障がいという「バリア」を「バリュー」にデザインする

2017/10/02 NPO・CSR ライター 辻陽一郎

車いす


「障がいというバリアをバリューにデザインする」。障がい者の働き方を考えるとき、鍵となる価値観だ。

障がいはこれまで超えるべきものというイメージがあった。だが、当事者や関係者らは、障がいというバリアをバリューにする取り組みを始めている。

■見えないからこそ見えてくるものがある

NPOが9月、都内で開いたイベントでは、バリアをバリューにする事例を当事者らが語った。

視覚障がい者が企業の商品開発のコンサルティングを行っている例がある。見えないからこそ感じられることがあるため、今治のタオルの商品開発を共同で行う。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク代表の志村信介さんは「目でデザインすると色の変化を見る。だが、視覚障がい者は、手触りを感じて本当に肌に優しいタオルを作れる」という。

「見えないからこそ見えてくるものがある。聞こえないからこそきこえてくることがある」。

ミライロの岸田ひろ実さんは、大病後に車いすの生活となった。車いすの目線は110cm。だが「わたしにしか見えないもの、世界がある」と岸田さんは強調する。「障がいを価値に変える。歩けないからこそできるユニバーサルマナーという仕事があった」。

全盲の弁護士として国内で3人目に司法試験に合格した大胡田誠さんは「勉強は目の見える人の何倍も大変だったが、苦労を乗り換えたからこそ相談に来る人を励ますことがある」という。

相談に来る人は、最初は盲目なのかと思う人もいる。だが、親身になって相談を受けていると「私も頑張ってみようと勇気がわいた」といってもらえることがある。

全盲という障がいがありながら努力して弁護士となった経験が、相談に乗るときの「バリュー」になっている。

■やりがい生きがいを最大限引き出す

もう一つ、障がい者が働く環境を考える上で重要なことは、自己肯定感ややりがいをもって働けるかどうかだ。

障がい者は日常では健常者から助けられ、ありがとうと言う側になることが多い。仕事を通じてありがとうと言われる側になることは、生きがい・やりがいになる。

六丁目農園という障がい者が働く野菜のビュッフェレストランを運営するアップルファーム代表の渡部哲也さんは「障がい者には、簡単でつまらない仕事をさせているところが多い。障がい者雇用がうまくいかないのは、表面的な接し方しかしていないからだ。簡単な作業しか任せずに、孤立させてしまう」と話した。

渡部さんは「一人一人の可能性を信じきることほしい。差別区別をしない。みんな泣きながら仕事をしている。すると仲間同士で助け合う。そのうちに長所や能力がマッチングできるようになる」と語った。

やりがい、生きがいがあることで、成長実感と存在実感が生まれ継続するのだ。


ボランティアやNPO/NGOについて詳しく相談!

記事を読んでNPOやボランティア活動に興味をもった人、ボランティアの始め方が分からない人、どういうボランティアが他にあるか知りたい人、一度ボランティアコーディネーターにご相談ください。メールでお返事します。NPOやNGOに関わってみたいけどどうしたら良いか分からないなど、どんな質問でも構いませんので、お気軽にフォームからご相談ください。個人の方は無料でご相談を受付けています。

2017/10/02