<石炭火力発電No>国軍が関与して整地強行―JBICに緊急要請書を提出

2015/07/31 国際環境NGO FoE Japan

国軍の重機が整地を進める建設予定地内の農地(グリーンピース・インドネシア提供)


日本の国際協力銀行(JBIC)が巨額の公的資金を投じて進めようとしているインドネシア・中部ジャワ州バタン県の石炭火力発電所は、長年にわたり農業・漁業を営んできたの村人の生活を一変させようとしている。東南アジアではインドネシアだけでなく、ベトナムでも石炭火力発電所の建設が進み、ミャンマーでも建設計画が進められている。大規模開発による環境破壊や人権侵害は深刻な状況だ。FoE Japanは現地住民やNGOと連携し、新規発電所の建設中止に向けた調査・提言活動を続けている。

電源開発(J-Power)および伊藤忠が出資を決め、国際協力銀行(JBIC)、民間銀行団が巨額の融資を検討中の「インドネシア・中ジャワ州バタン石炭火力発電事業」の建設予定地では、懸案である土地収用の決着がついていないにもかかわらず、2015年4月上旬からインドネシア国軍の重機による整地作業が強行されています。

依然として73名の地権者が土地売却を拒むなか、このように抑圧的な手段で進められようとしている同事業に関し、FoE Japanは他の3団体と共に、2015年4月28日付けで日本政府・JBICに対する緊急要請書を提出。関連企業やインドネシア政府に対して抗議の意を伝え、早急に工事停止を申し入れるよう要請しました。

これに対しJBICは2015年5月中旬に現地視察を行い、事実関係の確認を行なったとのことですが、これまで4年間、農業や漁業など生計手段の喪失等を懸念し、根強い反対運動を続けてきた住民グループ等には会わぬままでした。2014年、2015年と2度にわたり住民グループがJBICへレターを提出し、自分たちの懸念を直接聞いて欲しいと求めていたにもかかわらずです。結果としてJBICは、「整地は土地買収が終わった場所のみで実施している」と、住民の認識とは異なる見解を示し、工事を容認する立場をとっています。

インドネシア国軍法では、国軍のビジネスへの参加は明確に禁じられています。また、そもそも、民間企業でも十分に行なえる整地作業を国軍が行なう必要性はまったくありません。住民側の社会的合意が得られず、また、非合法な形でしか推進できないような同事業について、日本の官民は黙認するのではなく、撤退を考えるべきです。

(波多江秀枝)
『Green Earth』vol.55より転載。
この記事は2015年7月時点の情報を元に書かれています。


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2015/07/31