<石炭火力発電No>「事業中止を!」住民がJBICへ異議申立てに来日

2015/10/31 国際環境NGO FoE Japan

来日住民と一緒に行なったJBIC前でのアクション


日本の国際協力銀行(JBIC)が巨額の公的資金を投じて進めようとしているインドネシア・中部ジャワ州バタン県の石炭火力発電所は、長年にわたり農業・漁業を営んできたの村人の生活を一変させようとしている。東南アジアではインドネシアだけでなく、ベトナムでも石炭火力発電所の建設が進み、ミャンマーでも建設計画が進められている。大規模開発による環境破壊や人権侵害は深刻な状況だ。FoE Japanは現地住民やNGOと連携し、新規発電所の建設中止に向けた調査・提言活動を続けている。

2015年7月29日、日本の官民が連携して推進しようとしている「インドネシア・中ジャワ州バタン石炭火力発電事業」(総事業費約4,800億円)に、4年間反対し続けてきた住民代表3名が来日し、国際協力銀行(JBIC)に異議申立書を直接提出しました。

住民らは申立ての中で、同事業が現在および将来にわたり「生活悪化」と「人権侵害」を引き起こすことから、「環境社会配慮確認のためのJBICガイドライン」に違反していると指摘。2,000億円近くの融資を検討中のJBICに住民との直接対話を通じた問題点の精査を求めるとともに、改めて事業の中止を訴えました。

電源開発、伊藤忠はすでに出資を決めていますが、農地や漁場など生計手段への影響を懸念する住民が強い反対の声をあげ、土地収用が難航。現在も 約70名の地権者が土地売却を拒んでいます。しかし、今年4月には、建設予定地の一部でインドネシア国軍が土地整備を始めるなど、反対の声を抑えようとする圧力が強まっていました。

異議申立書の提出後も、現地では8月末に起工式が行なわれ、2015年9月中旬には未収用の農地に水を供給してきた灌漑用水路を、地権者の同意なく国軍が破壊してしまうなど、住民の声は無視されたままです。

2015年9月末には、20ヵ国63市民団体からJBICに対して、日本の公的融資が使われることのないよう求める要請書を提出しました。JBIC、日本企業は、現場の状況を重く受け止め、「建設開始」ではなく、土地売却の強要など深刻な人権侵害をまず食い止め、住民の同事業への反対の声に耳を傾けるべきです。

(波多江秀枝)
『Green Earth』vol.56より転載。
この記事は2015年10月時点の情報を元に書かれています。


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2015/10/31