の取り組みを拡げたい先進国と、責任を負いたくない途上国とで意見が分かれ、結論を出すことができなかった。

しかし、徐々に気温は上昇している。2度未満に抑えないと地球に深刻なリスクが生じると言われているなか、現在の世界の温室効果ガス排出量の実情では、今後100年間で4度前後の上昇が予測されている(出典: IPCC第5次評価報告書)。COP21は2度未満に抑える国際的な協定合意のラストチャンスとも言われていた。

地球温暖化はすでに世界中に影響を及ぼし、特に島嶼国やアフリカの国々は、海面上昇や干ばつなどの温暖化被害が深刻な状況にある。COP21では、中国やインドなどの新興途上国が温暖化対策に消極的ななか、アフリカや島嶼国などの貧しい国が切実な想いから、先進国と一緒に積極派となり、最終的にはすべての国が合意に至ることができた。

「2週間かけて夜を徹した話し合いがあり、最後は劇的な幕切れとなった。感動から号泣する人もいた」と小西さんは、パリ協定の採択がいかに難しかったかを語った。

■ パリ協定の理想を現実にするためには

パリ協定が採択されたことだけで地球温暖化が解決するわけではない。「人間活動による排出を実質ゼロにするためには、これまでの世界各国の目標では足りない」と小西さんも言う。今後は、それぞれの国で具体的な目標を設定し、対策を進めていくことが必須だ。

パリ協定には、理想のまま終わらず現実に温暖化対策が進むように、様々な内容が盛り込まれている。

例えば、「5年ごとの短いサイクルで目標を掲げ、見直すことのできる仕組み」や、「目標達成状況を多国間で検証し、国際的に取り組みを促す仕組み」がある。また、「先進国の、途上国への資金と技術支援を一部義務化」など、自国だけでは削減目標が難しい国には先進国が協力することも盛り込まれている。

最後に小西さんは、「私たち市民にできることは、温暖化問題をエネルギー問題と捉え、省エネルギーやCO2を出さない再生エネルギーに転換するなど、自ら考えて実行していくことが大切」と伝えた。

関連記事⇒気温が4度上昇!温暖化で地球に起こるリスクと対策は?


ボランティアやNPO/NGOについて詳しく相談!

記事を読んでNPOやボランティア活動に興味をもった人、ボランティアの始め方が分からない人、どういうボランティアが他にあるか知りたい人、一度ボランティアコーディネーターにご相談ください。メールでお返事します。NPOやNGOに関わってみたいけどどうしたら良いか分からないなど、どんな質問でも構いませんので、お気軽にフォームからご相談ください。個人の方は無料でご相談を受付けています。

2016/01/17