<石炭火力発電No>「日本は融資拒否を」度重なる人権侵害に地元・世界から抗議の声

2016/04/30 国際環境NGO FoE Japan

フェンス傍で地元住民らが抗議(グリーンピース提供)


日本の国際協力銀行(JBIC)が巨額の公的資金を投じて進めようとしているインドネシア・中部ジャワ州バタン県の石炭火力発電所は、長年にわたり農業・漁業を営んできたの村人の生活を一変させようとしている。東南アジアではインドネシアだけでなく、ベトナムでも石炭火力発電所の建設が進み、ミャンマーでも建設計画が進められている。大規模開発による環境破壊や人権侵害は深刻な状況だ。FoE Japanは現地住民やNGOと連携し、新規発電所の建設中止に向けた調査・提言活動を続けている。

国際協力銀行(JBIC)が約21億ドルの融資を検討中のインドネシア・中ジャワ州バタン石炭火力発電事業(総事業費約45億ドル。伊藤忠・J-Power出資)の現場で、3月初旬、事業予定地内に残された未売却の農地への経路を事業者がフェンスで封鎖し始めました。土地の売却を5年間拒否してきた地権者・農民らは依然耕作を続けており、収穫期を控えた農地や田植えを終えたばかりの農地も多くありましたが、3月下旬には、これらの農地への経路は完全に遮断されました。これは、農民が生業の場である農地に通えず、生活ができなくなることを意味します。

こうした土地収用の強制執行、および同事業に伴う数々の人権侵害を憂慮し、4月1日、インドネシアと米国の日本大使館前、都内のJBIC前で、各国の市民団体が緊急抗議アクションを決行。42ヵ国230市民団体の署名とともに国際要請書を提出し、日本政府・JBICに同事業への公的融資を行なわないよう求めました。また、4月5日には、未売却の農地経路を事業者が封鎖したフェンス傍で、地元住民らも抗議活動を敢行。事業反対の意を改めて示し、経路封鎖への怒りを顕わにしました。

同事業は軍・警察による反対派住民への脅迫・暴力など、深刻な人権侵害が指摘されており、昨年12月には、インドネシア国家人権委員会から日本政府に対し、慎重な融資検討を求める書簡が出されています。私たちは、JBICに対し、同事業が『環境社会配慮確認のためのJBICガイドライン』に規定されている「社会的合意」を確保できておらず、また、人権状況が一向に改善されない現状を重く受け止め、同事業への融資を拒否することを引き続き求めていきます。

(波多江秀枝)
『Green Earth』vol.58より転載。
この記事は2016年4月時点の情報を元に書かれています。


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2016/04/30